Nagisa Momoe Wish Granted
Japanese Json and Transcript
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"Narrator": "東西東西
やぁや皆様 ごきげんよう"
"見滝原の因果に呑まれた贔屓馴染みの演目なれど
今はここ神をも恐れぬ因果外れし時間の世界"
"皆様ご存じの筋書きとはすこしばかり
その姿を違えておるやもしれませ・・・"
"え?なになに?
そもそも、お菓子の少女の物語をご存じない?"
"ははぁ ナルホド、これは失礼
しかしやしかし、心配御無用
ご存じなさらずとも大丈夫"
"それはそれ、これはこれ
新たな気持ちでページをめくり
お忙しいならスキップで"
"隅から隅までずずずいーっと
ご覧あそばせお菓子の少女"
"???/Nagisa's mom?": "“なぎさ”はね、波打ち際っていう意味もあるの"
"あなたのお父さんと海で出会って…"
"いつかなぎさも連れて行ってあげるね"
(dramatic countdown similar to Rebellion's)
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Teacher 1: "お母さんが?なぎさちゃんに?"
"でもそれって、なぎさちゃんが 悪いことをしたとかじゃないの?"
Teacher 1: "何か怒られるようなことを しちゃったとか…"
Teacher 1: "なぎさちゃん、 何か心当たりはない?"
"大事なことだから よく思い出して?"
"なぎさ":"…………"
"…そうだったのです"
"なぎさがお皿を割ったから、 怒られてしまったのです"
Teacher 1: "そう じゃあ、先生からも"
"なぎさちゃんは ちゃんと反省してたって"
"お母さんにも伝えておくね?"
"なぎさ": "それは…いいのです"
"もう 何もしてくれなくて、いいのです"
[Late Afternoon, Outside School-Grounds Setting]
"キュゥべえ": "やあ、なぎさ 学校の帰りかい?"
"キュゥべえ": "ボクの名前はキュゥべえだよ"
"魔法少女の件は、 考えてくれたかな?"
"なぎさ": "またその話なのですか?"
"なぎさは信じられないので 興味ないのです"
"キュゥべえ": "にわかに信じがたい 内容であることは認めるよ"
"でもキミも一度、 この町の魔法少女に会えば"
"ボクの言っていることが 嘘ではないって分かると思うんだ"
"なぎさ": "知らない人について行っては いけないのです"
"キュゥべえ": "キミにとっても決して悪い話では ないと思うのだけれどね"
"魔法少女になれば、 なんでもひとつだけ"
"キミの願い事を叶えてあげられる というのも嘘ではないよ?"
"なぎさ": "そもそも、なぎさはなぜ 魔法少女とかになるのですか?"
"キュゥべえ": "キミにその資質があるからだよ"
"誰の願いも 叶えてあげられるわけじゃない"
"これは 資質のある子だけの特権なんだ"
"なぎさ": "でも願いがどうとかは"
"魔法少女とやらになることと 引き換えなのです"
"魔法少女になったら"
"魔女だかいう化け物と 戦わないとなのでしょ?"
"キュゥべえ": "まあ、そうだね"
"それについてはやっぱり"
"実際に体験してもらった方が 早いのだけれど…"
"魔女との戦いが"
"キミの願いを叶えてあげる対価 というわけだね"
"絵本のページ": "わがままなお姫様は、 そのまま塔の上から落っこちて しんでしまいました。 おしまい"
"???": "なぎさは不幸なお話を読むのが好きでした 不幸なお話を読んでいる間だけ ほんの少し心が軽くなったような気がするのです"
"お姫さまも家来も村人も、正直者も嘘つきも 誰しもが平等に ろくな目に遭わず けれど どんなひどいことが起こったって 最後になれば “おしまい”ひとつで物語は終わるのです"
"なぎさには、それだけでどこか 救われたような気持ちになるのでした"
"キュゥべえ": "なんでもひとつ願いが叶う というのは、多くの人間にとって"
"自分の人生と引き換えにしても 構わない程のことなんだよ"
"なぎさ": "そんなに素晴らしいなら"
"キュゥべえが願いを叶えて 魔法少女になればいいのです"
"キュゥべえ": "ボクらは個別の感情というものを 有していないから"
"そういったことは不得意なんだ"
"だからわざわざキミたち人間を 魔法少女に勧誘しているのさ"
"なぎさ": "感情…"
"感情があれば 自分のお願いも分かるのですか?"
"絵本のページ": "森で動物を助けたら、 怪しいランプをひろったら、 或いは悪魔に出会ったら、 お願い事を叶えてもらうチャンスというのは ある日突然訪れます。"
???": "いったいどんな願い事を 叶えて貰えばよいでしょう?"
"絵本のページ": "お願い お願い 素敵なお願い 魔法少女になるのなら ひとつだけなら 叶えてくれる 魔女を殺してくれるなら ひとつだけなら 叶えてあげる あなたのお願い なあに?"
"なぎさ": "そもそも、 お願いとはなんなのですか?"
"どういったことを望めば お願いになるのですか?"
"キュゥべえ": "“願い”とは…か"
"そういったことはボクらよりも"
"キミたち人間の方が 得意だと思うのだけど…"
"そうだね"
"キミたちの言葉でいうところの 欲望というやつさ"
"叶えることで、自身の魅力や知力 財力や権力を上昇させたり"
"過去の清算を望んだ者もいたね"
[??? Setting/Headspace Setting]
"???":"なぎさは今まで 不幸なお話しか考えたことがなかったので いきなり自分の望みや願いだなんだと言われても 勝手が分かりませんでした だってお話の中で願いを叶えた者は だいたいみんな不幸になったからです 不幸にはなりたくありません",
"こうなって欲しくないことと こうなって欲しいこと 不幸なお話の反対を願えば 幸せなお話に変わるのでしょうか? なぎさには、それがわかりませんでした"
"なぎさ": "説明されてもピンとこないのです"
"それに、 何かを願ってしまうということは"
"まるで 今に不満があるみたいなのです"
"キュゥべえ": "例えば キミの栄養状態は芳しくない"
"自宅の電灯も劣化し、 部屋はゴミだらけ"
"周辺環境と比べて、 裕福とは言い難い所得"
"さらにキミの対人、 集団内での状況"
"地域の平均を下回る状態を"
"“不満”という言葉に 置き換えるなら"
"もはや“全く不満がない” と言える部分が"
"キミにはあまりないと 思うのだけれど…"
"なぎさ": "ずいぶんな言われようですが"
"なぎさのことはともかく、 確かにお金は魅力的なのです"
"…でも、お話の中では"
"金貨を欲しがって 金貨をもらっても"
"上手くいかないと 相場が決まっているのです"
"金貨は偶然貰うものなのです"
"それに、不思議な力を使って 不思議じゃない物を貰うのは"
"なんだか 損をした気分になるのです"
"キュゥべえ": "確かに"
"必要とする金額にもよるけれど 社会性を犠牲に出来るなら"
"ある程度の金銭は魔法少女の力で どうとでもなりはするね"
"なぎさ": "キュゥべえから見て"
"なぎさに一番必要そうな願いは 何なのですか?"
