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フリーランスかつ、経歴にレファレンスの無い自分の仕事って99%SNSからやってくる。
めっちゃ健康に悪い。
だから今日、コナンの漫画を適当に2-3巻読んで、何の気無しにxの検索欄に「コナン」だけ打った時の、しょうもなくて明るくて嬉しい情報だけの羅列にめちゃくちゃ安心した。
帰る場所だ、なくならないでほしいな。
軸足を置いたり体を休めたり大切なものを置いておいたりできる場所、見つけていかねば、認識して大事にしなければならない。
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@michi-tsuki
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フリーランスかつ、経歴にレファレンスの無い自分の仕事って99%SNSからやってくる。
めっちゃ健康に悪い。
だから今日、コナンの漫画を適当に2-3巻読んで、何の気無しにxの検索欄に「コナン」だけ打った時の、しょうもなくて明るくて嬉しい情報だけの羅列にめちゃくちゃ安心した。
帰る場所だ、なくならないでほしいな。
軸足を置いたり体を休めたり大切なものを置いておいたりできる場所、見つけていかねば、認識して大事にしなければならない。
かなり赤裸々な感じの自分の日記を書こうと思ったのですが、どこに書けばいいか迷った挙句、
結局ここに帰ってきました。
ビジネスの温床になっていない、がちのSNS。
このままであれ〜
「家族だからといって愛さなければならないわけじゃない」は5万回聞いたけど、
「愛しているからと言って許さなければならないわけじゃない」は革命的で救いだった。
パッと視界がひらけて、気持ちが楽になる。
そんな言葉をたくさん見つけていきたいし、紡げるようになりたいね。
君といると欲張りになっちゃう
そう思える人の隣にいれるといいね、ずっと。
何も捨てない、両立するって努力は勝たないと証明できないけど、絶対に存在しているし信じられないと始まらない。
そして、そんな欲張りを誘発するような、強くいさせてくれる人と対話することが大事だ。
ジャコウアゲハ
僕は彼女の、馴れた手つきも誘うような形をした唇も大嫌いだった。
それが僕だけのものになればいいのにと思うようになったのはいつだろうか。
初めて見たあの時
「なんて壊れそうな人なんだろう」
そう思ってしまった時点で、手遅れだったかもしれない。
華奢な首筋に揺れるポニーテール。
弛む上半身から伸びる短く奔放な脚。
眠いアーモンド型の中、力強い瞳。その全てに夢中だった。
じっとりとした夏の夜、僕はいつも通り彼女の二歩後ろを歩いた。
「それでね、…聞いてる?」
聞いてなどいられなかった。僕の視線の中、歪なバランスの体が細いヒールに支えられ揺れる様子は危なっかしく、消えそうに美しかった。
子供の頃、捕まえた蝶の末路を思い出す。
手についた鱗粉の微かな色味と光沢、少し欠けた右下の羽。
手の中でくつろいでいるように見えたそれは突然、自由を脅かされる危険を察し飛び立とうとする。
もがく羽を押さえつけ、僕の元から離れないように僕だけの物でいるように僕の手の中が一番安全で、幸せだとわかってくれるように僕の僕の、
沢山の愛情と引き換えに。羽を奪ったら死んでしまったのだった。
そうだ、僕は一度、失敗しているのだ。
二度同じ失敗を繰り返す阿呆ではないし、無味乾燥に生き物を傷つけるサイコパスでもない。
ふらふら舞う姿、欠けて不完全美の羽、手の平に感じる穏やかな呼吸。
壊してしまったら、二度と叶わないと僕は知っている。
だから今日も、×××。
親指の第一関節、大腿骨、橈骨、覚えてしまえば簡単だった。
「骨折、早く治るといいね。」
彼女の無邪気な笑顔を繰り返し再生しながら、力を込め、唾液と血液で湿ったタオルの破片を咥える。週に2,3度、彼女と会う日のルーティーン。
