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八街の長小屋
「サンプリングとリレーとギャップ」
本計画は既存オフィスに店舗+倉庫を木造平屋で増築を行ったものです。周囲はゆったりと建つ戸建て住宅街であり周囲の環境や既存建物、また背景には切妻型のビニルハウスが建っている立地でした。そこで周囲の環境や既存建物の要素を抽出し、計画案に少しずつ要素をずらしながら取り込んでいく手法と採用しました。周囲に馴染んだ計画としながらも、新たな存在感の創出を目指しています。
周囲の家形の形態、横梁のガルバリウム鋼板のサイディング、白色やYR系の色彩の参照しながらも少しずつその形を変化させながら本計画の建物に適用していきました。
内部空間は店舗であり、倉庫も併設する空間のフレキシビリティーを上げるための無柱空間を作るためトラスを採用 しています。いわゆる線対象ではなく、シザース+非対称の力学的バランスで部材断面を絞ることで躯体コストを抑えながら空間全体のバランスを整えています。
外壁の色や高さの押さえられた軒の高さと、室内のYR系の白色やトラスが生み出す高い天井高さが内外のギャップを生み出し、より開放的でゆったりと店舗空間を体験できるように計画をしています。
コストの問題から既製品かつ限られたパーツ数に絞りながら、各パーツの構成を敢えて均質に保つことで生まれる整理された形状は、周囲の戸建てとのギャップを生み前述した新たな存在感の創出効果を増大させる結果となりました。
調和とギャップの両側面を持つ本建築が町の仲間入りを果たしました。これから営業中は賑やかに、普段でもそっとその存在をやんわりと主張し、店舗の存在感を放ち続けることを願っています。
写真撮影:松崎直人
Rの家の調律
「空間を調律する」
本計画はいわゆる千葉の郊外に建つ一般的な古い戸建住宅の内装改修です。現場を拝見させていただいた時に古い戸建住宅特有の小割のプランと低い天井高さが暗い空間を生み出していました。また、この住宅にお住まいになれるのはお施主さんのお母様で、一人で住まわれることが前提でした。健康上の理由もあり、日々の暮らしの大半を家の中で過ごされています。そこで「暗い・低い=気分の上がらない空間」に対して「空間のコントラストを整える」をコンセプトに、スケール感の強弱、新旧素材の対比、細やかな色彩計画を調整することで場所ごとのキャラクターを際立たせ、光やスケールの変化が生み出す、居住の楽しさを感じていただける住まいを目指し、日常の暮らしを少しでも楽しんでいただける計画を目指しました。
玄関と廊下の空間はこの住宅の目指す調律の方向性を示唆させる場所であり、各場所へのアクセスの起点となる場所のため、極力ニュートラルな色彩計画とスケール操作に終始しています。1階に壁を撤去し、広々とした一室空間へプランを変更しつつ、白色の壁を基本としながら、既存木軸との対比を意識した開放的で明るい空間とし、昼間の活動を明るくのびのびと過ごしてもらえる空間を試行しました。階段を上がるとワークスペースが広がっていて、作業や仕事の集中力を高められる場所となるようグレー色を基調色とした色彩計画としています。隣接する寝室はベージュ色の空間で家の中で床に近い居住域の場所になるため、天井高さも低く抑えて落ち着ちつきのある場所としています。
今回の計画では特別なことはしていません。厳しいコストコントロールや施工性のために、既製品も積極的に活用しています。コンセプトの言葉の通り、空間のコントラストを整えることに注力しながら、暮らしの中の場面に合うキャラクターを与え、暮らしの場面転換が居住する楽しさを生み出しています。その設計操作は「改修」という大げさなものではなく、住まいの空間を「調律」したという表現が適切なのではないかと考えています。
写真撮影:松崎直人
栄町のパン屋
「未完成を完成させる」
東村山市栄町にあるパン屋の内装デザインの計画です。施主はインテリアやファッションに対する感性が高い若い夫婦であった。要望はシンプルで白色とコンクリートの質感を生かした空間がほしい、工事コストは極力低く抑えたいと言った内容でした。パン屋は厨房機器の一つ一つが大きく、多種多様な機器が必要なため、厨房面積がテナント面積の大部分を締める。販売部分の面積は少ないが天井高さは躯体の表しにより約3.5mとなっていました。
そこでこの残り僅かな空間に施した操作は2つ、開放的な高さ方向の空間は活かしつつ、天井レベルを操作し、スケールチューニングを行うこと、お店がオープンしてからも施主の感性を簡単に拡張していくことができる仕掛けを施すことです。
