http://nonbiritona.sumomo.ne.jp/paku_archives/3paku/09/member/001-2otakara/nankai/01-kemonomiti-01.html
第一章 嵐の夜
真紅の太陽が遥か彼方の海を染めて沈もうとしている。
鳥も通わぬと言われる南海の孤島が、一日の中で一番美しい時を刻んでいる。
その気になれば楽園と思われる島の生活も、色々な理由から殆どの者が島を離れ、今では俺達の家族と島の反対側に漁師が一人住んでいるだけである。
そろそろ親父が山から下りてくる時間だ。
きょうは炭の釜出しだと言っていたので、親父の全身は灰で真っ黒に汚れているだろう。
俺は庭先に盥を据え、その中に日向水を入れて親父の帰りを待つことにした。
西の尾根に目を凝らしていると、やがて親父が西日を背にして姿をあらわした。
沈む太陽から幾筋にも延びた残照が、まるで後光のように親父の背後から光り輝き、みごとな逆三角形の体型を浮かび上がらせている。
冬でも暖かく、まして訪れる人とて殆どない島の生活では、俺も親父も上着を羽織る必要もなく褌一丁で生活している。
親父は蛸壺漁の名人と言われていたが、五年前にオフクロが死ぬと同時に丘に上がり、祖父に教えてもらいながら炭焼き職人になって俺を育ててくれている。
これといった特産物のない離れ小島であるが、辛うじて島全体に自生する馬目樫が良質の炭として本土で珍重されている。
厳しかった祖父も二年前に亡くなり、今では親父と俺の二人暮らしである。
案の定、庭先に下り立った親父の全身は灰で真っ黒に汚れていた。
親父は盥を見ると、無造作に褌を脱いで俺に投げて寄越し、日向水を頭から勢い良く浴びた。
日向水が親父の背中の真っ黒い灰を洗い流すにつれ、赤銅色の肌が艶めかしい輝きを帯びてきた。
贅肉のない引き締まった親父の全身は、息子の俺が見ても惚れ惚れするほどの逞しさを覚える。
しばらく親父の後ろ姿に見惚れていた俺は我に返り、手にした親父の褌を洗うために裏の台所に回った。
褌といっても高価な木綿とは違い、芭蕉で作った粗末な代物で、芭蕉布の荒い織り目を透かして中身は殆ど丸見えだった。
手にした褌に目を凝らすと、織り目に一筋の陰毛が絡み付いていた。
親父は俺と違って毛深い質で、股間から盛り上がった胸の谷間まで剛毛が密生している。
その剛毛に覆われた股間には、重量のあるデカ魔羅が垂れ下がっている。
これも俺と違って雁首が完全に剥けきっており、山鳥の卵を思わせるほど大きい。
薄皮に包まれた俺の魔羅を見るたびに、はやく親父のように大きくならないものかと願っていたが、去年の夏の一夜を境にして徐々に薄皮が剥け始め、今では親父のデカ魔羅に少しは似てきたように思う。
去年の夏の一夜、その夜は台風の襲来で大粒の雨と風が雨戸を激しく打ち付けていた。
親父は仕事もなく昼過ぎから飲みつづけたドブロクのために珍しく饒舌だった。
そんな姿に安心した俺は、日頃から不安に思っていたことを親父にぶつけてみた。
「俺も18歳になったが、いっこうに皮も剥けずに雁首も大きくならない」
俺は褌の脇から魔羅を取り出して見せた。
最初の内こそ苦笑しながら眺めていた親父も、俺の真剣な眼差しを覗き込むと、やがて思案する顔になり、暫く考え込んだ末に言った。
「俺のセンズリの仕方を覚えておけ」
言うが早いか、親父は褌を脱ぎながら立ち上がった。
祖父と母親が亡くなって以来、この家には男二人しかいない気安さもあり、互いの魔羅を曝け出すには全くといっていいほど抵抗がなくなっている。
現に褌の脇から突き出た親父の朝勃ち魔羅を幾度となく目にしているし、俺の朝勃ち魔羅も親父に見られていることは十分承知している。
死んだオフクロのことでも思い浮かべているのであろう。
親父は目を閉じると、魔羅を俺の目の前に突き出しながら厳つい手で扱き始めた。
それは俺のセンズリとは違って、左手で竿の皮を根元に寄せ集めて締め上げ、タップリと唾を擦り付けた右手で雁首を中心に擦っている。
その内、鈴口から溢れ出した先走りを雁首に塗り付け、逆手にした右手で輪を作り、雁首を押し出すように扱き始めた。
親父が目を閉じているのを幸い、俺は親父の魔羅に顔を近づけ、じっくりと観察した。
