NECによる警察庁掌紋照合システムのトラブルでテストのあり方を考えた
警察庁の掌紋照合システムのトラブルに関連して、所感をブログに書きました。最近のシステム特性により検査技術の変化にも思いを巡らせました #NEC #recognition #test
NECによる警察庁掌紋照合システムのトラブルでテストのあり方を考えた
NHKによると、4年前にシステムを入れ替えた際に一部の照合プログラムで、掌紋照合を指紋照合と取り違えたとのこと。不謹慎にも吹き出しそうになってしまった。それはあまりに痛いミス。5月に問題が発覚。その間、照合されるべきものが照合されなかった可能性が大きい。 警察庁では、10万2000件の照合をやり直すそうだが、年内には終わらないとのこと。開発運用のNECへの支払いは年39億2000万円。高いなあ。重要なシステムで、高度な技術であることは十二分に分かるが、それでもやはり高いと感じる。この金額は、インドが国民にバイオメトリクスを使用した国民IDを導入するといっている金額よりもかなり高い。 ただこの件、落ち着いてみたら、あきれてばかりはいられない。認識技術の適用、シミュレーション技術、自動化などで、システムトラブルの形が変わってきている。「いっそ、落ちてくれた方がまだまし」というトラブルが増えてい...る。それも、プログラムだけでなくパラメータやマスター、基本データによる事故も多い。制御部分のソフトウェアによる誤連動、誤動作もある。無事稼働した後に、致命的トラブルに至る例もあれば、今回のように正常に動作しているが異なる結果を導いていた例もある。さらに、シミュレーションが高度化するなどして、「答えの成否を人が認識できない」利用例も業務現場に増えている。演算処理系のものはまだ、表示方式や使い方で「精密オンチ」にならないように工夫ができるが、今回のような認識型のものとなれば、利用者が異常に気づくことは困難だ。かといって、稼働時検査だけで正当性を確保できるものばかりではない。 システムのテストのあり方も変化していると思う。稼働後にも周期的に抜き打ち検査をし正当性を確認するリグレッション、正当性を保証するための指数を設けてそこから異常の兆しをつかむこと…。リアルタイムプロセスではシステムの正常を確認するために、定期的に「テストトランザクション」を通すことも最近、一般化しつつある。システム稼働状態の把握にBIを使うこともある。何より、動いている状態への「感覚」を養うしかけがいる。このあたり、システム状態の正当性とビジネスの状態をはかる、という意味でどこか似ている。 NECによるトラブル、改めて、最近注目している「システム・ライフサイクル」と「動的な検査技術」、さらには「正当性を記録、保証するしくみ」などについて、考える機会となった。そうそう、IT化の費用も。今回の件で警察庁はNECへの賠償請求も視野にいれているとのこと。当然と言えば当然。重要度が高まるのに合わせて重くなるIT化の責任にも思いを巡らせた












