Shard’s Monologue(4):白紙に一文字目を書き記すまで -そらのきろくちょう制作秘話-
そんなコンセプトから生まれたオリジナルノート・そらのきろくちょうの制作秘話を、ちょこっとだけ書いてみようかなのコーナーです。
真面目な文章になるはずが、どうしてもうまく書けず……私の喋り方、そのまんまで書いちゃいます。(たま~にXでやってるスペースでの口調と思っていただけたら!)
正直に言うと、かなり現実的なお話です。びっくりするくらい現実的。夢とか希望とか……そういったものはできれば抱かずに、なるべくしてハードルをめちゃくちゃ低くしてから読んでいただけると助かります。
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私が代表を務めるサークルのメイン頒布物は考察本。Skyのスクリーンショットを多用しますから、無料配布が大前提なんですね(規約で決まっているのでむしろ絶対条件)。
無料配布を続けるには、印刷代をどうにかしなくちゃいけません。
去年はわかりやすさを重視して、フルカラーの冊子にしました。そうしたら、(私の販売品が伸び悩んだのもあって)サークルの帳簿は印刷会社に赤色のインクで印刷を頼んだかのような結果となり……やりすぎたな~と、最初は笑ってました。
しかし、時が経てば、ある程度は冷静さを取り戻すもの。気づけば、
「来年も再来年もこの赤字が続いたら、趣味の範疇で抱える金額ではなくなるんじゃ……?」
仮に私が独り身で家庭も子どももなく、そこまで収入に苦労していない立場であれば……なんて、言いたいところですが。
一番に優先すべきことは子どもと家庭であり、仮にイベントで発生した赤字が、想定していた赤字よりも数万円高い程度の額だったとしても、毎年毎年その額を抱えるのは、物理的にも精神的にもちょっとしんどいのです。
ちなみに、考察本のためのカンパや投げ銭は一切募りません。というか、募っちゃダメ。考察本が販売品と見なされてしまい、SkyArtFestならびにSkyのガイドラインの規約違反となります。
じゃあ考察本を出さなければいいじゃないか!と言われそうですが、私がSkyArtFestで一番出したい創作物は考察本、誰がなんと言おうとこれ。大好きなゲームのお祭りで、自分の好きなもの・得意なジャンルで出展しないってどういうことよ?!
SkyArtFestで考察本を出せるのに、どのサークルも出さないなんて、そんなこと悲しいじゃないですか。特定のジャンルに特化しない、総合的な考察本を出すサークルはまだまだ珍しい存在だと思っています。だからこそ、赤字でもいいから考察本を出し続けたいのが本音です。
しかしながら、さっきも書いたように、想定よりも大きい赤字が続いては、大層なことも言えません。金銭面を理由に考察本の発行ひいてはサークル活動を諦めるにしても、考察本を出すサークルが増えてから諦めたい。
無理なく続けられる程度の赤字を目標に、考察本を出し続けるにはどうしたらいいのか。
真っ先に考えたのは、文芸作品の売上だけで考察本の印刷代をカバーすること。文芸作品も出したい私にとって、理想の形です。実は去年もやろうとしたのですが、(色々な事情があり冊子の売価を大きく下げざるを得なかったため)叶いませんでした。
今年の文芸作品は、昨年出した冊子の改訂版にあたる「増補版」を発行します。でも、これは急遽発行を決めたもので、SkyArtFestの出展当選直後は構想になく……書き下ろしと再録を含めて去年よりも60ページ以上増えた冊子とはいえ、去年作ったものをベースにした以上、考察本の印刷代を乗せるのは気が引けます。よって、増補版の価格に考察本の印刷代は乗せていません。
去年からずっと考えていたのは、オリジナルグッズの製作。
……って、イラストは殆ど描けないのに、どうやってグッズを作るんじゃい!!去年もそういう理由で、私名義のオリジナルグッズは作らなかったのに。
どうにかできることはないかと、アイデアを書き留めるため、小さなノートとボールペンを手元に用意したとき、ふと思いつきました。
「絵を描けなくても、手帳やノートの中身は作れるかもしれない……?」
ノートや手帳はオリジナルグッズの定番品。表紙データだけで製作OKの印刷会社も多いので、気軽に作れるグッズの一つと言えます。だけど、私が思いついたのはノートの中身(ページ本文)を自分でデザインすること。ノートこそ、ありとあらゆるジャンルで活躍する品物なんじゃないか?その日の気分だけじゃない、勉強や将来の目標を書く人も多いから……表紙は(最悪の場合)過去のイラストを加工する手段もあります(後に素敵なゲストをお迎えしました)。
私は本文を書きたい人だから、文章の世界に身を置いているのかもしれない。本文をどんどん書きたくなる使いやすいノートがあったら、私自身も嬉しいから。