"キュゥべえ": "それは難しい質問だ…"
"ボクとキミたち人間とでは、 価値の基準が異なるからね"
"なぎさ": "別にキュゥべえの意見じゃなくて 良いのです"
"今までたくさんの人と 契約してきたのなら"
"なぎさと似たような人間も いたと思うのです"
"キュゥべえ": "もちろんキミに声をかけた時点で プロファイリングは済ませてある"
"キミと同様の 境遇、性格、地域的背景…"
"モデルケースは たくさんあるからね"
"けれど、ボクが伝えたところで キミは納得しないと思うよ?"
"キュゥべえ": "“特定の人物からの 関心、好意を得たい”"
"あえてキミたち風に言うのなら"
“愛が欲しい” といったところかな"
"なぎさ": "…………"
"なぎさは… もう十分に愛されているのです"
[Late Afternoon, Playground Setting]
"伊津見 尹縫": "(…遅い)"
"(キュゥべえの奴、 まだ来ないの?)"
[Witch Labyrinth Setting]
"伊津見 尹縫": "(こんな時に限って 魔女の結界を見つけちゃうし…)"
"(ああ、もう!めんどくさい!)"
[Exits Gertrud Labyrinth/Enters Alleyway Setting]
"キュゥべえ": "やぁ、 伊津見 尹縫(イツミ イヌイ)"
"怪我はなかったかい?"
"伊津見 尹縫": "遅かったじゃないの!"
"おかげで魔女の手下と 戦う羽目になったし…"
"まさかわざと遅れて来たんじゃ ないでしょうね"
"キュゥべえ": "ボクだっていろいろと忙しいのさ"
"それよりもキミの方から"
"呼び出してくるなんて 珍しいじゃないか"
"伊津見 尹縫": "…聞きたいことがあったから 呼んだの"
"こないだあなたが言ってた"
"夢遊の亡霊"
”とか呼ばれてる イカレた魔法少女"
"本当に見滝原に来てるの?"
"キュゥべえ": "ああ、そのことか 彼女はもう見滝原市内に居るよ"
"伊津見 尹縫": "見滝原のどこに居るの?"
"見滝原でも誰かを狙ってるの?"
"誰を狙ってるとか分からないの?"
"キュゥべえ": "定期的に聴取へは 行っているんだけれど"
"相変わらず要領を得なくてね"
"ただ、他の地域と同様のケースに なると思うし"
"そうであればキミは彼女の 標的にならないと思うけれど"
"伊津見 尹縫": "あ、あたりまえじゃん!"
"わたし 悪いことなんてしてないもん!"
"そいつ 悪いヤツばっか狙ってんでしょ?"
"キュゥべえ": "それじゃあ、 キミが心配しているのは"
"普段からキミが気にかけている 男の方かい?"
"伊津見 尹縫": "…感情もないくせに、 余計なことは分かるんだね"
"あの人は… ショウさんは妬まれたり"
"誤解を受けることが多いから もしかしたらってのがあるし"
"それに"
"狙われてるかもしれない人の 噂とか、いろいろ聞いちゃって"
"ちょっと心配してるだけ"
"キュゥべえ": "最近のキミは その男の都合ばかり優先して"
"魔法少女の本分であるはずの 魔女狩りも停滞している"
"こちらとしてはむしろ 被害に遭って欲しいくらいだよ"
"伊津見 尹縫": "勝手なことばっか言わないで!"
"さっきだって ちゃんと手下倒したし"
"魔女も先週退治した ばっかじゃない!"
"今はちょっと忙しいの!"
"キュゥべえ": "キミが最後に魔女を狩ったのは 10日と13時間前だ"
"伊津見 尹縫": "行くよ!"
"バイトが終わったら ちゃんと行く!"
"今は無理ってだけじゃないの!"
"キュゥべえ": "…キミは相変わらずだね"
"夢遊の亡霊"
"の標的は 調べておくから"
"明日また待ち合わせしよう"
Teacher 2: "なぎさちゃん、 本当に何もないの?"
"なぎさちゃんは怪我が多いから、 みんな心配してるんだよ?"
"なぎさ": "大丈夫なのです"
"なぎさが失敗してばかりだから…"
"なぎさはいつも 転んでしまうのです"
Teacher 2: "そう…"
"何かあったら必ず言ってね? みんなあなたの味方だからね?"
"なぎさ thoughts": "みんな… みんなって誰だろう? 誰がなぎさの味方なんだろう?"
"絵本のページ": "かわいそうな女の子は、 そのまま石となって、 今はもうその石がどうなったのか、 知っている者すらいないのです。 おしまい"
"なぎさ thoughts": "なぎさはこういう時 悲しいお話の最後を思い浮かべて 心を落ち着かせるのでした"
Teacher 1: "それではみなさん、さようなら"
"ちゃんと寄り道をせずに 帰ってくださいね"
Classmate 1: "なぎさちゃーん!"
"みんなで帰りに お菓子買いに行くんだけど…"
"なぎさ": "なぎさは… 病院に行かなきゃなので"
Classmate 2: "え?なんで?病気なの?"
"なぎさ": "…………お母さんが入院しているのです"
Classmate 1: "なぎさちゃんのお母さんって なんで入院してんの?"
Classmate 1: "知らないの?なんで? はやく良くなるといいね"
Classmate 1: "なにあれ?"
"返事くらい してくれてもいいのに!"
Classmate 2: "なぎさちゃんって、 暗いよねー"
"絵本のページ: "「もうこんなみすぼらしい像など、 処分してしまえ」"
"こうして幸福な王子の像は、 ツバメの亡骸と一緒に 捨てられてしまったのでした。"
"おしまい"
[Afternoon, Outside School-Grounds Setting]
"キュゥべえ": "やあ なぎさ、今から病院へ行くのかい?"
"なぎさ": "聞いてたのですか?"
"面倒だったからああ言っただけなのです"
"病院は遠いから…"
"お母さんのお見舞いは、明後日行くのです"
"キュゥべえ": "そうかいそれはよかった"
"今からちょっと"
"先輩魔法少女の魔女退治に同行してもらえたらと思ってね"
"なぎさ": "…前もって言ってて欲しいのです"
"なぎさは毎日暇な訳じゃないのです"
"キュゥべえ": "相手の魔法少女がなかなかつかまらなくてね"
"急な話になってしまったけれど"
"魔法少女になるかどうかを判断するためには"
"魔女との戦いは一度見ておいた方が良い"
"是非一緒に来てくれないかい?"
[Afternoon, Playground Setting]
"なぎさ": "やっぱり魔女退治は危険なのですか?"
"キュゥべえ": "そうだね…如何に魔法少女であっても"
"油断しているとやられてしまうこともある"
"でも魔法少女が魔女を狩らないと"
"より多くの人々が犠牲となってしまうから"
"野放しにする訳にはいかないんだ"
"キュゥべえ": "それに魔女を倒さないと グリーフシードも手に入らない"
"グリーフシードの話は 覚えているかい?"
