住宅のスキップフロアを懐疑的な目で見る傾向がある私だが…とても良い住宅だった. お邪魔して本当に良かったと思う. 今回は駅から現場まで徒歩で向かったのも良かった. 周辺は閑静な住宅地で突如開けたオープンスペースが現れる. 実際には駐車場として利用するスペースであり、そのオープンスペースから土間空間まで同じ床のテクスチャが連続する. 土間空間は縁側のようなスペースになっていて人が留まることのできる設えが随所に見られる…これが流動的でとても良い. そこからスキップフロアで3Fまで段階的に空間を連続させている. 最近の住宅建築で個人的に気になっているポイントがある…強すぎる抜け感/スキップフロアで連続するプライペートな空間/図式化しすぎた空間構成/住宅に引き込まれたパブリックな空間などなど. 本物件は、段階的に連続するスキップフロアに建築的な’共通言語’を持たせることにより実に無理なく空間をつないでいる. 恣意的な感じがしない. 例えばオープンスペースから土間空間、そしてキッチンまでは前述の通り、床のテクスチャと微地形によって土地の特徴である傾斜地をそのまま生かしながら連続性を維持している. そこから次のレベルのリビング、そして個室空間までは家具と階段が融合したような絶妙なプロダクトによって繋がりをもたらしている. ディテールを含め、それぞれの空間に適度な共通項を与えていることがポイントのようだ. 周辺は住宅地のため、外部への抜けも適度に絞られている. かといって内に閉じた印象は驚くほど少なく、普段感じている’強すぎる抜け感’に対する自身の感覚が間違いではなさそうだと再認識した. プライベートな空間はあっさりと片側にまとめられており、スキップフロアのある吹き抜け空間との干渉はあまり認められない. しかし全くないというわけではなく、ここでもクローゼットや収納を有効に配置しながらセミパブリックな空間(キッチンやリビングなどのスキップフロア空間を包含するヴォイド空間のこと)との連続性をわずかに残している. プライベートな空間はプライベートな空間としてある程度の独立性を確保していた方が快適な住まいに近づくのではないかという思いを強くした. 図式的には必要諸室をスキップフロアで連続させる方が明快な場合もあるが、各所室の根本的な機能性を放棄することへの不安感が拭えない. ちなみに最近比較的よく目にするようになった住宅にパブリックなスペースを引き込む点にも注目したい. 本件のクライアントはDINKSであり、人を招くことを前提としてこの住宅を建てられたそうである. 所謂屋内のような屋外のような空間として考えると、土間からキッチン空間をセミパブリックな空間と位置付けることができそうだ. 与条件(かの森山邸もそうであるが)によってはこのような密集した住宅地においてもセミパブリックに近い空間を住宅内に引き込むことは当然あり得る。その表現の仕方が、言葉で無理に補完しようとせず、ストレートで実に気持ちの良いものであったことに好感を感じる。気持ちを新たにした日曜日。










