ビアンカ派とフローラ派は長年争ってきた。体感ではビアンカの方が優勢を保って今日まできたと思う。
堀井雄二さんに直接フローラ派を伝えた経験があるほどのフローラ派である。
まず、フローラを選ぶというと必ずビアンカ派から 「ビアンカが可哀想」 という意見がでてくる。
幼馴染であり、選ばれないと山奥の田舎で“田舎にはもったいない美人”として独り生き続けることになるからだろう。
選ばれなかったビアンカは、小さな頃の大冒険と、別の女のために手伝った最後の冒険を思い出に、主人公への想いを胸に秘め、山奥の村で親の墓を参りながら生きたりすることになるのだ。おそらく田舎の冴えない男達に言い寄られながら、である。
しかし、別に彼女は彼女で勝手に生きて良いのだから、村を出たければ出られるし他の生き方があるにも関わらずそういう選択をしているわけだ。と考えると、正直女性の生き方としての魅力に欠ける。不憫ではあるが、同性として共感はしにくい。
どのバージョンか忘れたが、洞窟で痴漢された時、離れてから 「おしりを触られた」 と宣うのも、少女時代の勝気さを曇らせ、魅力を損なっていると思う。そこは主人公の影になど隠れず 「触らないで」 と言うビアンカであって欲しかった。
大人になってからのビアンカは、何だかしおらしくなっており、繊細で、「察してちゃん」っぽい。同情心を煽ってきて、モヤモヤさせられる。看病はわかるが、再会前から一人旅や新規事業でも計画してくれていたら良かったのに。せめてやりたいことを見据えながら生きていて欲しかった。
決して悪い子ではないけれど、子ども時代のおませなお姉さん的立ち位置から、ただただ主人公の選択を待つ女に成り下がっている気がする。重い。
同性としては勝気で 「自分を選べ」 というタイプに育って欲しかったと思う。
幼少期、オバケ退治に自分より小さい子を巻き込んで、あまつさえペットを押し付けてきたあの強引さはどこへ消えてしまったのか。自分では飼わないペットの名前ですら自分主導で決めていたというのに。
こちらはそもそも父親が決めた男と結婚させられそうになっている不憫さがある。
だが、幼馴染の詩人を看病してみたり、主人公が試験を達成した時ですら主人公に選択肢を与えてみたり、
主人公に対して好感は持っているものの、立場を利用したり悲観したりなど、同情心を煽るようなムーブはしてこない。
お金持ちの養女としてある意味ではわきまえて、しっかり育っている。主人公から選ばれようと選ばれなかろうと、彼女はどちらでも納得してしまうのだろう。切り替えも早そうだ。
自分で選択をしないという選択に納得して生きていける女だ。
私は主人公=自分のように、自分と重ねてプレイするタイプである。
だからこそ主人公には 「良い男」 であって欲しい。
幼い頃、ビアンカに初恋をしていたとしよう。しかし、父親を殺されたり奴隷にされたり、大人になるまでの経験が過酷すぎてその恋心に一途であり続けたなんてことはあり得ない環境だ。もしあり得たとしたら、ビアンカに対する気持ちは本物で、自由の身になってからすぐに探しはじめるくらいでないとおかしい。せめて別の結婚話なんて忌避しないとおかしい。
このことから青年期の主人公は、恋愛についてはいったんリセットされた状態で、各地で必死に宝を探している状態と言えるだろう。
そして、必要な宝を得るために、わけもわからぬままフローラとの結婚のための試験を受けることになる。
とはいえ途中で結婚は嫌だとか宝だけ欲しいとか言い出すことはない。
最終的には結婚相手を選べるようになるが、自分から選びたいとか言い出したわけでもない。
要するに、はじまりはどうあれ主人公は自分の意思で試験を続行していたわけである。選択肢が与えられなければそのままフローラと結婚したわけだ。
宝のためだけに結婚を利用しようとした証拠に他ならない。
宝のためには結婚すら厭わないと考えていたか、結婚するしかないならまあそれでも良いか程度に考えていたか、である。
フローラの人生がかかっているにも関わらず、結婚のおまけでついてくる宝についてルドマンと交渉してみるわけでもなく、フローラを説得してみるわけでもなく、主人公は淡々と、着々と試験をこなしていく。
ビアンカを選ぶなら、その作業にフローラへの恋心は全くなく、宝狙いであったことが確定してしまう。ひどい。
そしてそれは、ビアンカが現れたら 「やっぱりビアンカで」 などと言える程度の覚悟で行われていたことなのか? とも思う。
とりあえず権利を得てから交渉しようとしていたのか? だとすれば狡猾で、理想の主人公像とはやはりずれてしまう。途中でその節くらいは匂わせて欲しいがそういうこともないし。
何せ結婚相手にどっちを選んでも、どうやら必要な宝は入手できそうな状態で選択できるのだ。
宝だけが動機だったなら、フローラを選ぶことはないだろう。
そこでビアンカに再会し、初恋の懐かしさや同情するところがあったとしても今の気持ちを大切にする。
主人公に自分を重ねた時、より納得できるのはどちらか。
試験の途中でぽっとでてきたビアンカに惹かれる主人公なんてダサい。フローラを娶る覚悟を決めて、またはフローラに恋心を抱いて試験を進めていたと考えたい。
私の主人公は筋の通った男であって欲しい。フローラの人生を宝のおまけ程度にしか考えていない男であってはならない。
ビアンカ派、ビアンカ過激派の人はスルーして欲しい。
ビアンカとフローラのドラクエモンスターズが発売するらしいので
蛇足だが、フローラの青髪ストレートは、やっぱり可愛いし努力の賜物の髪型だと思う。きれいなストレートロングなんて、子ども時代から保ち続けるのにどれだけの苦労が必要か。お嬢様育ちだとしても、自らの意思がなければ到底続けられない髪型だ。意志の強さの表れである。