予算や赤字が頭をよぎった気もしますが、楽しく作りたい気持ちも強く、一度は忘れました。
Skyの王国は、キャンドルの文化からダイヤの文化へと変わり、動力でもあった光の枯渇や闇の脅威の侵攻により、滅んだと思われます。本などの紙媒体がアナログだとすれば、ダイヤの文化を活かした記憶の燈(あかり)がデジタルに相当するでしょうか。ですが、記憶の燈は光(電力)がなければ、正しく再生できません。(記憶の燈の仕組みについては、光の修繕者の季節の公式生放送と、ふたつの灯火前篇公開記念トークショーの動画が参考になります。よかったらご覧になってください。)
「デジタルな時代だからこそ、敢えて、形のあるノートに何かを残したい人もいるよね」
【 デジタルな時代だからこそ、形ある燈を。 】のコンセプトは、このようにして生まれました。
コンセプトが定まったところで、利用方法や想定する利用者を考えます。
SkyArtFestで頒布しますから、Skyのアレコレ……たとえば。
考察のメモ
イラストのラフや落書き
海外のフレンドから教えてもらった現地の言葉
合奏班での様子
エアレの練習内容やレコード
パフォーマンスのアイデアや衣装案……
SkyArtFestは、Skyの二次創作のお祭りです。ジャンル問わず、分け隔てなく使っていただけるものを作ってみたい。どこかのジャンルに特化するんじゃなくて、多くのジャンルで使える、万能な品物を作りたい。
Q.全ページ白紙の自由帳形式は?
A.何を書くべきか迷う人がいるかもしれないから、全ページ白紙はやめておこう。
Q.全ページ罫線の学生用ノート風は?
A.文字を少ししか書かない人にはそこまで必要ないかもしれないし、全ページ罫線もまた違うな……
Skyに限らず、家や仕事のアレコレ、悲しい気持ちや苦しい経験、モヤモヤした出来事を書き殴ってもいい。誰でも参加できるお祭りなら、誰でも何にでも使えるものを提供したい。
Q.1日1ページのデイリー日記形式は?
A.書き続けられずに挫折する人は絶対にいる。私もそう。
Q.カレンダーは付ける?
A.日付に縛られて、記入の自由度も下がりそうだなぁ……無しにしよう。
「みんなが自由に使える、自分だけの世界を書き留められるノートを目指そう!」
誰かに見せるわけでもない、自分だけのノート。金銭面を気にして怖気づいていた心が引っ込んで、ようやく、手元のメモに具体的な構想を書き始めました。
根本的な問題が解決したわけではありません。それでも、ここで一度気持ちを切り替えられたお陰で、数ヶ月後、ノートは無事に日の目を見ます。
表紙は合奏仲間のびすかりあさんに、本文のイラストを考察仲間のコドさんに依頼。シンプルな本文に合わせて、イラストもシンプルにしていただきました。どちらの星の子も本当にかわいい~~~!!お二人に依頼してよかったです。この場を借りて、改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
せっかくなので、ノートのこだわりポイントもいくつかお話しちゃいます。
罫線のページには、表作りを意識して、敢えて背景色を濃くした列を入れました。でも、使い方は自由です!表を作らなくてもいいですし、罫線のページにイラストを描いたって構いません。自分の世界を自由に作れるノートですから、あくまでも一例です。
1ページに4日分記入できる日付フリーの日記ページと、180度開く仕様のノートも大きなこだわりポイント。
絶対に毎日ノートを開くわけじゃない、毎日どころか週に一度しか書かないかもしれない……そんな方でも日付や曜日を意識せずに使えるよう、1ページで1週間分とはしませんでした。(1ページ4日分を×50ページ分……ですから、200日分は書けます。結構多いです。)ちなみに、日付フリーの日記ページに4行ある罫線の最終行、実はちょこっとだけ他の行よりも高さがあるんですよ。
180度開くノートを選んだのは、リングノートでは利き手にリングがあたると書きにくい印象が強いことや、通常の無線綴じではページを開きにくくなる可能性があったため。ノートを開くことそのものが面倒くさくならないようにしました。
思ったより費用がかかったのはごめんなさいっ!!
(※頒布価格1冊1400円)
考察本の印刷代をどうするかで悩んでいたくせに、私は一体何をしておるのか~~~っ!最初はあんなに不安だったのに……ね。不思議なものです、本当に。
そのぶん、色々な使い方ができるように(グッズ製作は完全に素人ですが)楽しみながら考えて作りました。まるで、筆が乗ったときの私のよう……
一度スピードを上げたら、壁にぶつかるまでは全力疾走です。今回は特に特殊で、最初に壁へぶつかってしまったから、マシンのメンテナンスに時間がかかったのでしょう。
紆余曲折あって生まれたノートに、私自身は何を記録していくのか。未来の私が取る選択を、今から楽しみにしています。