Audi TTS納車半年後レビュー
2019年9月下旬に納車して半年経ち、8000kmほど走りましたので、備忘録として素人レビューします。
プロフィール
車歴はありません。この車が初めて所有した車になります。それまではレンタカーやカーシェアで10車種ほど乗ったことがある程度です(いずれも国産AT)。まとめると走行距離は3000km程ありそうですが、他車との比較という観点ではあまり当てにならないと考えます。
それでは、個人的に感じた良い点と悪い点をピックアップしてから掘り下げていきます。
良いと感じる点
エクステリアの美しさ
運動性能の高さ
ドライブセレクトによる性格変化
2名乗車なら十分な積載スペース
スタイリッシュなインパネ
悪いと感じる点
フロントデザインの没個性化
ユーロプレート台座
ブレーキダストの多さ
リアハッチ開閉時の水滴混入
サイドシルの汚れ
バーチャルコックピット、ナビへの慣れ
シートポジションメモリーなし
ACCなし
そのほか
車体サイズ
乗り心地
DCTのギクシャク感
Matrix LEDヘッドライト
アイドリングストップ機能
ドリンクホルダー
燃費
では、それぞれ見ていきます。
まずは良い点から。
エクステリアの美しさ
デザインについては完全に個人の好みなのでなんとも言えないのですが、私はTTSのエクステリアは好きです。クーペスタイルは言わずもがな、ボンネット/ライトとリアハッチ/ライト周りのラインに無駄がなく、シンプルで美しいです。このスタイルに見慣れると、ボンネットに入る横一文字のラインやリアライトをぶった斬るトランクのライン等が受け入れにくくなります。TTとTTRSの中間くらいのスポーティさも私にはちょうど良いです(TTSはマフラー4本出しとリトラクタブルリアスポイラーの組み合わせ)。TTRSの固定式リアスポイラーは攻めすぎであまり好みではありませんでした。
エクステリアはTTを選ぶ際の決め手でした。運動性能に関して言えば、上を見ればキリがないですし。デザインと運動性能、コストを他車比較した場合、TTはバランスに優れているように思います。4WDや高い運動性能を求めなければ素のFFTTも良さそうです。
運動性能の高さ
他車比較はあてにならないのですが、日常使いでは不満がありません。常時四駆、DCT、286PS、38.8kgmあれば困りません。0-100も4.6秒です。ワインディングに行けば路面に吸いつくような気持ちの良いコーナリングが楽しめますし、高速域でも安定感があるので、高速道路を長距離走っても疲れにくいです。サーキットなら話は別でしょうが、行くことはないので問題ないです。
ドライブセレクトによる性格変化
TTにはアウディドライブセレクトという機能があり、Efficient, Comfort, Auto, Dynamic, Indivisualの5つのモードのうち1つを選んで走ることになります。各モードの特徴は名前通りなのですが、ボタン1つで切り替えできるところがいいですね。シャキシャキ気持ちよく走りたい時はDynamicにすればよいし、のんびり走りたい時はComfortにすればよいですから。ダンパー、排気音、ステアリングは特にわかりやすく変わります。好みのセッティングで走りたければIndividualがあります。また、TTはセミATなのでパドルシフトでギアチェンジすることもできます。レブリミットは6800rpmくらいですが、エンジン音、ブリッピング音は大きく、十分スポーティな雰囲気を味わえます。一方、通常モードで例えばComfortなら下道は2000回転くらいまでで走れるので、傍から見ると普通の車です。この切り替えは魅力的ですね。
2名乗車なら十分な積載スペース
TTのシートは2+2です。クーペではよくあるタイプで、Porsche911や86/BRZもこれですね。簡易的な後部座席があり、法定上は4名乗車が可能ですが、可能なだけで快適性はありません。最寄り駅まで行く程度の短時間ならいいでしょうが、基本2名乗車として考えるべき車です。