"なぎさ": "…魔力を回復するアイテム なのですよね?"
"キュゥべえ": "そう"
"魔法少女が魔女と戦う際は 人命救助と被害拡大の防止に加え"
"魔女を倒しグリーフシードを 確保することが主な目的となる"
"なぎさ": "グリーフシードとかいうのを 手に入れなくちゃいけない"
"それは分かるのです"
"でも、なんでなぎさが他の人まで 助けないといけないのですか?"
"キュゥべえ": "魔法少女じゃない人間の力では 魔女に対抗できないからね"
"魔法少女が魔女と戦わなければ"
"多くの人達が為す術もなく 魔女の餌食にされてしまうんだ"
"なぎさ": "誰もなぎさのことは 助けてくれないのに"
"なぎさは 誰かを助けなきゃなのですか?"
"キュゥべえ": "…………"
"…確かに なぎさの言うことはもっともだね"
"他人を助けるのは 気が向いたらで構わないし"
"実際に、そういったスタンスの 魔法少女も多く存在している"
"ボクが言っていたのは"
"あくまでもキミたち 人間の中での一般論に過ぎないし"
"ボクからは人命救助を 無理強いするつもりはないよ"
"なぎさ": "でも なぎさの気が向かなかったら"
"なぎさが助けなかったら、 なぎさが助けなかった“から”
"誰かが死んだことになるのです"
"なぎさは 人殺しになりたくないのです"
"キュゥべえ": "リスクの想定は大事だけれど"
"なぎさは何事も後ろ向きに 考え過ぎるんじゃないかな?"
"魔女を倒せば結果的に"
"襲われる予定だった人間を 助けることにはなるし"
"それはプラスにしか ならないだろう?"
"仮に襲われている人間が 100人いたとして"
"99人までを見捨てても"
"魔女を倒すことで 最後の1人が助かったのなら"
"それは 100人が死ぬはずの運命から"
"1人を救ったことに なるじゃないか"
"魔法少女として 活動している以上は"
"結果的に誰かを 救うことになるから"
"何も気に病む必要なんてない"
"なぎさ": "なぎさは"
"きっと助けようと思っても 失敗してしまうのです"
"助けなきゃいけなくても 失敗してしまうのです"
"どうやっても助けられないのと"
"助けられたかもしれないのに 失敗してしまうのは"
"全然違うのです…"
"絵本のページ": "こうして なぎさは 不思議な動物に誘われて 先輩魔法少女と一緒に 魔女退治へ行くことになりました。 さあ、魔女の結界では どんな大冒険が待っているのでしょう?"
[Late Afternoon, Playground Setting]
"なぎさ": "で、その待ち合わせしている 魔法少女の先輩とやらは"
"いつになったら来るのですか?"
"キュゥべえ": "おかしいな"
"近くまでは 来ていたはずなんだけど…"
"なぎさを連れてくることは 事前に言っていなかったから"
"警戒されてしまったのかも しれないね"
"キュゥべえ": "昨日、別件でボクが持っている 情報と引き換えに"
"待ち合わせの約束は していたんだけれど"
"なぎさ": "友達とだけ 待ち合わせるつもりだったのに"
"いきなり初対面の人を 連れてこられたら"
"イヤに決まってるのです"
"キュゥべえはもっと 常識を身につけた方がよいのです"
"キュゥべえ": "キミたちの文化は本当に難解だ…"
"彼女とはボクだけで もう一度話してみるよ"
"なぎさ": "わかったのです なぎさはもう帰るのです"
"時間の無駄だったのです"
[Alleyway Setting]
(??? is watching from a distance)
"キュゥべえ": "こんなところにいたのかい?"
"待ち合わせを無視するなんて、 ひどいじゃないか"
"伊津見 尹縫": "他の子を連れて来るなんて 聞いてないよ…"
"キュゥべえ":"やっぱり来てはいたんだね"
"あの子は百江なぎさ 新しい魔法少女候補だよ"
"伊津見 尹縫": "あなた、あんな小さな子とまで 契約するの?"
"キュゥべえ": "確かに彼女はまだ幼いから"
"契約後はキミからも 指導してもらえると助かるよ"
"同じ魔法少女同士の方が 気がつく点も多いだろうからね"
"そのために今日は顔合わせして 欲しかったんだけど…"
"伊津見 尹縫": "正気なの?"
"あんなちいさい子、 魔法少女になったって"
"すぐ死んじゃうよ!?"
"キュゥべえ": "それはまだ分からないだろう? 年齢的にも前例がない訳じゃない"
"それに元はと言えば、 キミが役目を果たさないからだよ"
"キミが自分のテリトリーにいる 魔女のことも放置しているから"
"なるだけ早く その穴埋めが必要なんだ"
"伊津見 尹縫": "そ、それは… 今月からバイトも増やしたし"
"わたしにだって 普通の生活があるの!"
"全部わたしのせいだって 言いたいの?"
"わたしにばっかり いろいろ言わないでよ!"
"キュゥべえ": "キミにだけ 忠告している訳じゃないし"
"百江なぎさの 勧誘を急いでいることについては"
"明確にキミが原因だ"
"キミは魔法少女としての 自覚が欠けている"
"グリーフシードを 枯渇させないためにも"
"魔女をもっと積極的に狩るべきだ"
"伊津見 尹縫": "…もういい!"
"そんなことより、 亡霊が狙ってる人のこと"
"調べられた? 誰か分かった?"
"キュゥべえ": "やれやれ…"
"調べたというか、 本人に直接聞いてきたよ"
"けど、キミが言うあの男が リストに載っていようがいまいが"
"キミが自身を危険にさらす必要は ないんじゃないかな?"
"ボクには、あの人間にそれほどの 価値があるように見えないけどね"
"伊津見 尹縫": "ショウさんは絶対に悪いこと なんかしてないの!"
"みんなが勝手に 噂してるだけなんだよ!?"
"やさしくて、かっこよくて、 みんなに慕われてるし…"
"わたし、 ショウさんに何かあったら…"
"…ねえ"
"ショウさんが狙われてるかどうか 教えてよ"
"なんで教えてくれないの?"
"キュゥべえ": "キミは魔法少女として、 もっと多くの人間の力になれる"
"伊津見 尹縫": "もう分かった… 直接亡霊に会って聞く"
"あと、あの子の契約には 絶対反対だからね!?"
"あの子が契約しても 面倒なんてみないから!"
"キュゥべえ": "やれやれ… …訳が分からないよ"
"絵本のページ": "さあ 間抜けで鈍間な 百江なぎさ は 無事 魔法少女になることが 出来るのでしょうか?"
"はやく魔法少女になってくれないと こうしている間にも、 誰かが魔女に襲われているかもしれません。"
"それに なによりも 魔法少女になってくれないと お話が進まないのです"
[School Setting/Nagisa's Thoughts Setting]
"なぎさ thoughts": "(もし、なぎさが 魔法少女にならなかったら)"
"(なぎさは悪いことをしたことに なってしまうのですか?)"
