kuchibiru_22_2
関わる者 ⑵
私を治療している担当医の最初の見通しは半死人状態…植物人間だったらしい。パパもママも弟も泣いたらしい。
このまま私を生かすか…それとも、と。
意識の中で聞こえていた。
だからこそ『動いて』見せた。
私じゃなく、『私のお腹の中のモノ』が私を救った。
ラッキーかアンラッキーかは知らないが私は治療される側となった。
まさに幸運か不幸かの狭間にいるようだ。
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関わる者 ⑵
私を治療している担当医の最初の見通しは半死人状態…植物人間だったらしい。パパもママも弟も泣いたらしい。
このまま私を生かすか…それとも、と。
意識の中で聞こえていた。
だからこそ『動いて』見せた。
私じゃなく、『私のお腹の中のモノ』が私を救った。
ラッキーかアンラッキーかは知らないが私は治療される側となった。
まさに幸運か不幸かの狭間にいるようだ。
kuchibiru_9_3
知らない所で ⑶
千枝の背負いが襲いかかる。担がれた方も素早く襟を切る。
「おととと…やるねー」
「流石は宿主というべきか」
「まぁ、『元』だけどな」
素早く間合いを詰める。次は逃げられ無いよう襟を掴む。
「飛べないよ、アンタがどんなに素早くても倒されな」
ドサっ!
千枝の全体重がのしかかる。そのまま地面に叩きつけた。
「『巫女』さんよー、目的はなんだい? 答えないならこのままプレイしちゃうよ?」
千枝は誘惑をした。
kuchibiru_8_6
『南の巫女』 ⑹
慌てるように私はこの場から離れた。逃げたと言うよりは回避したと言うべきか。
「危なかったな、加奈」
『西』の巫女が呟く。
「本当に。直ぐにでもヤル気だったよ、あの娘」
走ったので息を切らしていた。
「知っていたとなら、また接触してくる。どうする?」
「どうするって言うても『鏡』の奪い合いだけは避けないと。また学校、壊すわけもいかないし」
何気なく教室に入る。
同時にチャイムが鳴った。
「西野ー!」
「あ、は、はい!」
「朝から弛んでいるぞ。早く席に着け」
そそくさと席に着いた。
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『南の巫女』 ⑸
「み、見えるとは?」
この娘、どこまで私のことを知っているんだろう。そんな興味と恐怖心が襲う。
「正確には『巫女』が私に教えてくれるっという方が正解かな」
「仮にしても私に貴女がいう『巫女』がいたと言えば?」
黙り込む。この質問は想定外だったか?
「……そうですね。いたとすれば必然的に『鏡』もあるわけだから……」
「だから?」
一時の静寂にチャイムが鳴る。
「ご、ごめん。私、行かなきゃ」
ヤバいヤバい。チャイムに助けられたよ。
慌てるよう、この場を離れた。
約一分後。
「……やはり奪います……あれ??」
加奈の姿は見えなくなっていた。
kuchibiru_8_4
『南の巫女』 ⑷
『西』の巫女の指す方向に身体を向けた。その先には明らかに中学生らしき制服姿の女の子が私を見ていた。
「あなたは?」
一歩踏み出したらすぐに離れる。また一歩出してみたが反応は同じだ。
「用がないなら行くよ?急ぐから」
時間は学活の始まる数分前。今から全力で走ってギリギリだ。
「あ、あの……西野加奈……先輩?ですか」
「うん」
「よかったら今日のオープンスクールの案内役をお願いしていいですか?」
うーん。指定は嬉しいけどこればかりは……。私が悩んでいたらすぐに付け足した。
「その隣にいる『巫女』さんと一緒に」
「え?あなたはもしかして?」
恐る恐る、聞く。
「はい!私にもいるんですよ、『巫女』さん」
kuchibiru_7_2
『巫女』とは ⑵
「ふーん」と私は漠然と聞いていた。何せ千枝との格闘(?)で体力的に余裕がなかった。あのまま続けていたら今頃は真耶に支えてもらわないと歩けないかもしれなかったからだ。
千枝とはここで一旦離れたが帰り際に
「これで『北』と『東』は引き込めたけど…『南』の巫女は誰だろう?」
ふと疑問になった。
とにかくこのような派手にやらかしたのはよくない。巫女の力で何も無い状態にしたにせよ、だ。
『加奈、『南』の巫女なんだが…実はまだこの学校にはいない』
「え?」
『あと半年待たないと無理なんだ』
「どういうこと、なの?」
一から探さないといけないのかと落胆した。その隣にいた真耶が口を出す。
「来年、この学校に入学するからさ」
「え?そうなの?今は中3って事?」
「そう。基本的に『巫女』の覚醒は16歳の誕生日を迎えてから。ある程度、身体が安定してくる年齢にならないと力を保てないから」
「そうなの、『西』の巫女?」
『まあ確かにそうだが、覚醒の意味からすれば既に始まっているはず。加奈も覚えがあるだろう、急に学問が出来たり夢で我々の話が出てきたり』
嗚呼…『あれ』がそうだったのか。
一種のフラッシュバック現象…というか意図的だったのかと落胆した。
「つまり今の私の成績って」
『半分は我のせいだが半年は加奈の実力だ』
そうだったのか。
更に落胆した。