2名乗車としてなら十分な積載スペースがあります。普段、後席は荷物置きとして十分使えますし、後席のシートを倒せばトランクルームとフラットにできます。後席を倒した場合、ゴルフバックとボストンバッグがそれぞれ2つは入ります。私は普段3名以上でドライブすることがなく、大きな荷物を運ぶこともないのでこれで十分です。完全2シーターの潔さはなく、スポーツカーとしては中途半端感が出るかもしれませんが、ファーストカーとしてライフスタイルを充実させる観点ではとても有効です。
スタイリッシュなインパネ
TTにはセンターコンソールにナビ画面がありません。ナビはバーチャルコックピット(メーター画面)にあり、表示/非表示の切り替えが自由です。ナビは初めてもしくは慣れない土地に行くときにしか使用しませんから、このスタイルは気に入っています。
他にも、エアコンの設定ボタン等が吹き出し口の中央にあり、ボタンの数が少なく見えるので、インパネ周りがすっきりして見えます。かと言って運転しながら操作したいボタンまで電子化されていることはなく、ストレスはありません。シンプルかつ機能的で好感が持てます。
良い点はこんなところでしょうか。
続いて悪い点です。
フロントデザインの没個性化
最近のアウディのフロントデザインはますます統一化されてきてますね。どの車種も遠くから見て一瞬でアウディだと判断できます。一方で車種間の特徴は乏しく、近くで見ても車種が判別しにくいことがあります。R8までいくとまた違うでしょうが、TTもフロントだけ見るとTTだと気付きにくいです。好きだ好きだと言ってるTTのエクステリアですが、正直2代目のがより好みではあります。直線基調なフロントデザインも、どこかWRXやCIVICのようなガンダム感があり、TTのイメージに合わないです。まあ結局デザインなんて個人の好みなのですが。
このようなこともあり、TTの写真を撮る時は後ろからのものが増えます。リア周りは相変わらず丸みのある美しさがあり、TTらしさを感じ取れます。
ユーロプレート台座
個人的にこれはTTのデザインで一番ダメなところです。日本のナンバープレートと台座がマッチしてません。しかも台座はバンパーと固定されていて台座だけを交換することができません。やるならバンパーごと交換です。海外製アフターパーツか米国製純正品と交換することで対応可能なようです。そこまでするかは微妙ですが。
なぜ純正でユーロプレート台座のままなのか理解できません。誰か知っている人がいたら教えて欲しいです。
ブレーキダストの多さ
アウディはドイツメーカーです。アウトバーンを有することもあり、ブレーキに求められるのは第一に安全性です。効くブレーキはダストが多いもので、車体で一番最初に汚れるのがフロントホイールです。これはもう仕方ないですね。嫌ですけど。
ちなみにブレーキは少し扱いにくく、信号待ち等で滑らかに停止するためにはかなり慎重に減速する必要があります。これはローターに対するパッドの食いつきが激しいためだと考えています。停止直前にはブレーキもよく鳴きます。ただ、これらは高速領域でのブレーキの効きを優先した結果で、仕方のないものだと思っています。
リアハッチ開閉時の水滴混入
TTオーナーは皆経験で理解していると思うのですが、雨上がりや洗車後にリアハッチを開けると、リアガラスとボディの隙間に溜まった水がトランク内に垂れてきます。文字にすると「ポタタタタ」という感じでしょうか。そんなに大きな問題ではないのですが、気にはなります。濡らしたくないものをトランクに入れるときには注意が必要です。
サイドシルの汚れ
デザインのためか剛性確保のためかよく分かりませんが、TTSのサイドシルは一般的な車よりも厚く、汚れや雨水が溜まります。運転ポジションにコックピット感があるため、窮屈な姿勢での乗降を強いられ、ズボンを汚しやすいのです。クーペなのでドアが長く、駐車場でドアを大きく開けられないことも拍車をかけています。気をつければ問題ないのですが、気になります。最近はもうズボンを汚しながら乗り降りすることにしています。