格子の天井をCH2.5mのレベルに設定し、スケールのチューニングと高さ方向の開放感の両立を図った。格子天井は同時にドライフラワーやオブジェを吊るして販売空間を季節や好みに応じて編集できるようにしています。また壁には有孔ボードを設置し、棚やフライヤー置場の増設など気軽に店舗インテリアの拡張が可能である。各種の仕上げについて、白色の塗装壁、既存コンクリート躯体、杉の無垢材、シナ合板、ラワン合板を用いて、全体の色調をチューニングしながら、丁寧にあるべき場所を導きレイアウトすることで、無機性と暖かみを内包した店舗空間を生み出しています。
施主の要望、限られた工事コストを突き詰めて、デザインした空間を体験すると、そこには調律された未完成の空間が表れていました。この未完成の空間は施主たちの感性を刺激していくことでしょう。この空間が施主たちによって永遠に、アップグレードされ続けていくことを切に願います。
写真撮影:松崎直人
東村山の小さな家
「ローコスト住宅の先に見える心地よい家族の距離感、まちとの距離感」
この住宅はプロデューサーであり、設計者である飯塚の自邸です。
設計事務所勤務の人間はお金に余裕はない。しかし、不動産や住宅を提供していながら、自身が所有していない矛盾に常々疑問を感じていました。そんな日々を過ごしながら、ある土地を地元東村山市に見つけ、試しに予算組をしてみると、坪単価60万を切ることで何とか手が届きそうな収支計画が見えてきました。
そこで住宅を設計していくにあたり、とにかく無駄なものは作らない。そんな中で生み出されたのが、平面方向には仕切りを作らないワンルームをベースとした空間構成でした。間仕切りだけでなく、明確な玄関を作らず、主採光面である南に面する開口部に土間空間を設けた結果、民家のような入り口が出来上がりました。
またただのワンルームではなく、高さ方向で場所ごとの特徴を作りました。吹き抜けのある階段、木部が露出している天井、高さが変化する勾配天井、子どもがワクワクするロフトなど、8種の天井高さと3種類の天井仕上げが各場所のエリア性を生み出しています。
コストをかけられない状況が、常に家族の声を感じる暮らしを生み出し、まちに開かれた土間空間には近所の人が立ち寄り、世間話やおすそ分けが行われ、小さなコミュニティが育まれています。
今後この住宅に住みながら、ガレージセールをしたり、ギャラリーとして家を開放してみたりと色々暮らしや使い方の幅を広げていこうと考えています。
ローコスト住宅が仲の良い家族を生み出し、まちに楽しさを与える、そんな新しい住宅像を今後も示していければと考えています。
写真撮影:松崎直人
media掲載情報
日本テレビ:stories あなたのライフを探す家に出演いたしました
無印良品: 新生活 2021わたしの、くらし。の事例集に掲載されました
aeccafe:東村山の小さな家を掲載いただきました
archello:東村山の小さな家を掲載いただきました
archello:栄町のパン屋を掲載いただきました
dwell:東村山の小さな家を掲載いただきました
leibal:東村山の小さな家を掲載いただきました
roomie:家のこと考え始めました。にインタビューが掲載されました
roomie:みんなの部屋に東村山の小さな家を掲載いただきました
roomie:RENOVATION STORYに栄町のパン屋を掲載いただきました
ムライエについて
東村山生まれ、東村山育ちの建築家飯塚です 自分の家を東村山に建てたことをきっかけに、東村山にもっと素直でおしゃれな家が増えればまちはもっと楽しくなると思い、プロジェクト初めました。 東村山市やその近郊での家づくりや店舗づくり、新築、リノベーションに限らず、情報発信や依頼受付してます。興味のある方は覗いてもらえれば幸いです
皆さまの家づくりやお店作りの一助になればと思っております。
ムライエ代表
飯塚 啓吾
一級建築士
所属:株式会社 山設計工房
教職:東京デザイン専門学校非常勤講師
経歴
平成21年3月
株式会社D&D COMPANY 入社
平成21年10月
同社退社
平成21年11月
パシフィックコンサルタンツ株式会社入社
平成24年4月
同社退社
平成24年5月
株式会社 山設計工房入社
平成27年1月
同社設計部長就任
平成28年4月
東京デザイン専門学校非常勤講師着任
平成29年7月
ムライエプロジェクトスタート
連絡先
TELL :080-4405-6001
EMAIL :[email protected]