開催日時:2026年2月22日(日)、23日(月) 午前中 インターカレッジ・ソニックアーツ・フェスティバル2025と共催
https://ic.jssa.info/
アクセス:西武拝島線、多摩都市モノレール線『玉川上水』駅、徒歩10分 キャンパスマップ:https://www.kunitachi.ac.jp/campuslife/campusmap/index.html
今回の研究会は、ICSAFのイベント全体・会場の都合上、現地開催のみとします。 後ほどYouTubeに発表アーカイブを掲示の予定です。
非会員の方で、IC参加校の教員・学生でない方の研究会参加には、500円の参加費が必要です。 (インターカレッジ・ソニックアーツ・フェスティバルのイベントそのものへの参加は無料です。ぜひご参加ください。)
<2月22日 (日)> 9:15-12:20(1件質疑込み17分)
Timbre and Spatial Expression in Germinate with Granular Reconstruction, Synth Design, and Dolby Atmos
全家興, 水野みか子(名古屋音楽大学)
鐘と宇宙論と時間の廃墟:『Are You Still Melting』におけるインターメディアリティと物語性の探求
劉辰(早稲田大学)
詩合わせ(Shi-awase)
Zhang Peiyi(早稲田大学)
立体音響作品《Studies No.1 for Aleatoric Coded Voxels》について
藤村勇里, 伊藤彰教(東京工科大学)
蝸牛によるAuditory Distortion Products合成とモジュラーシンセサイザによる階層的空間表現の試み
岩堀風太, 伊藤彰教(東京工科大学)
IDMおよびAmerican Experimental Musicを基盤とした7.1.4ch立体音響を用いたDrum'n'Bassの制作
榛澤浩毅, 伊藤彰教(東京工科大学)
インタラクティブミュージックにおける新たな遷移手法の提案
西馬一輝 , 鈴木悦久(名古屋学芸大学)
ハンドドリップコーヒー体験を拡張するためのインタラクティブ音響システムのデザインと評価
藤原 健翔, 西田 紘子(九州大学)
Improvisation with metaball and AI
大久保拓太, 森谷友昭(東京電機大学)
スピーチミュージックにおける「声の音色」再構築の試み―機械学習モデルRAVEを用いた音響変換による実践的研究
藤江明香里, 松宮圭太(名古屋市立大学)
<2月23日 (月)> 9:15-11:30(1件質疑込み17分)
ミニマル・ミュージックの⽣成と共感覚的オーディオビジュアライゼーション
濱岡未侑, 松宮圭太(名古屋市立大学)
「音響と音楽の一体化による表現手法の研究」-多層的な時間の衝突による聴取体験の構築-
猪上 将輝, 鈴木悦久(名古屋学芸大学)
Audible and Inaudible Ecologies: A media archaeology of trees and natural electromagnetism through embedded listening
コタ ヘイトン, 城一裕(九州大学)
光のフィードバックを用いた楽器の制作―視聴覚同期と空間を介した即興的表現―
相崎玲穏, 城一裕(九州大学)
自動演奏ピアノの鍵盤駆動に関する検討-故人の演奏再現から着想を得て
井上公太, 城一裕(九州大学)
ノイズ音楽の受容の現在系 ―福岡における実験音楽イベント「hertz」を事例として―
深川航太郎, 城一裕
An Introduction to the Institute for Music Informatics and Musicology at the University of Music Karlsruhe
Prof. Dr. Christoph Seibert(ドイツ カールスルーエ音楽大学 特別講演)
Timbre and Spatial Expression in Germinate with Granular Reconstruction, Synth Design, and Dolby Atmos
全家興, 水野みか子(名古屋音楽大学)
本発表では、電子音響音楽作品《Germaine》の構想とサウンド構成について報告する。《Germinate》は、夜に芽が出るときの感覚をたどる作品であり、目に見えない場所で進む成長を描き、きらめきや湿り気のある動き、そして少しずつ形が立ち上がってくること感触を表現する。音色と空間が途切れずに変化し続けるものとして構想されている。 サウンドは、多層化した合成音をグラニュラー再構成によって、常に作り直していく。空間面では、 Dolby Atmos で制作され、Dolby Atmos Composerと Dolby Atmos Beam Essentials を併用している。