バーチャルコックピット、ナビへの慣れ
アウディに広く導入されてきているバーチャルコックピットですが、個人的には一長一短です。TTの場合、ナビ専用のモニターをなくし、インパネをすっきりさせているのは良い点です。一方で細かい車両設定を変えたり、ナビやメディアとの切り替えをしたりする際に、直感的に何がどこにあってどう操作するのかが分かりにくいのです。設定画面を切り替える左右の矢印も2種類ずつありますし。納車当初、間違えてコールセンターに電話してしまいました。もちろん、今となっては問題ないのですが。
また、ナビは正直使いにくく、行き先検索で文字を入力するためには手書きで文字認識もしくはダイヤルで一つ一つ平仮名を入力するハメになります。もちろん、文字入力は慣れれば早くなりますし、過去に検索もしくは行ったことのある場所だと検索予測として表示されやすくなりますが、明らかに通常のタッチパネルの方が楽で早いです。しかも検索結果はグーグルマップと比べて少なく、パッとしません。
シートポジションメモリーなし
アウディが想定する使用シーンがどのようなものかは知りませんが、シートポジションメモリーはあった方が便利です。電動シートゆえ、ポジションを完全に元に戻せない恐れから、シートを下げたり倒したりしにくく、待ち時間に足を伸ばして仰向けに寝転がれません。そもそもそんなことをTTでやるな、というのもあるかもしれませんが。また、恋人/夫婦で互いに運転する場合はどうするのでしょう。毎回シートポジションを電動シートで合わせるとなると面倒ですし、微妙に毎回違うポジションだと落ち着かなさそうです。お一人様用車なのでしょうか。
ACCなし
TTには速度維持のみのクルコンしかなく、前走車を認識してくれるACCはオプションですらありません。速度維持のみの機能など高速道路ではほとんど意味がなく、私は一度も使用したことがありません。TTはどちらかというとドライバーズカーなのでしょうが、常に快適な走行環境がある人は稀だと思います。渋滞にハマるたびにACCがないことが悔やまれます。私は和歌山市に住んでいますが、よく利用する京奈和道や阪和道(有田以南)は片道1車線しかないので、次の車はぜひACCの付いたものにしたいですね。
個人的に悪い点はこんなところでしょうか。
続いては、良い点とも悪い点とも言えない内容です。人によって違いが分かれそうです。
車体サイズ
ここまで書いてきて今更ですが、Audi TTSの車体サイズはW1830 x L4190 x H1370です。スポーツカーらしく全幅があるのですが、全長は比較的短いと思います。それもあってか、狭い道での取り回しは意外と良いです。自宅周りの道路が非常に狭いのですが、この特徴のおかげでなんとかなっています。ドライブや旅行に行っても、自宅周りより狭い道路にはほぼ出会えません。良い練習になるのですが、いつか擦りそうです。
乗り心地
TTSは磁性流体によりダンパーを制御しており、ドライブモードによってその制御特性を変えているそうです。要はComfortでは基本柔らかく、Dynamicでは硬くなるのですが、速度域や路面状況によっても柔らかくなったり硬くなったりする、ということのようですね。これによる乗り心地の変化は実用速度域でもかなり感じ取れ、走行シーンに応じて使い分けできます。ただ、Comfortモードでもプリウスやマツダ3のような一般国産セダンのような快適性はありません。あくまでもスポーツカーとしての乗り心地、です。これは姿勢変化を抑えるために足を張った結果で、ある程度の突き上げは仕方ない、と考えています。街乗りする分には硬く感じるのですが、ワインディングに行けばシャキシャキしてとても気持ちのいい足だと感じます。
DCTのギクシャク感
ダイレクトなシフトフィールとのトレードオフになるのですが、信号待ち等への減速時にギクシャク感があります。これはアクセルもブレーキも踏まずにシフトダウンした時に起こることが大半で、薄くでもアクセルかブレーキを踏んでいると随分マシになります。一方で加速時はほぼ常にアクセルを踏むことになるので、ギクシャク感は気になりません。加速時はむしろダイレクトなシフトフィールを楽しむ場面です。
