かつてベッキー問題で文春砲ブームが起きたとき、浮かれてテレビに出まくったり、「センテンススプリングス」というロゴの入ったTシャツや「ふみはる君」などというオリジナルキャラを発売したりする編集部関係者の姿を見て、私は不安を覚えました。過去に文春が獲得した、知的な大人の読者を大量に失ったと思ったからです。編集長経験者から見ると、メインの読者層が大人から芸能好きな若者へと変わってしまうのではないかという危惧がありました。 私は文春を辞めてからも、「被害者の訴えがない記事は出すべきでない」と記事や書籍で警告を発し続けました。外の世界に出てみると、文春が世間から嫌われ、従来のような「ユーモアや教養のある大人が読む雑誌」というイメージが、完全になくなっていることを実感したからです。 以降は、私の言う世間の空気を感じたのか、文春は被害者の存在を意識する編集を始めたように見えました。また、BBC報道をきっかけに過去のジャニーズ問題が取り上げられたことを皮切りに、松本人志、中居正広、兵庫県知事などの問題で、文春報道の正確さが見直され始めたと思っていました。それだけに、今回の準備不足には残念な思いを禁じ得ません。結果として文春は、これ以上2人を追及することができない状況に陥っているように見えるのです。
永野芽郁と田中圭に「文春砲」が効かないワケ、不倫報道の“終わりの始まり”が見えてきた | 元文春編集長が「今」語りたいこと | ダイヤモンド・オンライン