赤松を思わせる太い竿には蔦のように血管が絡み付き、赤黒く充血した雁首は茹で蛸の頭を思わせ、その蛸の頭を親父の厳つい指の輪が激しく前後に擦っている。
「こうすると雁の鰓が大きくなるし、女を悦ばせるようにもなる。お前もやってみろ」
酒臭い息を吐きながら、やや上ずった声で親父が俺に言い聞かした。
確かに親父の鰓は大きく反り返っており、雁首全体が鉄兜を思わせる。
その言葉に促されて俺も立ち上がると、親父と同じようにセンズリを始めた。
すでに俺の魔羅は痛いほど勃起しており、先走りで雁首はビッショリと濡れているものの、右手で鰓を擦るたびに強烈な痛みに襲われる。
眉を顰める俺と違って、親父は段々と恍惚の表情になり、口を半開きにして喘ぎ始めた。
その鼻に掛かった親父の喘ぎ声を、俺は夜の闇の中で幾度となく聞いたことがある。
この喘ぎ声が親父の口から漏れ始めると、そろそろ絶頂が近いことも承知している。
俺はセンズリの手を止め、親父の魔羅に注目した。
やがて親父の右手が一段と激しくなったかと思うと、親父は小さな呻き声を漏らしながら夥しい量の淫汁を撒き散らした。
さすがに俺のように勢い良く飛びはしなかったものの、親父の足元に飛び散った淫汁は、卓袱台の上にあるドブロクのように濁りきっており、部屋中に濃厚な匂いを漂わせた。
その匂いと親父の発する酒臭い息を嗅いだ俺は、まるでドブロクを飲んだように頭の芯が痺れた。
呆然と立ち尽くす俺を見て、親父が俺の魔羅に手を伸ばしてきた。
一瞬たじろいだ俺は腰を引いたが、親父の厳つい手に捕まれた魔羅は逃れる術もなく、淫汁の纏わり付いた親父の手によって手荒く擦られ始めた。
「痛い」その激しい擦り方に、瞬時に音を上げた。
すると、親父は俺の足元に膝をつき、ゆっくりと優しく雁首を包み込むように撫でてくれた。
やがて俺はくすぐったいような小便の出そうな変な気分になってきた。
その旨を親父に告げると、親父は「まだ、いくな」と言いながら、俺に寝るよう促した。
親父の指が金玉から竿に掛けての裏側をゆっくりと撫で回す。
時折、その指が止まるので、恐る恐る目を開けて見ると、親父は俺の魔羅に顔を近づけ、雁首の大きさや金玉の重さを量るように観察していた。
親父に見られているという羞恥心で、俺の頭は一層朦朧となった。
親父の指が俺の先走りで滑らかな動きを繰り返すたびに、食いしばった歯の間から情けないことに呻き声が出てしまう。
そんな俺を見て親父は「構うことない。声を出しても良いぞ」優しく諭してくれた。
その言葉に促され、俺は躊躇うことなく悲鳴に近い泣き声を上げた。
またしても親父は雁首を中心に優しく激しく擦る。
親父の指の動きに合わせて、俺は鼻声になったり、泣き声になったりと正直に反応を示した。
やがて股の付け根が蝋燭の炎で炙られたように熱くなり、朦朧とする意識の中で絶頂の近いことが分かった。
半身を起こして親父に「いく」と言うが早いか、その頃合いを待っていたかのように、親父が俺の焼け爛れた魔羅を咥え込んだ。
その瞬間、俺の魔羅が今までに経験したこともない、熱くて柔らかい感触に包まれた。
親父の口の中に出してはいけないと躊躇したのも束の間、激しい奔流を止める術もなく、不覚にも親父の口の中に幾度となく淫汁を粗相してしまった。
俺の淫汁を口で受け止めた親父は別に怒る素振りも見せず、そのまま台所に立って行き嗽をしている。
虚脱感に襲われながらも褌を締め直し、卓袱台のドブロクを口にした。
親父も褌を締め直しながら卓袱台の向かいに座り、残りのドブロクを煽りながら俺に聞いてきた。
「どうだった」親父はセンズリの仕方について聞いたつもりだが、
勘違いした俺は「口に含まれた時が気持ち良かった」と答えてしまった。
親父は苦笑を浮かべながら「どんなに良かったか」と更に聞いてきた。
まるで蛸壺の中にチンポを入れたような気分だったと素直に答えた。
親父が獲ってきた蛸壺に興味半分で指を入れた時、蛸の足がピッタリと絡みついた感触を思い出したからだ。
俺の正直な感想に親父は高笑いをした。
ひとしきり笑った後で、親父は妙に真剣な表情になり、
「蛸壺のようなものは口以外にもあるぞ」と言ったものの、それがどこにあるかまでは詳しく教えてくれなかった。
その夜以来、俺は親父のようなセンズリを心がけるようになった。

