総じてDCTの機構通り、MTの操作感覚です。バイクに乗っていたことも影響してか、私はトルコンやCVTよりもDCTの方が好みです。
Matrix LEDヘッドライト
TTSには標準装備、TTや他車種でもオプション選択可能です。一定の速度以上(TTSだと60km/h程度)かつ周囲の光源がある閾値より少ないと機能します。前走車や対向車にハイビームが当たらないように常時ライトの照射方法が変わります。便利ですが、機能する速度域が意外と高く、夜の山道を走る時は点いたり消えたりするのが難点です。結局、手動で切り替えることもあります。
アイドリングストップ機能
TTにはアイドリングストップ機能が備わっています。スポーツカーでも環境負荷への意識が必要なのでしょうか。搭載すること自体はどうでも良いのですが、エンジンをかけるとデフォルトで機能するようになります。もちろん、オフにするボタンはあるのですが、エンジン停止すると自動的にリセットされてしまいます。結局、エンジンをかける度にアイドリングストップをオフにするボタンを押す必要があり、面倒です。また、一番厄介なのがドライブセレクトを切り替えた場合にもオフにしていた状態がリセットされてしまうことです。Dynamicではそもそもアイドリングストップされませんが、ComfortやEfficientに切り替えた際にアイドリングストップが機能するようにリセットされてしまいます。その度にオフにするボタンを押す必要があり、面倒です。信号等で停車してる時にComfortやEfficientにすると、すぐさまアイドリングストップされてしまい、イラっとします。車両設定でデフォルト状態を設定できれば良いのにと思ってしまいます。アイドリングストップが好きな人にとっては好ましい設定状態かもしれません。
ドリンクホルダー
TTのドリンクホルダーは一つしかありません。やはりお一人様用車なのでしょうか?これに対しては、ドリンクホルダーを2つにできる社外品があり、対応可能です。
燃費
1月下旬から燃費記録をつけるようになりました。3月下旬までの冬の2ヶ月間ではおよそ10km/Lでした(走行距離2500kmほど)。これは街乗りや高速、ワインディング等の総合的な合計値です。通勤では乗っていないのですが、よく高回転まで回して遊んでいるので、あまり燃費は良くないはずです。一番伸びた時は秋頃に高速をEfficientモードで50kmほど走った時で、18km/Lだったと思います。エコ運転して楽しむ車ではないので、あまり燃費は気にしていません。納車が9月だったのに燃費記録をつけ出したのが1月下旬なあたりにそれが表れています。
最後に
ということで、素人ながらですがこんな感じのレビューになりました。他車比較がないので初めて車を買う方の参考になれば良いですね。あまり多くはなさそうですが。
悪い点をいくつも挙げていますが、それを忘れられるくらいの良さがあり、現状ではとても満足しています。特に、デザインはいつ見ても惚れ惚れします。
そもそも、車を購入したいと思ってから実際に購入するまでに3年かかりました。これは仕事環境のせいなのですが、おかげでじっくりとクルマ選びをすることができ、後悔のない買い物ができたと思っています。最終的なクルマ選びの条件は、洒脱で速い4WDの2+2クーペ(可能ならMT)に落ち着きました。4WDが必要なのは雪山ドライブをしてみたかったからです。FRでよければケイマンやロドスタ、スープラ等いろいろ選択肢があって楽しそうです。
納車後半年で8000kmというのは私にとってバイク納車直後と同じかそれ以上なのですが、自転車とバイクでツーリングに行き尽くした状態から車に乗ったことを踏まえれば、かなりの走行距離です。次の半年は走行距離が落ちそうな気がしますが、この車にはあまり長くは乗れないと思いますので、悔いのないようにしたいですね。
以上