鐘と宇宙論と時間の廃墟:『Are You Still Melting』におけるインターメディアリティと物語性の探求
劉辰(早稲田大学)
本稿は、第二次世界大戦中の金属類回収令により熔化された日本の梵鐘という歴史的トラウマを基点に、「音響的廃墟」という芸術的ナラティブを構築するものである。ここで失われた音は、具体的な調律システムや抽象的な作曲規則に顕在化していた、もはや回復不可能な古代の宇宙論的秩序を内包していると論じる。本研究では、 オーディオビジュアル・ライブエレクトロニクス作品『Are You Still Melting?』を事例とし、インターメディアリティが「物質的物語性」をもたらす可能性を探求する。古代の鐘のサンプリングと雅楽の要素と、アルヴォ・ペルトのティンティナブリ様式をアルゴリズム的脱構築を融合させることで、音響と視覚が破壊的に干渉し合う「音響的廃墟」が立ち現れる。このハイブリッドな空間こそが、宇宙論的記憶と技術的現実の架け橋となることを提示する。
詩合わせ(Shi-awase)
Zhang Peiyi(早稲田大学)
Shi-awase is an interactive sonic installation that allows participants to compose a short poem by arranging Chinese characters and triggering generative sound behaviors. The work explores how visual-semantic units (characters) can function as modular musical gestures, enabling non-expert audiences to “play” poetry and sound through intuitive interaction. Technically, the system is implemented as a web-based, dual-screen setup: an input interface captures user actions (e.g., handwriting recognition or character selection), while an exhibition display renders the poem layout and produces real-time audio. Sound generation is implemented with in-browser synthesis and loop control, and the two interfaces communicate via WebSocket for low-latency synchronization. The note discusses the mapping strategy between characters and sonic textures, the interaction flow designed for public exhibition, and reflections on authorial control versus user agency in computational poetry.
立体音響作品《Studies No.1 for Aleatoric Coded Voxels》について
藤村勇里, 伊藤彰教(東京工科大学)
本作品は、7.1.4chマルチスピーカーを用いた電子音響作品である。マルチスピーカー再生によって拡張された定位表現において、空間全体を一つの大きなモノラル音場として捉え、単発音による定位感と持続音による包まれ感の両立を試みた。人間の音響知覚特性を着想とし、定位特性を考慮した音色選定やパンニングを施すことで立体音響表現の探究を図った。本稿では、サウンドプログラミングによる音色制作、Dolby Atmosを用いた音の配置について述べる。
蝸牛によるAuditory Distortion Products合成とモジュラーシンセサイザによる階層的空間表現の試み
岩堀風太, 伊藤彰教(東京工科大学)