こうすれば壊れない、壊せない、優しく触れることができるから。ずっとずっと、他のどんな奴より君のことを想っていて、君のことを守っているのだ。
いつか気がついてほしいなあ。びっくりするかな、嬉しくて泣いちゃうかな、楽しみだなあ。
「それでね、彼にね、君とはもう会うなって言われたの。ひどいでしょ?でもね、じゃないと別れるって。だからね、もう会わないよ。」
そこから先は覚えていないのだけれど、「最後にもう一度」おそらくそんな事を呟いて、いつもの潤んだ上目遣いやあざとい唇を泣きながら眺めてそして、
一つ一つ丁寧に壊した。
指骨、中手骨、手根骨ー愛らしい小さな手が死んだ
恥骨、鎖骨、背骨ー僕とお揃いになった。
胸骨、肋骨、上腕骨とう骨尺骨脛骨大臀骨
起きてよ、まだ伝え足りないんだ。
蝶形骨、中鼻骨、206本。人間の骨の数は僕の愛を測るのに丁度良い量だった。
僕はもう空っぽだった。
この、粉々の、すこし前まで彼女であった肉の塊は、
僕の愛を受け止めきれなかったのだ。
その形を保ったまま、愛される事を拒んだ。
僕は彼女を愛しすぎたのかもしれない。
すえた臭いの中、思い出す。
羽を捥いだ蝶の骸は、僕が粉々にして飲んだ。
その愛しさを、そして自らのしっぱいを忘れないように。
これを全て飲むにはどれくらいかかるだろうか、僕は月明かりに照らされた肉編を見て頭を抱えた。
しかしやるのだ。だって僕は三度同じ失敗をする阿呆ではないし、サイコパスでもないのだから。しっぱいを忘れず、愛を胸に、生きるのだ。
部屋中に麝香が香った。
「そいつを殺してやろうか?」
どこぞの戯曲では無いがそう聞かれた時が運の尽き、もとい運の始まりだと思っている。
俺の1番欲しかったものだ。
果たして俺は頷くのか。
それ以前に、
剥き出しの殺意を見せてしまえる相手と出会うことができるのか。
その人物は確実に人を殺めることができるのか。
そこに横たわる利害関係はどれほど作為的か。
無数の不確定要素を乗り越えた者だけが辿り着ける甘美な問い・選択肢・分岐点・
「そいつを殺してやろうか?」
運命の分かれ目。
目眩のしそうな確率の低さにやはり死のう、こんなのはもう仕舞いだと再び縄に手をかけたが、ふと蘇る重低音・女の声・
「ピンゾロの出る確率って知ってる?」
運命の分かれ目。
「0.4%、216分の1。ちょうどこのフロアに1人って考えたら意外と掴めそうじゃない?」
この時俺はおどおどとした素振りで、内心この小さな無法地帯でチンチロなんてショボい賭けをすることしかできない酔っ払い供を見下しながら、その安い誘いを躱した。
尤も俺はその"ショボい賭け事"すらできないのだが。
いつもそうだった。
錆びついた憎悪を軋ませ「あいつのいない世界」を夢想する日々。
だけど俺にはそれを実現する勇気が、××すだなんて口にする勇気もなければ行動力もない。
憎い憎い憎い憎いあたまがおかしくなりそうな熱を
「どうして俺ばっかり」
安い悲劇に置き換え冷まして、
何も行動せず、ただ自己愛の緩い沼に浸り続ける。
そんな毎日を終わりにする行動力だけはどうにか絞り出して、ここまで来たのだった。
目的を思い出し、再び首を乗せた。
俺を慰めるかのようにゾロ目が一度も出なかったあの日から、微かに宿った生への執着・興味
「216分の215だ」
運命の始まり。
あの時ピンゾロさえ出ていたら、俺は矢張り勝機を、216分の1を目の前でみすみす逃す人間なのだと諦めがついたかもしれない。
そこには、ついていたはずの諦めが行き場を見失ってしまうほどの何かがあった。
果たして俺の今まで33年4ヶ月と1日は、ただ単に215の方だっただけではないか。
216分の"1の方"がまだ巡ってきていないだけということは無いだろうか。
確かめてみようじゃないか。
遠のく意識の中己の声がこだまする。
さあ張った張った!
捨てた人生は俺の運命は何色だ。
強運のゴールド血と欲を掻き立てる真赤それとも、塞いだ鈍色の地獄を見るか?
声を上げろ!脈を動かせ!己の持てる全てを賭けろ!
沸き立つ血が干からびても臓物が死んでしまっても、憎しみの生きる限り降りることなく賭けて、賭けろ!
