『語らない』
コトバは感情を軽くする。
軽くなれば楽になる。
軽くなれば雑になる。
どちらにせよ。
今ここに、コトバはいらない。

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@rubyjewel722
『語らない』
コトバは感情を軽くする。
軽くなれば楽になる。
軽くなれば雑になる。
どちらにせよ。
今ここに、コトバはいらない。
夜の同じ町
月光色に染まった黒目の、一等丸みのあるところへ着陸した、探査船で船長がぎらり、ナイフを引き抜いた今より、見える世間は三日月夜だ。
とっぷり開いた傷口の中に、国境を持てない町が生まれて、やたら真夜中の静けさ。木々の指先から、坊主頭のように果物が下がり、月からの風に当たって上下している。
みんな朝のない町に取り残されている。ここの空には、同じ言葉しか昇らない。見るだけの夢を買うために、同じ思い出話を何度か売っている。
染まった黒目の中に、見える世間を囲って、いつまでも今で釣り合いを取っている。過去が地続きで、明くる日が変わらない、夜の同じ町だ。きみの船長は誰だったのかしら。でも、もう変わらない、いま、夜の同じ町だ。
卯の花通り
行き止まる路地の、凍えに生気を取られて、亡き骸《がら》の、弥生《やよい》の月からマフラーを掠《かす》め、卯《う》の花通りへ出る。
あたらしい月日。ステップはハミング。何周か目の、続きものの軽さで、だから地に足なんてつけない。わたしらは、私たちの過去で為損《しそん》じたことの覆轍《ふくてつ》を踏まぬよう、続きのハミング、土踏まずで宙を羽ばたくように行く。
不出来な体験にはピンを刺し、カレンダーの、過ぎた日付に留《と》めてしまう。思いを煩《わずら》うような過去なら、思いのまま過去にしてやろう。旧家の壁で、思い出として正しく独立させてやろう。
そうしてまたもう一回。何度目かの新しき亡き骸、弥生の月からマフラーを掠め、卯の花色に光って見える大通りへ出ていく。この見える通りは言葉に結んで、ただ鈴のように鳴らせ。
運命の赤い糸
#庭あさひ
☔︎ https://www.instagram.com/p/B702JtzjFUe/?igshid=y2az162g0ydj
勤務仕事で事務用品を買いにいく途中の月。スマホで一枚。
それにしても今日は風の冷たい一日でした。
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運命の赤い糸
#庭あさひ
卯の花通り
行き止まる路地の、凍えに生気を取られて、亡き骸《がら》の、弥生《やよい》の月からマフラーを掠《かす》め、卯《う》の花通りへ出る。
あたらしい月日。ステップはハミング。何周か目の、続きものの軽さで、だから地に足なんてつけない。わたしらは、私たちの過去で為損《しそん》じたことの覆轍《ふくてつ》を踏まぬよう、続きのハミング、土踏まずで宙を羽ばたくように行く。
不出来な体験にはピンを刺し、カレンダーの、過ぎた日付に留《と》めてしまう。思いを煩《わずら》うような過去なら、思いのまま過去にしてやろう。旧家の壁で、思い出として正しく独立させてやろう。
そうしてまたもう一回。何度目かの新しき亡き骸、弥生の月からマフラーを掠め、卯の花色に光って見える大通りへ出ていく。この見える通りは言葉に結んで、ただ鈴のように鳴らせ。
夜の同じ町
月光色に染まった黒目の、一等丸みのあるところへ着陸した、探査船で船長がぎらり、ナイフを引き抜いた今より、見える世間は三日月夜だ。
とっぷり開いた傷口の中に、国境を持てない町が生まれて、やたら真夜中の静けさ。木々の指先から、坊主頭のように果物が下がり、月からの風に当たって上下している。
みんな朝のない町に取り残されている。ここの空には、同じ言葉しか昇らない。見るだけの夢を買うために、同じ思い出話を何度か売っている。
染まった黒目の中に、見える世間を囲って、いつまでも今で釣り合いを取っている。過去が地続きで、明くる日が変わらない、夜の同じ町だ。きみの船長は誰だったのかしら。でも、もう変わらない、いま、夜の同じ町だ。
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