自分で作る! ジルバクテリア水晶オブジェクト 取扱説明書
Garanhead
大切なお客様へ
この度はコロニー型ジルバクテリア(培地付属版)をご購入いただきありがとうございました。このユーザーマニュアルは付属のクイックスタートガイドと共に大切に保管していただきますようお願いいたします。
本マニュアルにおきましては、ジルバクテリアの変容過程における正史と異聞のみの運用を想定しております。そのため、バクテリア置換現象やレボリューショナル因子(悉無律ネットワークの異常発生)といった崩壊現象の兆候を確認した場合は、すぐさま液体培地と史料を破棄して下さい。破棄については各自治体の定めるルールに従って下さい。
禁止行為
紫外線によるジルバクテリアの加工(バクテリアの理性に影響が生じます)。
ジルバクテリア装置の並列培養(上位存在への認知行動を妨げ、バクテリアの不活性化を促進します)。
ジルバクテリアを食す。食用ではありません(お腹がゆるくなることがあります)。
1 準備
1.1 培養培地
付属の容器に電極ユニットと攪拌装置へのアダプタをはめ込んでください。その中にジルバクテリアとAの袋の中身を投入し、二十四時間を目安に日陰で放置して下さい。その後、粉状の物体が白色に発光し始めたら、Bの袋の中身を入れて下さい。その後、液体培地が容器を満たすようになります。十二時間前後で容器がいっぱいになりますので、蓋を閉めて密閉して下さい。ジルバクテリアは必要に応じて液体培地を調整するため、以後水溶液や薬品類、市販培養液の投入は必要ありません。
1.2 攪拌
攪拌装置に容器を格納します。装置全面のパネルにてコース選択を行なって下さい。以下、各コースと分裂傾向を記載しますので、お好みで攪拌具合を調整してください。
標準コース……ジルバクテリアにシムコード2022方式でのエミュレート結果を与えるコースです。核の飛沫は完全に沈澱し、ニューロ因子を菌類が持ち得ることは不可能になります。水晶体の形状は丸型に落ち着きます。
おしゃれコース……ジルバクテリアにシューマン共振に基づいた振動情報を与え続けながら、やさしく撹拌するコースです。菌類は話すようになります。こちらからのインプットは以後不可能になりますが、攪拌時のBPMに応じて核が偏在するようになります。音楽はストラビンスキーの「ぺトリューシュカ」、CHILL ROB G の「RIDE THE RHYTHM」、Stereophonicsの「Dakota」を用意しております。水晶体の形状は角錐型になります。
大物コース……ジルバクテリアに約三日の攪拌を行うコースです。長時間に渡る動作が予想されますので、選択時に確認コードを入力する必要があります。バクテリアの素真核への因子コードを刻まない加工におすすめです。このコースを選択した場合、因子コードに変数ミトコンドリアが侵食する危険性が高まります。ご注意下さい。水晶体の形状は円柱型になります。
スピードコース……ジルバクテリアの崩壊を極限まで抑えるコースです。核の飛沫と菌類の融合が起こりやすくなり、結晶化への過程が単調になります。ニューロ因子を菌類が保持することにより、菌類の雑談を耳にしやすくなります。また、こちらから会話を持ちかけることも可能になります。水晶体の形状は楕円形になります。
1.3 夜明け
攪拌作業の終了後にジルバクテリアは崩壊を始めて容器に漂います。多少の濁りは出ますが、品質に問題はありません。容器にはしばらく液体培地のみが満たされている状態が続きます。通常は七日前後で菌類の活性化が始まりますが、変化に乏しい場合は、電極ユニットを操作して容器全体に刺激を与えると活性化が促進される傾向があります。
注意
電流を発生させる前は以下の点にご注意ください。
七時間未満の容器には電流を用いない。
七時間経過後の容器には一日一回を限度とする。
十五時間経過後の容器には一日二回を限度とする。
それ以上が経過した容器には一日三回までを限度にしてください。
三日が経過しても菌類が活動しない場合は、サポートセンターへの連絡をお願いします。