本稿は、聴覚系内部で生成される主観的な音響現象「Auditory Distortion Products(ADP)」の活用と、West Coast Synthesisの系譜を汲む音響合成手法によってデザインされたモジュラーシンセサイザーの音色を統合した立体音響サウンドアート《Myodesopsia Interstice》についての創作ノートである。モジュラーシンセサイザーの物理的な合成音に対し、リスナーの耳内で生成されるADPの粒子がレイヤーとして重なる。7.1.4chマルチスピーカー環境において両者がスピーカーと聴取者の間隙で混ざり合う様は実体なき知覚の拡張を提示する。本稿では、本作のコンセプトとADPの合成手法、モジュラーシンセのサウンドデザインについて述べる。
IDMおよびAmerican Experimental Musicを基盤とした7.1.4ch立体音響を用いたDrum'n'Bassの制作
榛澤浩毅, 伊藤彰教(東京工科大学)
本稿は、7.1.4chマルチチャンネルスピーカーシステムを用いた音楽作品《Drum'n'Bass Beyond the Floor》についての創作ノートである。本作品では、Drum'n'Bassにおいて最も重要な要素であるブレイクビーツを主題にしながら、IDMおよびAmerican Experimental Musicを基盤としてアクースマティック的聴取態度を前提とした藝術音楽作品を制作することを目指した。本稿では、本作を制作するにあたって調査を行った関連作品と、それらにみられる要素、手法、態度について述べる。さらに、本作におけるコンセプト、素材音の作成、Dolby Atmosを用いた音の配置について述べる。
インタラクティブミュージックにおける新たな遷移手法の提案
西馬一輝 , 鈴木悦久(名古屋学芸大学)
映画やアニメーション作品において、「場面に応じて変化する音楽」という表現は、古くから用いられてきた基本的な演出技法の一つである。人物の感情やその場の雰囲気、シーンの緩急や転換の繋ぎなど、さまざまな要素に対応できる音楽は、鑑賞者を作品世界へと深く没入させる役割を担ってきた。 ゲームメディアにおいてもこの点は例外ではなく、物語の進行やプレイヤーの行動をきっかけに音楽を変化させることで、ゲームとの一体感が高まり、より密度の高い体験を提供することが可能となる。こうしたゲームにおける音楽表現は、近年ではインタラクティブミュージックと呼ばれている。 本研究では、ゲームメディアにおける音楽表現に着目し、既存の遷移手法には見られない新たな遷移手法を提案することで、ゲーム上における音楽的演出の表現の幅を拡張することを目的とする。
ハンドドリップコーヒー体験を拡張するためのインタラクティブ音響システムのデザインと評価
藤原 健翔, 西田 紘子(九州大学)
本研究は、コーヒーの抽出プロセスと飲⽤体験を⾳響で結びつける多感覚システムDrifting Resonanceを開発し、抽出動作をリアルタイムに⾳響化した際の受容過程を分析した。本システムは、注湯の高さや流量といった物理現象を、抽出の所作に潜む非言語的な暗黙知の現れとして可聴化するものである。具体的には、これらの動的な変化をリアルタイムにドローン音や粒状音へと変換・生成する。その結果、動作の可聴化により抽出者の暗黙知が物理的揺らぎとして表出され、体験者の没⼊感が向上する可能性が⽰唆された。これにより、受動的な待機時間が能動的な鑑賞体験へと変容する効果が期待される。また、抽出終了後の静寂が聴覚から味覚・嗅覚への注意の転移を促す緩衝材となり、感覚を鋭敏化させる準備状態を形成する傾向が⾒受けられた。さらに、⾳響の周波数特性が味覚評価に影響を与え、低周波は「コク」を、⾼周波は「酸味」をそれぞれ増強させる可能性が⽰された。以上より、プロセスの⾳響化と静寂の制御は、多感覚的な体験の質的拡張に寄与する有効な⼿法となり得ることが⽰唆された。
Improvisation with metaball and AI
大久保拓太, 森谷友昭(東京電機大学)
本作品は,AIとの対話を通じて音楽と映像を即興的に生成するライブパフォーマンスである.独自に構築したAIと対話することで,AIは共作者をリアルタイムで学習し,共作者に合った提案を生成し提案する. 生成されたデータはOSC及びMIDIプロトコルを介し,Ableton LiveとTouchDesignerへ瞬時に伝送される.音響面では,AIの提案を人間の解釈で音楽的に昇華させ,映像面は昨年の引用で,メタボールを用いた有機的なビジュアルが音のエネルギーや不協和音指数に連動して変容する. 単なる自動演奏ではなく,AIの音楽的示唆に対して人間が即興で応じ,さらにそのフィードバックをAIが学習することで,両者の境界が曖昧な「共生的な創作」のプロセスを舞台上に描き出す.AIを単なる道具ではなく、自律的な意思を持つ共作者として提案することで,AI時代のアートのあり方を新たに提案する試みである.
