World of Guns: Gun Disassembly
https://store.steampowered.com/app/262410/World_of_Guns_Gun_Disassembly/
銃ってのは時計と同じくらい厄介な機械でして、動作としてはかなり複雑なわりに「落としたくらいで壊れたらダメ」だの「水没しても動いててほしい」だの、かなりラフな環境で正常に動き続けることが期待されちゃう案件なわけです。
「いやいや言うたかて銃って引き金を引いたら弾が出ればいいんでしょ? そんなことを海賊が言っとったで」という向きもあるかと思いますが、実のところこれがかなり難しい。
というかちと考えてみてほしいんですが、銃ってのは、ものによっては男性の手のひらに収まってしまうようなサイズの金属機械の内部で、火薬が爆発するんですよ? しかもこの爆発、1回や2回じゃあないんですよ? そのうえ車のエンジンなんかとは違って、直接手で触るアイテムなんですよ? それでいて暴発だの爆発だのしようものなら結構いい確率でユーザーの命に関わっちゃうアイテムなんですよ?
そのうえ「引き金を引いたら弾が出る」ことが繰り返されるタイプの銃(つまりリボルバーとかオートマチックとか)の場合、自動的に新しい弾が発砲可能な状態になるようなメカニズムも備えていなくちゃいけないわけです。ちょっと考えただけでも「それって結構めんどくさくないか?」と思うかもしれませんが、実際に面倒くさいんです。
また「引き金を最後まで引ききったら、なぜか1回だけ弾が出る」ってのも、冷静に考えてみれば不思議だと思いませんか? 引き金をすごく原始的なスイッチとして考えると、引き金を引ききった状態ってのは「オン」なんだから、「オン」のままどんどん弾が発射され続けるのでは? いや実際これ、特にオートマチックでは、何の工夫もしなきゃマシンピストル化します。
とまあ、こんな感じで難しいメカニズムが詰まった精密機械でありながら、泥水の中に突っ込んだ直後に引き金を引いても発砲できないといけない。それでいて拳銃なら最低でも8m、SMGなら50m、アサルトライフルなら200mくらいまでの距離であれば、ある程度まで狙ったところに弾着してほしい。いやはや厄介極まりない要求です。
そんな無理と無茶を詰め込んだスーパーマッシーンが「銃」です。機械が好きな人なら銃を嫌いになるのは難しい。ほんとうに難しい。
そしてそんな銃の、分解と組み立てだけをゲームにしてしまったのが「World of Guns: Gun Disassembly」です。アホですね。いや素晴らしいアホです。最高のアホです。
操作系としてはマウスのみ(スマホ版もあってタッチ操作可能)ですが、ガチでプレイするならキーボード必須(スペースバーがほしい)。分解のレベルはフィールドストリッピングと完全分解に分かれていますが、UIとしては「このピンを外す」なら「ピンをクリック」といった感じでシンプル&スムーズです。
キーボードがほしいといいましたが、これはタイムアタックをするときに「アニメーションをスキップする」ためにスペースバーを使うことになるからです。これ使わないと全然話にならないので、ガチ勢は必ずPCでプレイしましょう。
気になるのは銃の登録数かと思いますが、ざっと見た感じ100は完全に越えている模様。すべて精密な3Dモデルで作られており、分解と組み立てだけでなく、発砲時のスローモーション再生やX線での透過、断面図など、やりたいことはだいたい全部できます(セーフティのオンオフやセレクターの繰り替えなんかもできる)。あと固定式の機関銃(M2とか)だの対空機関砲だの重砲だの、はては骨格標本(明らかに銃ではない)なんかも分解組み立てが可能です。
気になるお値段ですが基本無料で、経験点で銃をアンロックするスタイル。5000円払うと将来に渡って追加されるすべてのモデルも含めてアンロックされます。ただ5000円払っちゃったら払っちゃったで「ゲームを進めてアンロック」みたいな楽しみが吹っ飛ぶので、純粋に銃の資料として利用したい人以外は5000円払う前にちょい考えてみてね、というところですかね。
個人的には、本作は「少女前線」で二次創作したいなっていう絵師さんにこそオススメです。だいたいの銃はあります。ただ本当に銃の構造について何も知らない場合は、床井雅美氏の図鑑系の本を一冊購入し、銃の基本的な構造や動作について勉強しておくと良いかなと。昔はここで「マルイのプラモデルガンを2~3丁買うといいですよ」と言えたんですがね……。
ともあれ完全無課金でもM1911はすぐにアンロックできる(チュートリアル的にデリンジャーをバラしたら、すぐにM1911がアンロックできる)ので、それだけでも一生遊べると思います。逆に言うとそうじゃない人が本作を遊び続けるのは困難です。Steamのレビューには「課金しないと銃がアンロックされない、実質課金必須」みたいなことを理由に低評価にしてる人がいますが、そういう残念な人にならないよう、自分がゲームとしての「World of Guns: Gun Disassembly」に向いているかどうかをM1911をバラして確認しましょう。
あ、それから小ネタですが、本作は世界大会も開かれたそうで。いわゆるeSportsですね! なお日本人選手がかなり良い成績を残したそうです。銃のバーチャルな分解組み立てで世界を取る、これもまたゲームならではというところでしょうか。