狭い部屋に響く掠れた声・
「1の方、使っちまった」
切れたロープ・差し込む朝焼け・
運命の始まり。
旅行帰り、
荷物と疲労と明日へのヘイトで重たい体を持ち上げて、
駅の階段を登る時間。
スマホの画面を見ることも音楽に没頭することも急くこともない、存外貴重な45秒。歩くことだけに気持ちを向ける、45秒。
進め、進め、前に、前に。そう思っていないと立ち止まってしまいそうで、後ろに転げ落ちそうで、踏ん張って、登る。
辞めたい止まりたい進みたくない力を抜いて、転んでしまいたい。誰か受け止めてくれるんじゃないかな、落ちても死なないんじゃないかな、
でももし誰も受け止めてくれなかったら−
起き上がるのが面倒だな。
逡巡する思考、手のひらに食い込むビニル、内肘に痣を拵えるボストンバッグの重み。
帰らなきゃ、帰らなきゃ、生活を、しなくては。
明日はもう現実で、それが普通で、昨日までが特別だっただけ。それだけなのに如何して何がこんなに惜しい?居るべき場所、在るべきところに戻るだけなのにな。
考えるな、考えるな、進んで、帰って、もがいて、また進め。
一方で平日に家から駅へ、坂道を下る時もまた同じことを考えている。
全く逆の感情と共に。
軽やかに進む足、画面を見る手も、音楽を聴く余裕もあるけれど、どちらもしない90秒。信号までの、90秒。
進め、進め、軽快に!
1秒も無駄にしない1日だって無駄にしない、今日も前に、進んでゆくのだ。眩しい太陽も爽やかな風も自分の味方みたいで、足元なんか見なくたって平気で、歩幅はどんどん大きくなって、赤信号。
待つ人々が目に入り、我に返るまでのささやかな高揚。
考えるな、考えるな、進んで、楽しく、軽やかに、
進み続けろ。
休日の午前10時、
君の背中を眺めるのがいつしか僕の日課になっていた。
澄ました顔でパソコンに向かい、仕事のことを考える、ふりをして。
君は決まってアチチと言いながら、そっと席に着く。
そう、絶対に変わらない、毎日座ることが決まっている、指定席に収まるように。こぼさないよう、崩さないよう運べたことに満足した背中で、跳ねるように揺れたポニーテール。
湯気を顔に浴びる。前のめりに伸びる。
シナモンの香りを嗅ぐ。(もこもこにしたミルクの上にシナモンを振るのが、彼女のお気に入りだった)まるまる。コップを持ち上げればいいのに、とは思わない。伸びたり、丸まったりする背中が可愛いから。
上がっていた肩がストン、と落ちた。これはきっと目を閉じた笑みで、幸せを噛み締めている時の背中だ。はあ~、いい香り、今日も最高
僕の想像が君の声で再生されたところで、眼に映る本物の君が振り返る。
「ひと休みしよっか。」
僕はあたかも君の声で顔を上げたかのようにかぶりを振って、
「いいね、今日の豆は何かな」
笑顔で立ち上がる。僕より一足先に、香りを独り占めする君と、その背中を見て楽しむ僕。隠し事はなしだよ、例によって僕らもそんな約束を交わしたが、こればかりは言う訳にいかないな。ずっとこの先も続く秘密だ。
だって僕が見てると知ったら君は背を向けてくれなくなるでしょう?
「あっためてたって何も孵らないよ?
君のそれは無黄卵なんだ。」
そんなはずない!
僕はまた自分の叫び声で目を覚ました。
そんなはずないのに、何度も夢を見るんだ。
よりによって、君の声で。
なんとなく不安で買ってしまった雑誌。
表紙にはでかでかと「下半期占い特集」の文字。
“あなたはまだ、そのステージに立つ時ではないという忠告です。”
僕に?誰からの?神様からのだ。
神って誰だよと思わなくも無いが、誰もが様をつけて呼ぶあの人だよ、間違わないんだ。
そう。君の何百倍も正しい存在の、正しい言葉。
それなのに、どうしてこんなに薄っぺらく聞こえるんだろう。
うまく仕舞えないんだろう。
どの引き出しを開けても、君の言葉が出てくる。
何も孵らないよ。
違う。だって僕はこんなにも、持っている。
そりゃ僕だって、才能だなんて大それた、大きなものだとは思っていないよ。
だけどそれに準ずるもの-努力を継続できるだけの興味をさ、持っているんだ。こんなに沢山。
どれかに絞ることができないだけで。
形にするのが下手くそなだけで。
黄身が二つ入った卵も孵る事が出来ないと知ったのはその夜だった。
“無黄卵も、二黄卵も、孵りません。”
結末が同じなら何故二つも与えた?