スピーチミュージックにおける「声の音色」再構築の試み―機械学習モデルRAVEを用いた音響変換による実践的研究
藤江明香里, 松宮圭太(名古屋市立大学)
本研究は、録音された発話(recorded speech / spoken word)を素材とする作曲実践を体系的に整理したCathy Lane(2006)の枠組みを参照し、これを本研究の操作的定義として「スピーチミュージック」と呼ぶ。そのうえで同領域を、“声の音色”という音響的側面から捉え直し、機械学習による音色変換によって表現領域の拡張を試みる。
従来の多くのスピーチミュージックが「意味を持つ声」を加工し、意味を揺らがせる方向に重心を置いてきたのに対し、本研究はその逆方向――意味を持たない楽器音から出発し、声として知覚される音響質感を作り出すことを中核とする。 具体的には、朗読音声を学習したRAVE(Real-time Audio Variational Auto-Encoder)を用い、入力の旋律・時間構造を保持したまま、フォルマント様帯域、息成分、摩擦的ノイズといった声に固有の特徴を出力へ付与し、楽器音を「声の音色」へ変換する枠組みを構築した。 さらに、「声の旋律をMIDIとして抽出→器楽として再合成→その器楽音をRAVEへ入力して声的音色へ還元」という再変換プロセスを提示し、これを「声の再合成」と位置づけた。これにより、旋律と声らしさを保ちながら意味が欠落した「声らしき音声」を得た。 本研究の知見は音響映像作品《奪われた声》に統合し、童話人魚姫の「声が奪われる」場面をモチーフに、声が意味を失い、音色として解体され、旋律のみが残存する器楽音へ移行したのち、器楽音から再び声の音色へ回帰する過程を段階的に構成した。
ミニマル・ミュージックの⽣成と共感覚的オーディオビジュアライゼーション
濱岡未侑, 松宮圭太(名古屋市立大学)
本稿では、ミニマルな音楽構造の生成とその変化を視覚へ変換する仕組みを統合したオーディオ・ビジュアル生成環境の設計手法について報告する。音楽構造の生成、演奏者による介入、映像への変換を時間的に連鎖するプロセスとして統合的に設計した。 音楽生成システムでは、調性に基づく音高の自動生成によって音楽的整合性を保持しつつ、演奏者が楽曲展開の決定に介入可能な構造を構築し、人間と自動生成の役割分担を明示する。さらに、先行研究に基づく音と色の対応傾向を参照してプログラム上のルールとして実装し、恣意性を抑制した音楽可視化手法を提示する。これにより、音楽生成・演奏・可視化を一つのプロセスとして統合的に扱う新たな表現および研究枠組みを示す。
「音響と音楽の一体化による表現手法の研究」-多層的な時間の衝突による聴取体験の構築-
猪上 将輝, 鈴木悦久(名古屋学芸大学)
本研究は、アンリ・ベルクソンの提唱した「持続」という時間観念を手がかりに、音楽が内包してきた複数の時間構造を同時的に立ち上げる表現手法について検討するものである。 従来の音楽作品においては、「線的」「非線的」「滞留」といった差異は存在するものの、いずれも単一の時間的枠組みの内部で経験される形式として成立してきた。しかし、ベルクソン的持続は分割や構造化を前提としない内的時間であり、音楽の構造的時間とは必ずしも一致しない。 本研究ではこのズレに着目し、異なる時間構造を統合するのではなく、同一空間に併存させ、時に衝突させる音響表現を試みる。これにより、音楽の中に持続そのものを表象するのではなく、聴取者自身の時間感覚=持続が揺さぶられる聴取体験を生成することを目指す。
Audible and Inaudible Ecologies: A media archaeology of trees and natural electromagnetism through embedded listening
コタ ヘイトン, 城一裕(九州大学)
In this paper, we present Audible and Inaudible Ecologies, a work that explores a natural ontology of radio by drawing upon non-anthropogenic sources of transmission and reception. Reimagining a 1919 paper from the United States military which researched the utilization of trees as organic radio antennas for strategic communications, this project instead uses tree-antennas to transduce naturally occurring electromagnetic waves, often called natural radio, which typically originate from lightning impulses. The work is comprised of recordings of natural radio received through trees across Japan and the United States, combined with a 4-channel spatialized reproduction of the sonic environments of each tree, recorded with 1st order ambisonics. Through the act of attentive, embodied listening, Audible and Inaudible Ecologies invites the participant to explore the underlying natural foundations of radio and the simultaneity of locality and globality revealed through the inaudible made audible.