[Afternoon, Outside School-Grounds Setting]
"キュゥべえ": "やあなぎさ 昨日は悪かったね"
"今日はどこへ行くんだい?"
"なぎさ": "明日、病院でお母さんに渡す お土産を買いに行くから"
"今日はつきあってやれないのです"
"キュゥべえ": "病院へ行く途中に買うのでは 駄目なのかい?"
"なぎさ": "ちゃんとじっくり選んで 買っていくのです"
"なぎさ": "マスカルポーネ"
"ゴルゴンゾーラ"
"ミモレット"
"キュゥべえ": "ずいぶんと チーズばかり買うんだね"
"キミぐらいの年齢の食事は"
"もっと栄養素のバランスに 気を使った方が良いと思うけれど"
"なぎさ": "これは全部"
"お母さんに持っていく用の チーズなのです"
"なぎさが食べるわけじゃ ないのです"
"なぎさはそんなに 好きじゃないのです"
"キュゥべえ": "キミのお母さんが、 そんなに食べるのかい?"
"なぎさ": "全部食べる訳じゃないかもですが"
"選べた方が良いに 決まってるのです"
"しばらく食べちゃダメだったけど"
"最近また 食べてもよくなったのです"
"キュゥべえ": "キミの分の食事は 買わないのかい?"
"なぎさ": "なぎさは…給食も食べたから"
"残ったチーズを食べるので 十分なのです"
[Afternoon, Outside School-Grounds Setting]
"なぎさ": "なぎさのお母さんは テレビにも出ていたのですよ?"
"可愛かったし人気もあったのです"
"お父さんと結婚してから…"
"病気になって… 病気が悪くなって…"
"お父さんはいつも 仕事で帰ってこなかったけど"
"もうずっと 帰ってこなくなったのです"
"なぎさとお母さんは 捨てられたのです"
"なぎさ": "お父さんと結婚しなければ"
"病気にもならなかったかも しれないのです"
"キュゥべえ": "なぎさは 父親を恨んでいるのかい?"
"なぎさ": "別に… なぎさは恨んだりしないのです"
"誰かを恨むのは、 よくないことなのです"
"なぎさ": "なぎさにはお母さんがいるのです"
"お父さんがいなくても 何も思わないのです"
[Afternoon, Crosswalk Setting]
"キュゥべえ": "未熟な社会の煽りを受けている"
"キミのような者にとっては 魔法少女こそが"
"希望をつかむ最善の手段と 思うのだけど"
"なぎさ": "…なぎさは"
"なぎさは きっとうまく出来ないのです"
"キュゥべえ": "やってみなければ分からないよ ボクも可能な限りフォローする"
"なぎさ": "…断ると、なぎさは"
"悪いことをしたことに なるのですか?"
"キュゥべえ": "それはない"
"これはキミが自由意思で 選択すべき問題だからね"
"誰にも強制することは出来ないし ペナルティも存在しない"
"ただ、ボクの経験上"
"契約を断ったとしても、 将来的にはその精神に"
"過度なストレスを抱える 場合が多い"
"キミたちの言葉でいう “後悔”というやつだね"
:"具体的には、そうだな"
"ある程度の年月が経過してから 思い直して"
:"願い事と引き換えに"
"魔法少女としての運命を 受け入れようとしたその頃には"
"もう魔法少女になれる資質が 著しく下がってしまっていた…"
"みたいなケースだね"
"ボクらにとってキミたちの寿命は 一瞬に満たないけれど"
"それはキミたち自身にとっても 同じなんじゃないかな?"
[Afternoon, City/ Near Hospital Setting]
"キュゥべえ": "つまり、 決断するタイミングを逃せば"
"二度と取り返しがつかない ことだってある"
"ボクはキミが持つ 魔法少女になれる資質"
"それによって有する 権利の重要性を"
"なるだけ 正確に理解してもらうため"
"こうして何度も 会いに来ているのさ"
"キミが望みさえすれば"
"大抵の願いは 叶えることが出来るだろう"
"それは そうでない人間が"
"一生かかっても手に出来ない 奇跡なんだ"
"なぎさ": "でも、なぎさなんかに そんな力があるなんて"
"とても思えないのです…"
"あとキュゥべえ、 こっちの道は遠回りだったのです"
"キュゥべえ": "…そうなのかい? 気が付かなかったよ"
"それはすまない"
"なぎさ": "あれ? あそこになにかあるのです"
"なんか歪んで見え…"
[Gertrud/Witch Labyrinth Setting]
"なぎさ": "な、なんなのですこれは?"
"なにが起こったのです?"
"どこなのですかここは!?"
"キュゥべえ": "…しまった!"
"魔女の結界に 取り込まれたみたいだ!"
(Witch Familar/Anthony Appears)
"キュゥべえ": "あれは魔女の手下だ! なぎさ!今すぐボクと…"
"???": "…ありゃ? キュゥべえ?"
"こんなとこで何してんのさ"
"キュゥべえ": "キミは… “夢遊の亡霊”"
"キミが都合よく通りかかるなんて 運が良いのか悪いのかだね"
"???": "えぇぇ… もっと感謝してくんないの?"
"もー! ちゃっちゃとやっつけちゃうけど"
"そこの子も危ないから、 あんま動かないでね!"
[Exit Witch Labyrith/ Back to City Setting]
"???": "いいのいいの 困っちゃった時はお互い様だよ!"
"ユゥ": "ワタシはユゥ 名字は忘れちゃった"
"ユゥって呼んでよ"
"キュゥべえと一緒に居る ってことは、君も魔法少女なの?"
"なぎさ": "あ、あのですね、 もしなぎさが魔法少女になったら"
"ユゥにいろいろ教えて 欲しいのです!"
"キュゥべえ": "――っ!?"
"なぎさ、ちょっといいかな… そういったことはもっと慎重に…"
"なぎさ": "後にして欲しいのです なぎさはお願い中なのです"
"ユゥ": "困ったなぁ"
"ワタシ、 魔法少女になんのが遅くてさ"
"見た目ほどベテラン って訳でもないし"
"たぶん他の人に聞いたほうが 良いと思うんだよねぇ"
"なぎさちゃんは何が知りたいの? 魔女のこと?魔法のこと?"
"なぎさ": "なぎさは… なんで魔法少女になれるのか"
"なぎさに 本当にその資格があるのか"
"分からないのです"
"なぎさは何もしてないのに、 何も出来ないのに"
"なぎさは 何をお願いしたら良いのかも"
"分からないのに…"
"ユゥは、なんで魔法少女に なったのですか?"
"何をお願いしたのですか?"
"ユゥ": "ううぇえ、困ったなぁ…"
"ワタシ、実は魔法少女になる前の 記憶もなくってさ"
"なった理由とかも 憶えてないんだよね"
"それにワタシ、リストがないと"
"善い人と悪い人の 区別もつかないから"
"人に物を教えるなんて とてもとても…"
"あ!そういえば忘れてた!"
