ファミレスを享受せよ
短編ADV『ファミレスを享受せよ』をクリアした。
どんなゲームか
謎のファミレス「ムーンパレス」から脱出するのが目的のADV。
と言っても歩き回って謎を解いてアイテムを集めて…というスタイルではなく、『ポートピア連続殺人事件』や『オホーツクに消ゆ』のような会話が中心。しかも一般的な脱出ADVと違って出られない事を嘆き喚く人もおらず、ただ淡々と会話をしながらゆったりとした時間が流れている雰囲気に包まれている。
会話とする事で新たな話題を得て、それを使う事でまた新たな話題が出て…を繰り返してシナリオは進んでいく。ドラマチックな展開がある訳でも感動的な展開がある訳でもない。システムにもシナリオにも特段凝っている訳ではなく、導入部分で退屈と感じてしまった人には最後までプレイし通すのは厳しいかも知れない。
エンディングは大きく分けて2種類。END1はフラグの立て方で若干展開の異なる内容となっている。END2がトゥルーENDなのか、クリアするとミュージックモードとギャラリーモードが開放される。後者はこの作品の世界観を知る上で重要なのでクリアしたら必ず見る事を推奨する。
またミニゲームとしてクリアに必須ではないパズルゲームをプレイ出来るが、これも世界観を知る上で重要なのでEND2を見る前にクリアしておく事を強く推奨する。
超展開のシナリオ
脱出ゲームには必ず理不尽な展開があるため、ある程度超展開になるのは仕方ないが、余りも突飛な後出し設定が多過ぎる。ギャラリーを観れば判るが、世界観は短編である事を考えれば凝っている部類に入る。ただそれをこのプレイ時間にして数時間程度の作品に釣り合っているかと言えば首を傾げる。この世界観ならもっとシナリオを膨らませて「読ませる作品」にする事も出来ただろう。バランスが取れていないため雰囲気とは裏腹に超展開が強調され過ぎてクリア後に冷めるのも早かった。残された謎もいくつかあるが、これが原因で考察する気も起きなかった。
その他
BGMは基本的にゆったりとした矩形波中心のレトロゲーム風の音色(しかも敢えて音を籠らせている)で構成されているが、聴く人によってはそれが不安にさせるかも知れない。少なくとも世界観に浸るのを阻害する可能性はある。
文章のスキップ機能やシーンジャンプ機能がなく、セーブした場所の都合で最初からやり直さなければならない場合は苦痛に感じる恐れがある。演出として一定時間キー入力を受け付けない場面もあり、苛々させられる。セーブデータは複数作れるようにしても良かったのではないだろうか。
手軽にプレイ出来る反面、人を選ぶ作品なのは間違いない。少なくとも凝った仕掛けや説得力のあるシナリオに期待してしまう人には向いていない。「独特な作品の空気」を楽しむ事が出来る人なら向いているだろう。
なあ君、ファミレスを享受せよ。 月は満ちに満ちているし ドリンクバーだってあるんだ。
任天堂の公式オンラインストア。「ファミレスを享受せよ ダウンロード版」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(スイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。












