Fantasy - Paint A Picture
長らくコレクターズアイテムとしてほとんど都市伝説のように語られていたファンタジーのペイント・ア・ピクチャー('73英)。この私も90年代にたぶん月刊誌メタルギアだったと思いますがプログレ特集が組まれこのファンタジーが紹介されていて、捜索リストの中に追加、埃まみれの中古レコード店で漁りまくっていましたが結局捕獲できなかった想い出が。怒涛のCD化ラッシュとAmazon等の通販の台頭により今はクリックひとつで自宅に届くっていう良くも悪くも凄い時代になったなあ、としみじみと想う、、、
↑メタルギアだったかどうかは記憶違いの可能性もあります。ただ記事は2色刷りのページで、その2色のイメージからLPを1枚1枚めくって探し出すっていうね。もう、指が埃っぽくなっちゃって「早く帰って手ぇ洗いてー」なんて思いながらも『F』の欄を全部チェックするまで離れられない、そんな時代でした、、、
さて老害の想い出話はこのくらいにして、バンド名のファンタジー、アルバムタイトルのペイント・ア・ピクチャー、そして幻想的なジャケのイメージからゴリゴリの物語性を追求した深いリバーブによる幻想ファンタジー作品かと想像してましたが、聴いてみると意外なほど牧歌的かつタイトな演奏で「あれ??」て思ってしまう。ともすれば気付けないほど自然な流れでリズムチェンジさせてみたりと、じつはかなり高度な作曲能力と演奏力を持ったバンドであることが分かる。ハモンドオルガンの音色はレスリーを回し過ぎず、うっすらと微ファズをかけたギター等派手さはないものの「いやー、絶妙ないい音してんなー」とまるであまりにも透き通った透明スープのラーメンのような調味料で誤魔化さない出汁の旨味にも似たシンプルな味わい。ああ、これが都市伝説的に語られる程の傑作としての所以であるな、と納得、、、
メロトロンも決して大洪水ではなく、自然にそこにある、ていう感じ(それだけにボーナストラックのBeyond The Beyondのラストには「ギョッ」としてしまうんですがw)。この自然さを地味ととるかスルメ的な味わいととるかで大きく評価が分かれるかとも思われますが、プレミアータ・フォルネリア・マルコーニの幻の映像あたりと比較してイタリアの情熱と英国情緒の違いを実感してみるのも面白いと思います、、、
とにかく何度も噛んで沁み出る出汁を味わって欲しい作品でありますよ、、、