"キミの名字! キミの名字は?"
"ユゥ": "はいはい、百江なぎさちゃんね~"
"百江なぎさ…うん"
"リストには載ってないから、 なぎさちゃんは善い人だね"
"ユゥ": "そう"
"これはね、 悪い人だけが載ってるリストなの"
"ちょうどこの辺に住んでる 悪い人の名前が書いてあんだよ?"
"なぎさちゃんは載ってないから、 きっと善い人!"
"ユゥ": "そーなのですよ?"
"ワタシはこのリストに載ってる 悪い人を殺して回ってんの"
"なぎさちゃんは善い人だから 殺さないよ?"
"ユゥ": "あ、なぎさちゃんは 載ってないんだけど"
"そういやおんなじ 百江って名字の人いたわ"
"ほらほら、この人 見て見て"
"この人、知んない?"
"さっきこの人の家に 行ってみたんだけど"
"誰も居なかったんだよね"
"家ん中も真っ暗で ゴミばっかだったし…"
"なぎさ": "…そ"
"その人を…その人に、 恨みがあるのですか?"
"ユゥ": "無いよ?会ったこともないし"
"あ、ワタシは無いってだけ 他の人に恨まれてるかは知んない"
"ユゥ": "ぎゃくたい?してる? とか何とか?"
"うん"
"あんま詳しくは 知んないんだけど"
"ちゃんとリストに載ってるから 悪い人だよ!"
"なぎさ": "…その人は、知らない人なのです"
"引っ越したのでは、 ないのですか?"
"きっと引っ越して どっか行っちゃったのです"
"ユゥ": "うーん そーかなぁ?そうなのかも?"
"なぎさ": "で、でも、 なんでそんなことするのですか?"
"殺すなんて…"
"ユゥ": "ワタシね"
"魔法少女になる前の記憶が ないんだけどさ"
"何か大切な約束が、 あったような気がすんの…"
"きっと魔法少女の使命を 全うすることで"
"そういったのとかも、 いつか思い出せんじゃないかって"
"で、今は魔女とか悪い人だとかを 退治して回ってんだ"
"なぎさ": "ま、魔法少女は 魔女を倒すだけだって…"
"ユゥ": "え?違う?違うかな?"
"あ! もしかして心配してくれてんの?"
"大丈夫大丈夫!"
"間違えて善い人まで 殺しちゃったりとかしないって!"
"殺す前にいろいろ 本人確認だってしてんだから!"
"あ、死体だってちゃんと"
"魔女の結界に捨てる前に 使えるとこは売っちゃうから"
"自然にも優しいんだよ?"
"キュゥべえ": "なぎさ これ以上聞く必要はない"
"彼女が異常なだけであって"
"ボクらは 殺人を推奨したりはしていない"
"ユゥ": "もー!"
"相変わらずキュゥべえは 宇宙人だなぁ!"
"なぎさちゃん!"
"ワタシ難しいこと よく分かんないけどさ"
"せっかく魔法も使えてどこで 野垂れ死ぬかも分かんないんだし"
"自分でやろうって思ったことに 正直になることにしたんだ!"
"なぎさちゃんも、 もし魔法少女になったら"
"我慢するのとか、 やめちゃっていいと思うよ?"
"ユゥ": "うん"
"自由になっちゃおうよ! フリーダム!"
"なんとなくだけど、なぎさちゃん すごいしっかりしてるし"
"もしかして、いっぱい悩んだり、 たくさん我慢してるから"
"初対面のワタシなんかにまで 一生懸命質問するのかなって"
"ワタシも全然えらそーなこと 言えないんだけどさ"
"どーせ 命がけで悪い奴と戦わされて"
"せっかく魔法なんていう トンデモパワーが使えるんだし"
"もっと自由でもって思う訳よ?"
"我慢とか大変なだけだし、 自由って大事!"
"キュゥべえ": "全ての魔法少女が キミみたいになったら"
"人間社会は 瞬く間に崩壊するだろうね"
"ユゥ": "そんじゃ、ワタシも もう行かなきゃ"
"またね"
"先生にはなれないけど"
"困ったことがあったら ワタシも助けに来るからさ!"
"良い先輩魔法少女が 見つかるといいね!"
"なぎさ": "ユゥは… ユゥは“善い人間”なのですか?"
"絵本のページ": "自分が魔法少女になれると聞かされたとき、 なぎさは心のどこかでうんざりしました。"
"まだ なぎさは もっともっと良い子にならないといけない もっともっと良い行いをしなくちゃいけない"
"そう思ったからです。"
"けれど、どうでしょう。"
"なぎさが初めて出会った魔法少女は 思っていたようなものではなかったのです。"
"まるであれは…"
"キュゥべえ": "危ないところだったよ"
"彼女に師事しなくて正解だ 彼女とまともに付き合っていては"
"キミの精神の方が 消耗してしまうだろうからね"
"なぎさ": "ユゥも、 本当に魔法少女なのですか?"
"なんか思ってた魔法少女とは だいぶ違うのです"
"助けてもらってなかったら"
"あの人が魔女だと 誤解するとこだったのです"
"キュゥべえ": "…彼女は少し特殊なケースで 一般的な魔法少女とは言い難い"
"こう言っては何だけれど"
"初めて出会う魔法少女としては 相応しくない"
"キュゥべえ": "いや、確かに魔法少女ではある"
"彼女は “夢遊の亡霊”とも呼ばれ"
"人格を忘れ、 歳をとることも死ぬことも忘れ"
"現実と夢の境目が 分からなくなった魔法少女"
"研究対象としては興味深いけれど"
"キミが参考にすべき 魔法少女ではないよ"
"なぎさ": "魔法少女は 人殺しもやるのですか?"
"キュゥべえ": "さっきも言ったけれど、 ボクらはそんなこと推奨しない"
"個人的な事情があるのであれば 止めないけれど"
"人間の犯罪者を裁くのは 魔法少女の仕事じゃない"
"でも、ユゥにとっては 人殺しも魔女殺しも同じなんだ"
"信じられないかもしれないけど"
"彼女は本当に魔女と人間の 区別がつかないんだよ"
"彼女の頭の中はまともじゃない"
"キュゥべえ": "ボクらとしても"
"魔法少女の力を使って 無益な騒動を起こすなんて"
"勘弁して欲しいんだけどね…"
"ともかく、 彼女には関わらない方が良い"
"なぎさ": "悪い人でも、 魔法少女にはなれるのですか?"
"キュゥべえ": "まあ"
"この星での文化を基準とした 善悪の価値観自体は"
"キミたちの思想だとか 性格であるだとかと同様に"
"ボクらにとっては ノイズ以上の価値を持たない"
"だからそれが どんなものであったとしても"
"資質がある人間であれば、 誰であろうと区別なく"
"魔法少女になる権利を 有しているよ"
"なぎさ": "なぎさも、 魔法少女になれるのですか?"