何も無い方がマシだ。
違う。違う、僕は中身が空っぽの、何も持っていない奴とは違うんだ。持っているのに、持っているのに、持っていたって。
持っていたって、孵らないのだ。
君は知っていた?
知っていたのに、僕に温めるのをやめろと言った?
知っていたから、敢えて空だと嘘をついた?
辞められるわけないじゃないか、だって中身があるってわかってるんだ。
誰か、誰でもいいから、早く踏み潰してくれぐしゃぐしゃに、壊してそして、
そしたら僕は、
「悲しかったけど、仕方がないんだ。」
眉を下げたフリをして、辞めることができる。
あったかくて、
優しい感じがするんだよ、君は。
どうしてかな数年前まで逆だったのにな。
今となっては僕が、君なしじゃあとても生きていけないんだ。
いつだったかな、君が泣いていたのは。
え?2人でいるときに泣いたことなんかないって?そうだったかな。
僕は、少しばかり。ほんの少しばかり君との記憶を、扇情的に作り変えているかもしれない。
ほんの少しだよ。
とにかく、君はいつだって泣きそうな顔をしていたよ。これは本当。
でもね、こっちを向くと笑うんだ。僕のつまらない冗談、大げさなリアクション、叶わない夢の話。そんなのを、心から楽しんでくれる、唯一の君。
あれはさ、コンビニだけがやけに明るい田舎道だったね。どこだっけ?
そうだ。君の地元に帰った時だよ。そうそう、僕も今ではね、あそこには「帰る」を使うんだよ。知ってた?
たくさん光る星に、カエルとコオロギの声。蛍はいなかったけれど、「あー、田舎だ」って感動してたんだ。それなのに君ったらさ、僕が興奮気味に指差した南の空、赤い赤いアンタレスを「うちのベランダからも見える」って言うんだ。ひどい話だろ?あれから何度も探しているけど、僕には見つけられないよ。都会の空に蠍座。
僕一人では、何も見つけることができないんだ。
裏地の刺繍、一輪だけ山に咲く椿、たった今踏みつけたタイルの模様。
「今日の太陽は、昨日より少し優しいね。」
いい日だ、なんて笑いながら言うんだ。悪い日は怒りながら言う。
ねえ今日は?今日はどんな日?僕は、僕が、僕という存在が、この世界から消えてしまうのにふさわしい日だろうか?
ごめんね、僕一人では、何も見つけることができないんだ。
何度も言うようだけどさ、
後悔のないふりをするな。
お前の人生は後悔している時間が長すぎるくせにその後悔に蓋をする。
だからまた、同じ後悔をする。
前を向くのが上手だとか、落ち着いているだとか、そんな言葉に惑わされるなよ?
