The Tragedy of Macbeth
dir. Joel Cohen
2021年10月17日 Royal Festival Hall (LFF)
今まで弟イーサンと組んで映画を撮ってきたジョエル・コーエンが初めて単独で制作した映画。脚色も彼自身による。マクベスはデンゼル・ワシントン、マクベス夫人はフランシス・マクドーマンドという超重量級。
全編白黒の1.33 : 1の画角で、ブリュノ・デルボネルがトレードマークの淡い輪郭ではなくくっきりシャープな画を切り出している。調べた限りでは特にロケーション地が出てこなかったので、コーダー城はスタジオセットと思われるが、非常に天井が高く、石というよりコンクリートのような直線的な空間で大変にスタイリッシュ。これが白黒の極端なコントラストと相まってドイツ表現主義やベルイマンぽさを醸し出している。
当初の真面目な将軍から王位についてから落ち着きを失っていくデンゼルマクベスと、目的に忠実なフランシスマクベス夫人は双方とも比較的低体温なトーンを保ったまま狂気の世界へと入っていく。英米ミックスのキャスティングの中ではなんと言っても3人の魔女(コピペ?)をキャサリン・ハンターが演じているだけで大勝利と言える。もうあの声からひとの世を乱して面白がっている感が満々である。
もともと短い戯曲とはいえ、それでも2時間足らずのシェイクスピアはどうしてもキャラが豹変して見えがちなきらいはあるが、ここまで重量級の俳優がどっしりと重く密度の高い演技をすれば十分満足感が得られる、といういい例。