"キュゥべえ": "そうだよ? ボクはもうずっと"
"そう言っているつもり だったのだけれど…"
"なぎさ thoughts":"なんでもひとつだけ叶う願い"
"きっとはじめから なぎさの願いはひとつしかなかったのです"
"けれど今の今まで なぎさはそれを望んでいませんでした 望まぬ理由を考えようともしていませんでした"
"でも、なぎさは魔法少女になって 自由になれるのです きっと自由になったなぎさは 何を考えても良いのです"
"自由"
"自由"
"自由"
"自由な なぎさは 今の なぎさを 今の 全てを"
"自由に嫌いだと言ってしまえるのです"
"そう思った途端 自分の願いの輪郭 とてもよくないその輪郭が なぎさの頭の中に急に浮かびあがりました"
"自由な なぎさは とてもよくないことだって考えます だってなぎさは自由だからです"
"もしかすると"
"もしかすると"
"もしかすると"
"なぎさはもう お母さんから 愛されていないのかもしれない"
"きっともう、愛されてはいない"
"愛されていないのなら もしお母さんの病気が治せたって なぎさは必要とはされない"
"けれども、です もしお願いで、お母さんの病気が治せたら お母さんの病気を治せたら 初めてお母さんの役に立てるのです"
"病気を治してあげることで とても感謝してもらえるかもしれません"
"恩を着せて 思い知らせて 見直してもらって 後悔させて"
"そうすれば なぎさはきっと また愛してもらえる"
"元の幸せななぎさに戻れる"
[Afternoon, Alleyway Setting]
"ユゥ": "えっと、それで… …伊津見さん?だっけ?"
"ワタシちょっと さっきの人に急ぎの用事が…"
"ユゥ": "あ、あまり初対面の人に暴力は よくないと思うんだけど…"
"いや、 2度目3度目でもよくないよ?"
"伊津見 尹縫": "あなた、やっぱりショウさんを 狙って来たんだね"
"ユゥ": "ショウサン? ああ、さっきの人のあだ名?"
"って、そうなんです! 御用があるんですよ!"
"さっきも言ったけど"
"あの人悪い人だから 殺しに来たんです!"
"ほら、ちゃんとリストにも 名前が載ってんでしょ?"
"リストに載ってるのは 本名だけど…"
"伊津見 尹縫": "勝手なこと言わないで! みんな嘘ばっかり!"
"なんでそんなこと分かるの!?"
"なんでショウさんばっかり 悪く言うの!?"
"あなたに何が分かるの!?"
"ユゥ": "あ、あわわ! 落ち着いて伊津見さん!大丈夫!"
"さっきリストに載ってる名前が 本人のことだって確認もしたし"
"確かにショウサンではないけど、 あっちが本名みたいでね?"
"間違いとかではないので 大丈夫なんですよ?"
"伊津見 尹縫": "あなたさっきからなんなの!?"
"リストリストって 馬鹿じゃないの!?"
"それに載ってるから何なの!?"
"そのインチキリスト"
"ショウさんを逆恨みしてる人が 作ってるんでしょ!?"
"なんで疑わないの!? 嘘に決まってるじゃん!!"
"ユゥ": "困ったなぁ… リストはあってるんだけど…"
"じゃ、とりあえずさ、 仮にで良いから"
"あの人悪い人だったーって しておいてくんないかな?"
"もし万が一間違ってたら、 後でちゃんと謝るから?"
"ね?"
"伊津見 尹縫": "――ッ!?"
"…ねえ、 ほんとに、何言ってるの?"
"殺しに来たんじゃないの?"
"ショウさんを 殺しに来たんでしょ?"
"ユゥ": "え!?そうだよ? 言ってんじゃん"
"殺しに来たって…"
"ユゥ" thoughts: "(困ったなぁ)"
"(もしかして話 聞いてくれない系?)"
"伊津見 尹縫": "…………"
"やっぱり、 キュゥべえの言う通りイカレてる"
"どうかしてる"
"だいたいショウさんより悪い人 なんていっぱいいるじゃない!"
"なんでそっちを殺さないの!? 馬鹿なの!?"
"他のもっと悪い奴らを 殺してればいいじゃない!!"
"ユゥ": "ちゃ、ちゃんと悪い人のリストも"
"随時更新してもらってるから 大丈夫だよ?"
"ほら、確認とかいろいろあるし"
"ちょっと行くの遅れちゃったり することあるかもだけど…"
"な、なるだけ 急いでいくようにしてるし…"
"一生懸命やってるよ?"
"も~~ だから大丈夫なんだって!"
"絶対大丈夫なヤツ!"
"…もしかして、伊津見さんは"
"あの人が殺されちゃうと 何か困っちゃう?"
"例えばお役所とかでやる 手続きが面倒とか?"
"でも親族でも配偶者でも 身元引受人でもないよね?"
"それならさ"
"そこまで面倒な感じには ならないんじゃないかな~~?"
"なんて"
"あ!!"
"も、もしかしてあの人に お金貸してたりする?"
"後でジュースおごってあげる とかじゃダメな金額?"
"伊津見 尹縫": "…………"
"いい加減にして!!"
"こんなこと 絶対に止めてみせる!!"
"あなただけは、 絶対に許さない!!"
"ユゥ" thoughts: "(ああああああ 怒らせちゃった…)"
"(めちゃめちゃ 怒ってらっしゃる…)"
"(なんでだろう、 ワタシすぐ怒らせちゃう…)"
"(これって戦わなきゃいけない パターンのやつだよね?)"
"(困ったなぁ困ったなぁ…)"
"絵本のページ":"なぎさは魔法少女になることにしました。 魔法少女になって、 なぎさは自由になるのです。"
"正しくもない 良い子でもない 魔法少女のなぎさに なぎさはなろうと思いました。"
[City/ Near Hospital Setting]
"キュゥべえ": "ようやく決心してくれたようだね"
"なぎさ": "はいなのです"
"なぎさは、お母さんの病気を 治したいと思っているのです"
"今から病院へ行って"
"お母さんにも、ちゃんと そのことを伝えたいのです"
"キュゥべえ": "この場で願ってくれれば"
"すぐに叶えてあげられると 思うのだけど?"
"なぎさ": "…お、お母さんの体のことなので お母さんに聞いてからじゃないと"
"キュゥべえ": "なるほど 確かにそれも道理ではあるね"
[Train/Subway Station Setting/Nagisa Headspace Setting]
"なぎさ thoughts": "なぎさは、お母さんに感謝されたい なぎさのおかげで病気が治ったって ちゃんと知らせたい"
"お母さんはきっと なぎさを愛していなかったことを 申し訳なく思うに違いない なぎさを愛さなかったことが間違いだったと 思い知るに違いない"
"わたしは、伝えたい"
"わたしはわたしの良くない心を満たすために お母さんを治したい"
"なぎさ": "どうもしないのです お母さんの病室へ行くのです"
"なぎさ": "なぎさは、 お母さんに会って来るので"
"キュゥべえは、 ここで待っているのです"
"キュゥべえ": "…ひとりで大丈夫かい?"
