Ryan Schnirel
カリフォルニア州の太平洋岸に位置し、サンフランシスコから約250km北上した場所にあるメンドシーノ。
岩がそそり立つ海岸線は激しい波が打ち寄せる荒々しい風景が広がり、内陸部はレッドウッドの巨木が生い茂る広大な森が続いています。
Ryanさんは深い森の入り口あたりに建つツリーハウスで、パートナーと愛猫と共に暮らしています。 作陶活動の傍ら、地域の方々と共に畑を耕し作物を育て、大学の教授として教壇に立ったりと、多岐に渡る活動をしています。
今回Playmountainで紹介する作陶という表現は、自ら土を掘り粘土を探し、薪となる木を切り、海水から塩を得、可能な限り地元の素材を用いて制作することで、山から川へ、川から海へ、そして海から再び山へ、という自然の循環の一部となる感覚を得るためのプラクティスと彼は考えています。
↑土を掘りにいった際に猫もついて来たところの様子。 そして作品を形成するプロセスも重要であり、彼には、道具だけではなく、ひじやひざも使い形を作る独自の制作スタイルがあります。それは、身体こそが自身の精神を物理的に表現する方法であるといった哲学に基づいています。 また彼は、カップの形を手で整えながら森の中を歩き、自然環境から得られるエネルギーを、自身の身体を通じて作品に落とし込むことを大切にしています。 独自のスタイルで制作された作品は、険しい海岸や山々の稜線を思わせるような表情をもち、その歪みや窪みの一つ一つが、まさにメンドシーノの風景そのものとしての存在感を放っています。
この夏、彼が過ごした信楽のレジデンスを訪ねた際も、作品を手に山を眺めたり焼成に使う窯の周りを歩き回る姿がありました。 全身で素材と向き合い土地のエネルギーを取り込むその姿は、まさに彼の哲学を体現しており、そうした創造の瞬間に立ち会えたことを嬉しく思います。 展示される作品は、メンドシーノで制作されたものが主となっておりますが、信楽で制作された作品も少量並びます。
一貫して自身が暮らしている土地に深い敬意と愛情を持ち合わせ、周囲を温かく包みこむ優しさと力強さに溢れている彼を目の当たりにした時に、僕は彼が、険しくも豊かな土壌であるメンドシーノに、ゆっくりと深く根差し、逞しく育つレッドウッドの姿と重なるように感じました。 この展覧会を通じ、彼の作品に触れることで、メンドシーノという土地の風土、力強さ、そしてその中に息づくエネルギーを、ぜひ感じ取っていただけたら幸いです。
柳田
Ryan Schnirel Exhibition "Long language of the Rock"
会期 : 7/8(火) - 7/17(木)