2 年代記
2.1 菌類の歴史記述について
容器内で菌類がコロニーを形造り始めると、菌同士の侵食活動が行われます。これは群と群とが最適化を目的として行うものですので、仕様上は問題がありません。群の規模が一定まで到達すると、菌類は自らの情報へのアクセスを試みようとします。菌は菌に自らの存在を問います。なお、この間も容器内で菌類は自然発生します。争いも止みません。一時は栄えた群も必ずいつかは瓦解します。そのため、一種類の群が抜きん出て強大になったとしても、仕様ですので問題はありません。戦いを重ねた菌類は、侵食した領域が増えれば増えるほど、自己アクセスの頻度も多くなります。それらの末に菌類が自らの過去を記録し始めた時、全ての物語は始まります。
2.2 菌類の増殖活動
一部の菌類はやがてコロニーから切り離されて、容器内を自由に活動するようになります。群れから離れても菌同士の類似性は認識できます。ジルバクテリアの残骸に触れた群れは一斉に純化し、他の菌を消滅させるためだけに液体培地の変質を行います。これが歴史の蓄積であり、結晶化のための史料であるのです。こうして、ジルバクテリアとの接触が多かった菌類により、容器内は満たされるようになります。
3 水晶化
3.1 因子干渉
菌類の侵食と消滅が繰り返されると、やがて菌類はジルバクテリアを積極的に求めて行動するようになります。一部の菌は液体培地を変質させて、硬質の菌を増やして武器のように用います。史料に触れた菌ほどジルバクテリアほど液体培地の活用をするようになります。この傾向をもった菌類をコード因子と呼びます。コード因子持ちの菌類は将来的に結晶を粗くします。大味な水晶を作りたい場合は因子の誕生は喜ばしいでしょうが、より細やかな結晶を目指すのであれば因子は不利に働く可能性があります。
3.2 信仰告白
菌類の群れから群れへとコードは引き継がれていきますが、史料とジルバクテリアへの近似性に気がついた者たちが神を崇め始めます。コード因子の種類によりその崇拝は史料への変質を招きます。液体培地が狂信者たちによって強奪されるようになると、史料はやがて透明な物質となって容器内で様々な形になります。これを水晶塔と呼びます。容器内の菌類が何をどのようにどんな強度で崇めていたかの結果により、水晶塔の形状は変化をします。
3.3 水晶塔を取り出す
お好みのサイズにまで水晶が成長した場合、容器の蓋を開けて水晶を取り出してください。容器内の菌類は自然には生存できませんので、そのまま容器を洗い流してしまっても構いません。出来上がった水晶はしっかりと水気を拭き取って乾燥させて、二十四時間は日光に当てずに保管してください。水晶が芯まで白くなったのを確認したら完成です。
故障かなと思ったら
菌類の声が聞こえません→イヤフォンジャックにイヤフォンの端子がしっかりとささっているかを確認してください。それにもかかわらず聞こえないのであれば、菌類は音声以外の方法を用いて情報伝達を行なっている可能性があります。また、菌類は必ずしも有意味な発声を行なっている訳ではありません。雑音のように聞こえる場合もあります。
菌類が話しかけてきます→仕様です。コード因子の種類によっては上位存在へのアプローチを取ろうとする菌類も出てきます。返答も可能ですが、その場合は別売りの音声入力装置をお買い求めください。
水晶の成長が途中で止まりました→史料の積み重ねが薄い場合、コード因子を放棄する菌類が出現します。淘汰の速度が低いと思われますので、低温の場所に装置を移動して新たに菌類を発生させてください。やがて強い信仰を持った菌類が出現します。それまでの水晶を継承するかは保証できません。
菌類が容器に張り付いて動かなくなりました→電流の流し過ぎが原因です。一度、液体培地を全て捨てて下さい。ジルバクテリアが健在の場合は、別売りの培地を用いて再度菌類の繁殖を行えます。ジルバクテリアが崩壊しているようでしたら、申し訳ございませんが、再度本機をお買い求めいただきますようよろしくお願いいたします。