"キミの母親に ボクの姿は見えないから"
"一緒にいても構わないと思うよ"
"なぎさ": "ひとりで大丈夫なのです!"
"なぎさは、 なぎさはちゃんと言えるのです"
"あとで呼びに来るから、 ここで待っているのです"
"キュゥべえ": "本当に、 ひとりでいいのかい?"
"もし何かあったら、 呼んでくれて構わないよ"
[Late Afternoon, Hospital Room Setting]
"なぎさの母": "…こんなにたくさんいらない 全部食べられるわけないじゃない"
"なぎさ": "ご、ごめんなさいなのです…"
"残った分は、なぎさが食べるから 大丈夫なのです…"
"なぎさ": "お、お父さんは"
"お仕事が忙しいから、 なかなか帰ってこられなくて…"
"でも、すごく、 心配していたのです"
"なぎさの母": "あの人は、 もう来たくなくなったんでしょ?"
"あなただって、 本当は来たくないんでしょ?"
"来なくてもいい"
"わたしのことなんか見捨てて"
"あの人と一緒に何処へでも 行けばいい"
"なぎさ": "そんなことないのです! なぎさは…"
"なぎさの母": "みんな嘘ばっかり"
"みんな言ってるもの わたしの性格が悪かったから"
"わたしが嫌な奴だったから わたしがバカだったから"
"ざまあみろって…"
"あなただって思ってるんでしょ? ずっと思ってるに決まってる"
"わたしが嫌なことばかりするから 恨んでるんでしょ?"
"もっと他の人が、 母親だったら良かったのに…"
"わたしには母親なんて出来ない… 母親なんてやりたくない…"
"もう来なくていい… もうひとりにさせて…"
"なぎさ": "なぎさは"
"なぎさはお母さんの子供で、 本当によかったのです…"
"なぎさの母": "…………"
"…やめてよ! そんなこと言わないでよ!"
"わたし、あなたを産んでよかった って言わなきゃいけないの?"
"よかったフリを しなきゃいけないの?"
"あなたまで私を責めるの?"
"絵本のページ": "昔みたいなお母さんに戻って欲しいとは 言えませんでした。"
"だって、そんなことを言ってしまえば、 まるで今のお母さんが おかしいみたいだからです。"
"お母さんが間違っているように 聞こえてしまうからです。"
"なので、そんなことは言えませんでした。"
"いくら自由ななぎさだって、 そんなことはいえなかったのです。"
[Hospital Room Setting/ Nagisa Headspace Setting]
"なぎさ thoughts": "なぎさは お願い事を叶えてくれる動物に会ったのです お母さんの病気だってきっと治せるのです 何だって叶うって言ってたのです!"
"病気が治ったら、お家に帰って だから、なぎさは、なぎさはお母さんの病気を…"
"絵本のページ": "なぎさには、 こんなおとぎ話のようなことを言えば お母さんがもっと怒ることなんて 分かっていました。"
"なぎさは言葉を覚えたばかりの 幼児というわけでもありませんでしたし、 一般的に魔法なんてものが 実在しないことも理解しておりました。"
"なぎさの母": "あなた、なんでもできるの?"
"なんだってしてくれるの?"
"それなら 私の代わりにみんな殺して"
"みんなみんな殺してよ"
"わたしのこと笑った奴も わたしのこと知らない奴も"
"みんな殺して!!"
"病気なんてどうだっていい!"
"もうどうだっていい!"
"そんなことより あいつも!あいつも!"
"あいつらも一緒に殺してよ!!"
"治ったってかわりゃしない!"
"あなたが産まれたから! あなたが産まれちゃったから!"
"もうとっくに手遅れなの!!"
"だからこれ以上 私を責めないでよ!!!!"
"なぎさ": "…………"
"…………"
"…………"
"絵本のページ": "病院のカーテンは厚手の白い布でできていて、 夕焼けの色には染まれども 少しの風ではなびきません。"
"まるで紅茶の中に居るような病室では 埃だけがゆったりと泳いでいました。"
[Hospital Room Setting/ Nagisa Headspace Setting]
"なぎさ narration": "今日はとても天気がよいので 息が詰まりそうな夕焼けです あたりなんかは どこもオレンジ色で このままどこの境目も分からなくなって"
"絵本のページ": "女の子は泡になって溶けてしまいました。 地面にはちいさな染みだけが残りました。 おしまい"
"絵本のページ": "王様は灰になって、王国は砂に埋もれました。 おしまい"
"絵本のページ": "さようなら さようなら もう二度と、会うこともありませんでした。 おしまい"
"絵本のページ": "ああよかった。 これはお話でした。 おしまい"
[Night, Exit Hospital Room Setting, ???/Hospital Grounds Setting]
"キュゥべえ": "やあなぎさ 確認はとれたかい?"
"なぎさ": "キュゥべえ、 なぎさのお願いが決まったのです"
"なぎさのお願いはチーズケーキ"
"この世でいちばんおいしい チーズケーキが欲しいのです"
"キュゥべえ": "チーズケーキ?"
"…本当に、 そんなもので良いのかい?"
"なぎさ": "よく考えて、 なぎさは決めたのです"
"なぎさはこのお願いで、 魔法少女になるのです"
"この世でいちばんおいしい チーズケーキが欲しいのです"
"キュゥべえ": "…………"
"この世で いちばん美味しいチーズケーキ…"
"なかなか抽象的ではあるね"
"“キミの味覚において そう感じる”"
"ということで、問題はないかい?"
"なぎさ": "違うのです"
"“お母さんがそう感じる”で、 お願いするのです"
"絵本のページ": "枝から落ちた可愛い林檎 見つからないまま 腐って溶けた"
"おしまい"
[Night, Inside Hospital Setting]
"キュゥべえ": "伊津見尹縫 ひどい有様だね"
"夢遊の亡霊と戦ったのかい?"
"キュゥべえ": "キミの力でも 阻止出来なかっただろう?"
"彼女には常識も道理も通じない上"
"恐るべき生命力と執拗さを 兼ね備えているからね"
"自分が狙われている訳でないなら 諦めてしまうのが最善だよ"
"キュゥべえ": "なんとかしてあげたい ところだけど"
"今のキミは肉体の損傷以上に、 精神の消耗があまりに激しい"
"ソウルジェムがもう 完全に濁りきろうとしている"
"キミはもう手遅れだ ここは病院だけれど"
"人間の医者に どうこうできる状態でもない"
"伊津見 尹縫": "そう…別にいいや…"
"もう、 生きててもしょうがないし…"
"キュゥべえ…私を殺して…"
"私のソウルジェムを…"
"キュゥべえ": "ボクがキミを殺したりなんか するはずないだろう?"
