ラピダスは非上場企業です。しかし、今週の高市早苗首相の欧州訪問において、ラピダス製品が彼女のスーツケースに明確に含まれていたことは、日本の半導体エコシステム全体に対する一つのシグナルとして捉えるべきでしょう。
ラピダスは、20年ぶりに先端半導体競争に復帰しようとする日本の試みです。北海道千歳市のIIM-1工場は、建設段階から2nmプロトタイプを機能的に製造できるパイロットラインへと移行しました。量産開始は2027年を目標としています。
ラピダスのビジネスモデルは、TSMCとは意図的に異なります。ラピダスは、短納期を必要とするチップスタートアップ企業やAIラボ向けに、少量・高速生産に注力しています。従来の半導体製造工場ではウェハー1枚の製造に最大120日かかるのに対し、ラピダスはウェハー単位の処理システムによって50日を目指しています。
ラピダスへの直接投資はできませんが、その存在は日本の半導体製造装置メーカーや材料サプライヤーのビジネスモデルを大きく変えるでしょう。彼らは、これまで1社だった国内の先端顧客が2社になったことで、新たな恩恵を受けることになるからです。東京エレクトロンは両社に成膜装置とエッチング装置を供給しています。アドバンテストは両社の工場から出荷されるチップのテストを担当しています。
チップ設計協力の最優先ターゲットとしてイタリアを掲げた今回の欧州訪問は、ラピダスが量産開始前から潜在顧客基盤の多様化を図ろうとしていることを示唆しています。工場建設と並行して受注も積み上げている企業と言えるでしょう。
注目銘柄: 東京エレクトロン(東証:8035) · アドバンテスト(東証:6857)