光のフィードバックを用いた楽器の制作―視聴覚同期と空間を介した即興的表現―
相崎玲穏, 城一裕(九州大学)
本研究は、オーディオミキサーの出力を入力に戻すことで音を生成するフィードバック楽器である No-input Mixerを光によって拡張し、同一の信号から生じる視聴覚の同期と、それがライブパフォーマンスにおける演奏者・観客・空間の関係性に与える影響を、制作および実践を通して明らかにすることを目的とする。No-input Mixer は、フィードバックが装置内部で完結する閉じた構造をもつ楽器であるが、本研究では入力に太陽電池、出力に白熱電球および LEDレーザーを用い、信号伝達経路に光を導入することで、音と光が同一の信号に基づいて物理的に同期する楽器を制作した。これにより、ライブパフォーマンスにおける新たな音楽表現の可能性を探究した。 音と光が同一の信号によって生成される本楽器は、「音を操作すること」と「光を操作すること」を不可分なものとし、いずれか一方への操作が他方へ直接的に影響を及ぼす構造をもつ。また、本楽器の性質上、ライブパフォーマンスでは会場を暗転させる必要があり、その制約が人間と楽器との間に独自のインタラクションを生み出す。結果として、空間・人間・楽器の関係性を強く意識化させる表現が立ち上がる。
自動演奏ピアノの鍵盤駆動に関する検討-故人の演奏再現から着想を得て
井上公太, 城一裕(九州大学)
本研究では、技術を用いた死者再現の事例から着想を得て、自動演奏ピアノの鍵盤駆動による視覚情報が聴取者の作品理解に及ぼす影響について検討した。近年、AIをはじめとした技術の発展により、故人の再現に関する様々な試みが行われている。本研究では、その中でも自動演奏ピアノを用いて亡くなったピアニストを再現しようとする事例に注目し、「演奏者が不在の状態で鍵盤が動く」特殊な状況が鑑賞体験に与える影響を明らかにすることを目的に、聴取実験を行った。実験に先立って条件の対照化のために、自動演奏ピアノDisklavierの消音演奏モードとエキサイターを組み合わせた再生装置を考案した。実験では参加者に、装置を用いた鍵盤駆動あり・なしの演奏を1回ずつ聴取させ、半構造化インタビューによって聴取時の印象を尋ねた。インタビュー結果の分析を通して、死者再現技術の展望や可能性、自動演奏ピアノの特性や用途について考察する。
ノイズ音楽の受容の現在系 ―福岡における実験音楽イベント「hertz」を事例として―
深川航太郎, 城一裕
本論文は、福岡を代表するクラブ「Kieth Flack」を拠点に,筆者が継続的に開催してきた実験音楽イベント「hertz」を事例として、ノイズ音楽がクラブ空間で聴かれる状況を分析し、現代におけるノイズ音楽の受容のあり方の一端を検討する。 かつてノイズ音楽はアンダーグラウンド・カルチャーにおいて、ニューウェーブやパンクといったロック・ミュージックの一派として、ライブハウスを中心に一定の共有基盤を有していたが、ノイズ音楽に傾倒したライブハウスや観客層の縮小、流行の変化といった一時的な衰退を経て、一般的なダンスミュージックにノイズ音楽が組み込まれたり、リスニングを主体としたイベントが行われたり、というように、従来とは異なるノイズ音楽聴取の形態が生まれてきている。hertzは、こうした状況下において、ノイズ音楽をクラブ空間における反復的なイベントとして展開してきた。 本研究では、hertzにおける出演者・来場者の世代や地域性、動員数の変化、空間的アプローチ等を踏まえ、過去のノイズ音楽イベントやその他地域で行われているノイズ音楽イベントとの比較分析を行う。イベントの主催実践と分析を通して、現代におけるノイズ音楽の聴取のされ方の考察を試みる。