ユートピア
僕が住むこの街はゴッホが描いた世界だったらしい 個人的な暗い地獄の底から這い出ようとして ドアを弾き飛ばして転がり出た外は 夜一面、あらゆる物質がその形を瑞々しく揺らしていた 荒々しいブラシの筆跡に体と輪郭を与えられ、 絵の具香る色彩で感情を獲得していた ユートピアを探す 命からがら、ただ生き延びているだけじゃない ここも住みよくなったが それじゃもうダメなんだ 遠い理想のために生きて そんな命しか持たなかったから

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ユートピア
僕が住むこの街はゴッホが描いた世界だったらしい 個人的な暗い地獄の底から這い出ようとして ドアを弾き飛ばして転がり出た外は 夜一面、あらゆる物質がその形を瑞々しく揺らしていた 荒々しいブラシの筆跡に体と輪郭を与えられ、 絵の具香る色彩で感情を獲得していた ユートピアを探す 命からがら、ただ生き延びているだけじゃない ここも住みよくなったが それじゃもうダメなんだ 遠い理想のために生きて そんな命しか持たなかったから
列車
彼女はなんとなく分かった 今夜 世界が先へ進み眠る頃 どうしてひとりの夜を越せばいいか分からず 迷い子の心細さに病むことを 彼もなんとなく分かった 目を両手で覆い 揺れる景色を聴きながら 自分のこと以上に苦しんだ 彼女はなんとなく知っていた この傷がずっと取り返しのつかないことを きっと自分だけ消えず置いていかれることを 彼もただ気づいていた もうこの暖かな記憶を身勝手に捨てていくばかりだろうことを 相手の体に 熱を持って治らない傷だけを残したことを 人々と、ばらばらのこころを積んだ車両は あらゆる繋がりを断って あっけなく駅を離れた 誰にも、どうしようもないこと 力を失った僕たちは 暴力のように強く 未練を悲しみに代えようとした やがて遠く 駅は見えなくなった
遭遇
そこの岩陰を折れた時に 初めて他の人間と出会った 右手のナイフを落としそうになった あまりに彼の姿は異質で 未知のものであって 予想もしなかった突然の遭遇は 想像もしなかった異形との対峙で その姿は、形は、存在は、 僕と違うものとしての現実味が有りすぎて それは 自分の存在の正当性を剥ぎ取られる錯覚さえ引き起こした 恐怖に囚われ、そのまま、 ナイフで切りつけた 無茶苦茶に切りつけた 刺して、掻くように、力を入れて滑らす 液体が飛び散る 気づけば相手も刃物で僕を刻んでいた この理由のない相互殺人は 凄惨を極めた お互いの血が赤いことをなんとなく意識した時 既に多すぎるものが失われていた どうしようもなく気づく このナイフが殺すのは僕が殺す誰かではなく 僕自身だ 血の流れない所から 間違いようのないスピードと確実さで 殺されている それは僕だ もしくは殺す前から既に充分に殺され続けていた 今や体と溶け合いそうなほど肌に馴染む その手に握るナイフを見た そうかもしれない
救いを求めているうちに どこにいるのかも分からなくなった 手の中にあった一つのボールを放り投げた 狙いも定めずに 力なく転がったボールへ歩き、拾いあげ、 再び、適当に宙に投げた ここは公園らしい 隣では子供とその父親がキャッチボールをしている 彼らにおれは見えないらしい また拾って、投げた 拾って、投げる 相手のいないキャッチボールを続けながら、いろいろなことを考えた 今のこと、昔のこと、明日のこと そして繰り出す次の一投も 力なく地面に落ちる ボールを拾った節にふと目を上げると、周りを囲むように、子供が何人か居た 子供の頃に仲良くした友人達だった 近所に住んでいた仲間、クラスメイト、親の親友の子供 当時の姿のままそこに居た 彼らの手にはミットがある ボールを受ける準備をしている おれを見ている またおれは 誰も居ないところへ向かって投げた 誰も届かないところへ わざと、意図して、繰り返し投げ続ける ボールは土に塗れて元の色がなんだか分からなくなった 日が暮れていった 古い友人達の幻影は消え 一人残された
あたらしいせかい
目覚めの気配に充ちている カーテンの隙間 暗闇を光が破いた 飛行機が夢のようなスローモーションで横切った 路地では朝刊の1ページが舞った 少女の襟足が柔らかく揺れた 雑踏の音が遠く聞こえた 空を隠す高層ビルの間に 太陽が昇った 今 僕は完全で 心の穴も 薄暗い夜の先も きっとどうにでも出来ると思った
6月の陽
強く、そして熱い、精白な陽光が頭上から真っ直ぐに降り落ちる 緑を溜めた木々の葉を貫いて透かし、 チロチロと、眩しい木漏れ日が街路に細やかに舞っている 力強くなった生命 街の腐敗の臭気を滅して、草木が甘く香り立つ 憂鬱な動物たちはそれでも眼を落として歩く いつからだろう、思い出すことが悲しくなったのは 失うことをしっている生き物 この完全な美しい日に、永遠に明日が来ない事を祈るような、 そんな命さえ、前に進もうとするのを辞められない 黄昏が、暗く赤い斜陽が 真白く若い太陽の背後に迫っているような 嘘でもなさそうな幻覚を殺しながら 私は 束の間の幸福な夢を見たい 6月の陽を浴びて 少しばかり酩酊しながら
喪失
見えなかった場所まで来て 知らない景色を見て その瞬間に 何かが潮のように引いていった 私は失った 後ろを振り返ったら馴染みの坂道は消えた 背後にはどこまでも水平な大地 まっすぐと消失点へ まだ知らなかった時へ戻れたらどれほど幸せか 日々更新されながら 失っていく
Attack your inner fears with a spear Allow this heaven to coalesce within you Answer to no one except for those you hold dear Break the molds which hold no value
It's a witch hunt It's a trial Better get it right It's a coin toss It's a last cause Flipping on its side It's a judgment that comes down From the most high It's the truth which you can't buy It's the truth that has no price I vex my soul I stress it like a wash towel Me and I and I and me And you and you and you makes three Somehow we disregard the pain And forgive our enemies time and again Mercy compassion for you and myself Understanding is needed Beyond what is felt Beyond what is seen It was all a dream Shadows moving in and out of interpolated pin points Like moonlight reflected on wisdom that is found in pure noise Static seizures epileptic fevers Remorse appears and then disperses itself into reality We are set on a course intersected with destiny And somehow the most beautiful ones find love for their enemy And somehow the most beautiful ones find love for their enemy