お前の後悔はお前にしか成仏してやれないのだから。
カラン、
夏に飲むアイスコーヒーが好きだ。
氷とガラスの立てる音が小気味好く、涼しい。
気がついたらグラスが汗をかいているのもまた良い。
時の流れをゆっくりになる、特別な時間。
ブラックは、目の覚めるような苦味と冷たさを楽しんだ後、
水で薄まったものを少しずつ飲む。
ラテは、あえて混ぜすぎず色の変化を楽しむのが良い。
スポーツは、人格を作り出すのではないさらけ出すのだ
この言葉が本当なのだとしたら、私はえらく小心者であることが証明された13年間だっただろう。
前向きなふりをするのが上手で、ちょうど良い努力も巧い。
どこかで気がついていながら、見て見ぬ振りをして。
しまいには、そうすることで自分自身を傷つくことに気がつきながらも、見て見ぬ振りを貫いた、
ある意味筋金入りの小心者だ。
ただ、演じている時間だけは正真正銘に
真っ直ぐに
楽しかったなあ。
優しいとか優しくないじゃなくて
あなたは、長男が死んだ時次男の気持ちを気遣ってやれない親になるだろうか。親友の窮地に、恋人のことを考えるだろうか。恋人の葬式で、家族に気を遣うだろうか。
気遣えなくて、当然だと思う。
否、他を気遣えないくらい一人に気持ちを向けて、集中できる方が余程誠実で美しいなあと思う。
世界で二番目に大切な人が死んだ瞬間、
真っ先に頭に浮かんだのは
「大人が本当に悲しい時は、こんな風に口を開けて、こんな声を出して泣くんだ。覚えておこう、」
ということだった。
次に浮かんだのは、
「この人とこの人は本当に悲しそうだけどあの人の感情は悲しみではなく戸惑いだな、あの人はきっと悲しいふり。じゃあ私はどう見えているだろう、」
ということだった。
誰しも、こんなもんなのかもしれない。
だけど、自分が怖かった。
ただシンプルに、悲しいなあと思えるようになったのはごく最近のことで、2年もかかった。
電話越しにもう無理だと泣く友人の声に同調しながら、親友と楽しい休みの計画をたて、嘘っぱちの前向きが詰まった志望動機を打ち込むのはおかしいだろうか。
私にとっては、とてもおかしいことなのだ。感情が一つじゃないのはとても、とてもおかしくて気持ちの悪くて、ひどく疲れることなのだ。
弁財天ってね、やきもち妬きなんだよ
ふーん、そうなんだ。知らなかった。
きょろきょろと視線を動かし気持ち半分に聞いている私を嗜めるでもなく、
不快に思うでもなく。
楽しそうに話しかけてくれる君が好きだ。
しかも君の話す内容はいつもカラフルで、コロコロしている、
弁財天ってなんだっけな
そう考えているうちにもう話題は森鴎外の生家に移っていた。
いや、半生だったかな?
とにかく君の声は、いつも光に満ちている。
ふかふかのオムライスに目を奪われていた私は、君の声がしなくなったことを怪訝に思う。
どうしたんだろう、と視線を向けると
「またいつもの、幸せそうな顔してるなと思って。美味しいものを前にした時の。」
そんなに顔に出ていたのか。
1人前というのはどうにも私には量が多くて、食事が格闘に変わる頃
「ねえもうお腹いっぱいでしょ。お腹いっぱいの時の顔してるよ。」
また君がそう言うんだ。
びっくりしたよ、どうしてわかったんだい?
私いつもそんな顔していたかな、
この心地の良い時間のことを、なんと呼べばいいのだろうね。
切れ端に似合わないくらい大きく口を開けて一口。
フォークまるごと飲み込んで、綺麗になめとる。
どこでもない一点に視線を集中させて。例えば、向かいのマンションの蛍光灯とか。
舌に冷たい食感を楽しみながら、ふんわり潰して、多少のサクサク感を噛み砕く。
余韻は、目を閉じて。全部溶けて喉元へ消えた頃目を開けるのだ。
うまい。
多分薄茶色なのだろうけど、ここの照明だとコップの中のそれは紫色に見えるんだ。酸っぱそうな色、木苺やブドウの色。
そんなことを思いながら飲む、珈琲も一緒にいかが?
何者
なんてタイトルの映画。
2年と4ヶ月前の記憶。
たった2時間他人が作った偽物の感情を傍観するだけの体験に過ぎないわけだが、私にとっては結構、かなり、人生の分岐点だったように思う。
薄々気が付いていたものをはっきりと自覚したり、見たくない未来を見て決心がついたようなそんな体験だった。
「もっとカッコ悪く生きたいと思った。間に合うかな、まだ間に合うかな。」
当時映画を観た直後の感想である。
実は今、再びこの感情に戻ってきたのでこんな懐古をしたためている。
−誰かにとっての自分の価値って、自分で決めるものではないじゃない、
相手が決めるもので、私はそれに対して文句を言う権利はなくて。
そうやって生きているとついつい忘れてしまいそうになるのだけれど
実際のところ忘れていたのだけれど、
自分が「何者か」は自分で決めなければならない。それは流動するものだし、収束しないものだけれど、それでもはっきりと言葉にできる者でなければならない。
さあ、今再び覚悟を決めるときである。
私は何者か?何者になりたいのか?
どんなにダサくても今の自分を、未来の自分を名乗れる人でありたい。