アインシュタインとユーモア、音楽
岡本一平氏が東京朝日に書いた教授(アルバート・アインシュタイン)に関する漫画を見、これに添えた文章を稲垣氏に訳させては無邪気な笑いに耽られました。真摯な一面にはそういう明るい上品な笑いが常にこもっていました。また機会があるとヴァイオリンを手にして私達にもそれを喜んで聞かされました。帝国ホテルの歓迎会席上でもこれを奏されましたが、名古屋では医科大学に新たに来られたミハエリス教授と共にホテルの一室で合奏して午後の半日を楽しまれました。夫人が「私の夫は物理学者にならないで音楽家になっても成功したにちがいない」と言われ、「あれが余りうま過ぎるので、自分はそれ以来楽器を手にするのを止めました」と言われたりするように、教授はほんとうの芸術家の気分に浸っていつもこれを演奏されるのでした。
『アインシュタイン講演録』(東京図書株式会社)
石原純(著)
岡本一平(画)