"伊津見 尹縫": "お願い…私のことはいいから… 早く…しないと、私、魔女に…"
"キュゥべえ": "魔女になってくれるんだろ? 礼を言うよ、尹縫"
"最後にやっと役に立ってくれて、 ありがとう"
"伊津見 尹縫": "?"
"キュ…キュゥべ… なん…で…?"
"ぐ…うぐぐぐぐ… …うううううぅ!!"
"キュゥべえ": "やれやれ"
"思いのほか強力な魔女に なってくれたようだね"
"エネルギーの回収率としては 満点なんだけど"
"これはこれでどうしたものか"
[Uhrmann Labyrinth Setting]
(Nagisa appears)
"なぎさ": "これはなんなのです!? なんで病院に魔女の結界が…"
"キュゥべえ": "説明は後だ!"
"とにかく はやくここを脱出しよう!"
"なぎさ": "だ、脱出? 病院は?"
"病室とかは どうなってるのですか?"
"キュゥべえ": "今はこの病院全体が魔女の結界に 呑まれているようだね"
"残念だけれど、多くの病人が 魔女の餌食になるだろう"
"なぎさ": "そ、そんな!"
"なぎさが戦わないと いけないんじゃないのですか?"
"キュゥべえ": "今のキミの力で あの魔女を倒すのは無理だ"
"幸いまだこのあたりには 夢遊の亡霊もいるし"
"彼女がこちらへ 向かっているかもしれない"
"ひとまず結界を出て、 テレパシーで連絡してみよう"
"なぎさ": "だ、ダメなのです!ユゥがこの病院に来たら…"
"キュゥべえ": "彼女のリストに載っていた 母親を気にしているのかい?"
"キュゥべえ": "母親の治療は諦めたんだろう?"
"魔女の餌食になろうと 誰に殺されようと"
"もう長くはないのだし 同じじゃないか"
"なぎさ": "違う… 違うのです…"
"なぎさは"
[Uhrmann Labyrinth Setting]
"キュゥべえ": "母親の治療は諦めたんだろう?"
"魔女の餌食になろうと 誰に殺されようと"
"もう長くはないのだし 同じじゃないか"
"なぎさ": "違う… 違うのです…"
"なぎさは…"
"なぎさ": "なぎさは、 もう何も我慢しないのです!"
"誰の話も聞かないし"
"誰のお願いも 聞いてやらないのです!"
"なぎさは、なぎさのために!"
:"なぎさだけのために!!"
[Nagisa transforms into her magical girl outfit]
"なぎさ thoughts": "お母さんがなぎさを無視するから!"
"お母さんがなぎさに押し付けるから!"
"お母さんがなぎさを嫌うから!"
"なぎさは恩を着せるためなら"
"後悔させられるなら なんだってやるのです!"
"魔女にお母さんを 殺させたりしないのです!"
"なぎさが助けるから お母さんは死なないのです!"
"なぎさが願わなかったから お母さんは死んじゃうのです!"
[Uhrmann Labyrinth Setting]
(Uhrmann knocks Nagisa unconscious/She faints. Yu arrives, Yu defeats Uhrmann and heads for the hospital room, Nagisa awakens)
[Exit Uhrmann Labyrinth Setting, Inside Hospital Setting]
"キュゥべえ": "キミが気を失った後で、 夢遊の亡霊が来て倒していったよ"
"なぎさ thoughts": "(…まさか!まさか!)"
"キュゥべえ": "さようなら、百江なぎさ"
"…もう少し"
"頑張ってほしかったんだけど、 仕方ないね"
"あとは無事に"
"魔女へ育ってくれれば、 というところかな"
"しばらくはこの辺りの魔女も"
"巴マミに担当してもらわないと いけないね…"
"まあ、彼女なら問題なく こなしてくれるだろう"
[Night, Hospital Room Setting]
"ユゥ": "あれ? なぎさちゃん?"
"もう動いちゃって大丈夫?"
"ワタシちょっと用事あったから"
"キュゥべえに 任せちゃっててごめんね"
"ユゥ": "???"
"あ、そっか!"
"この人って、 なぎさちゃんのママだったんだ!"
"ごめんね遅くなって"
"もうママは死んじゃうから 大丈夫!"
"あとはほっといても ちゃんと死ぬけど"
"これどうしよっか?"
(Nagisa's eyes turn cold, she's lost all hope from her eyes, hinting at her upcoming despair)
"なぎさ": "…もう、いいのです"
"もう、なんでもいいから、 帰って、欲しいのです"
"ユゥ": "うん、そっか"
"本当は中身とか売りたいから"
"死体も持って帰らなきゃ なんだけど"
"なぎさちゃんも欲しそうだし…"
"なぎさちゃんのママなんだから"
"なぎさちゃんが貰うのが 当然だよね"
"ユゥ": "それじゃあ、またね"
"困ったこととかあったら、 きっとまた助けに来るからさ"
"ワタシはきっと、 なぎさちゃんの味方だよ"
"なぎさの母": "ひゅ ひゅ ひゅ ひゅ"
"なぎさ? なぎさ? "
"そこに いるの? 暗いわ、暗くて 分からない"
"先生を呼んで… …恐ろしい化け物に刺されたの"
"人間みたいな… でも、真っ白で、口が裂けてて"
"角が…ああ!!"
"化け物に刺されて… …誰か呼んで…!"
"なぎさの母": "なぎさ、 なぎさ ひとりに しないで"
"はっ…はっ…はっ…はっ…"
"苦しい 苦しい"
"怖い、 なんで こんな目に 遭わなきゃいけないの?"
"なぎさ、そこに いるの?"
"ひとりに しないで 怖い、なんで わたしだけなの?"
"怖い、なぎさ、なぎさ"
"なぎさの母": "返事をしてなぎさ"
"なぎさ? なぎさ?"
"そこにいるんでしょ?"
"なぎさ"
"お願い"
"返事をして"
"なぎさの母": "なぎさ"
"なぎさ"
"お願い"
"返事をして"
[???/Nagisa's Headspace, Despair Setting]
"なぎさの母 ": "返事をして なぎさ"
"返事をして なぎさ"
"返事をして… なぎさ"
"絵本のページ": "百江なぎさは、 ひとりぼっちで魔法少女になりました。"
"それから程なく、 誰にも知られずその一生を終えました。 寒くもなく暑くもない日でした。"
"なぎさが最後に見た景色は 食べきれないほどのお菓子に囲まれた うっとりするような…"
"ここでならきっと、 誰も許さずにいられる。 誰も憎まずにいられる。"
"そうだ、チーズは何処だろう。"
"こんなにお菓子があるのだもの。 食べたことがないくらい おいしいチーズがきっとある。"
"チーズ、チーズ、チーズは何処だ。 お腹がすいた。チーズは何処だ。"
"お母さんには気持ちが足りない。 何が足りない? チーズが足りない。 お母さんの大好きは、なぎさの大好き。"
"チーズ、チーズ、チーズは何処だ。 何が欲しい? チーズが欲しい。 持ちきれないほど気持ちが欲しい。"
"おしまい"