Photography by Herbie Yamaguchi
こんばんは。
9月になりましたね。
コロナがまだまだ大変な状況ですが、お元気でしょうか?
私は、元気です。
でも怒涛の、本当に怒涛の1年でした。
みなさんもコロナ禍の中、大変なこと、気づいたこと、変わったこと、変わらない思いや大切なこと、”考える1年”だったのではないでしょうか?
こうやって文章を書くのもすごく久しぶりなので、ちょっと緊張しますが、私が今、思っていることをここに書きたいと思います。
久しぶりにハービー・山口さんに、写真を撮っていただきました。
昨年の夏、『わたしたちのロミオとジュリエット2020』の撮影から1年。今回はほとんど何も決めず、白黒の写真と、赤い服を着たいです、とだけ伝えていました。
ある映画の主人公が、赤い服を着てたくましく生きていく姿が好きで、私もパワーのある赤い、新しいエネルギーが欲しかった。
この1年、クリエイティブなことから離れていたので、”また戻ってきたい”、“色々なことを経験しながら、乗り越えてきた今の自分が写っているといいな”、と思いながらの撮影でした。
でも、ハービーさんは、そんな私の想いを、びゅんと飛び越える、とても素敵な写真を撮ってくれました。
この撮影の時に使用されたレンズ、なんと90年前のライカのレンズだそうです。写真館のような雰囲気。出来上がった写真を見て、とても嬉しかったです。たくさんの想像力もつまってます。
ハービーさんに撮影でお会いすると、いつも新しいカメラやレンズを使って撮影されている気がします。その探究心や、好奇心、勉強される姿勢に、毎回刺激を受けます。
毎日の生活も、仕事も、人間関係も、つまずいたり失敗したり、傷つくことも、すべて、人生は勉強ですね。
『わたしたちのロミオとジュリエット2020』の作品が完成してからも、色々と作品を作りたかったのですが、その後は、介護や他の仕事に追われる日々でした。
コロナ禍なので完全に面会禁止だったのですが、病院では人手が足りない状況で、またリクエストが多い方だったので、ホームや病院から「さおりさん、来てください」とよく連絡がありました。
特に夜間の看護師さんは少ない人数の中で、命や病状を確認しなくてはなりません。その負担は計り知れません。ナースコールをずっと鳴らしてしまう方だったので、夜中に連絡があり、タクシーで向かうこともありました。
2週間くらい病院で寝泊まりすることもありました。同年代の看護師さんもたくさんいて、色々な話をしました。そして、その働く姿に、色々なことを思いました。
病気の患者さんと、コロナの患者さん、救急で運ばれてくる患者さん。命を助けることはもちろん、様々な選択もしなければなりません。
時には患者さんからきつく当たられたり、理不尽なことがあったとしても、冷静に最善を尽くす姿には、本当に感謝しかありません。
コロナの1日も早い収束を、心から願います。
医療従事者の方はもちろん、介護を通して、介護をする人を支える環境も大切だなと思いました。幸い私は、家族や友人、あたたかい周りの人達に助けられましたが、一人で抱え込んでしまっている人は本当に大変だと思います。
いつか来るものが、いきなり来ることもあります。
親の介護、ご兄弟、ご友人の介抱など、今までも、これからも、みなさんもおそらく経験されるのではないでしょうか。
漠然と考えていたものが、いきなり目の前の、現実になる。
今までの生活がガラッと変わり、介護中心の生活に変わります。
経験した人にしか分からないかもしれませんが、人に相談しづらかったり、役割分担ができなかったり、家族だからこそ大変だったり・・色々な悩みが出てきます。
そして、介護する方もされる方も、思いやりが大切だと思います。
親しき仲にも礼儀あり、です。お互いへの感謝の気持ち。
私も時々相談を受けることがありますが、思いやりの心を保てるように、助け合える環境、リフレッシュできる環境を作ることが大事だと思います。
人生の中で、みんな順番に通る道だと思うので、たくましく、優しく、支え合って生きていきたいですね。
私の人生は、昔から出会いと不思議な巡り合わせの連続です。
昔からびっくりするような、大きな出来事が起こります。
人生を変えてしまうような大きな提案や、お願いが多いのです。
ありがたいお話ですが、その分大変なことも多く人生も変わってしまうので、「どうして私なんだろう?」と思うこともありました。
色々なエピソードがありますが・・
1番不思議だったのは、6、7年前に出会った70代の女性です。
引越しで部屋の契約をする時に、不動産会社で出会いました。
初対面だったのですが、契約書を説明されながら、何度も「あなた、法律向いてるわ。不動産向いてるわ。」と言うのです。
家の契約をしに来ている私の頭の中は「?」がいっぱいです。
「この方は何を言っているんだろう・・?」
契約が無事に終わると、「勉強するなら学校に通った方がいいわよ。とにかく必ず一度連絡くださいね。」と不動産会社の名刺の裏に、ご自分の携帯とメールアドレスを書いた名刺を渡され、お店の外でも念を押されました。
初めて会ったので、その方は私のことを何も知りません。
「これは・・どういう意味なんだろう?」
不思議と、その日から、彼女の言葉が頭から離れません。
たしかに私は、それまで、法律やお金について疎く、世の中の、生きていく上での一般常識についても知らないことだらけでした。
いわゆる世間知らずです。
お芝居の仕事でも契約書は大切です。自分で読んで理解し、違うと思ったことは改善した方がいい。これは良い機会かもしれない。
結局私はその女性に連絡し、喫茶店でお会いすることにしました。
うまく言えませんが、何か、良い予感がしたのです。
お会いした彼女は、お洒落なワンピースを着ていました。
そして、自分の人生について私に話し始めました。
音楽の仕事をしていること、時間が空いた時に勉強を始めたこと。勉強は大変だったけれど、両方のバランスがうまくいき、人生がすごく良い方向に向かったこと。
「自分が人生において良かったこと、あなたにもすすめたくて。」
びっくりしました。人生には、こういう出会いもあるのですね。
彼女にすすめられた通り、私は半年ほど学校に通いました。重い教科書をリュックに詰め、運動と節約のために自転車で30分かけて。最初は授業もパッパラパーです。通いながら「この状況はなんなんだろう?」と何度も思いました。でも教科書を読むことさえ大変だったのが、どうにか一般知識を学び、理解することができるようになりました。
そして、モノを見る視点、視野が少し広くなった気がします。
今まで関わりのなかった業種の方とも出会えました。力強い味方です。どういうわけか、あまり周りにお話していないのに、そういった相談や仕事を受けるようにもなりました。ここ半年は、お願いされた仕事のための、新たな勉強時間でもありました。
人生は、不思議です。
この1年を通して、今まで自分が出会ってきた人たちや、やってきた仕事、色々なことを思い出しました。
そして、大変だったことすべてが、経験として役に立っていると思いました。
その時は混乱していた点と点が線になる。
すべて、繋がっているのだと思います。
コロナ禍で、長年の仕事を変えなくてはいけなくなった方もいると思います。でも、嫌だなと思って始めたことが、ある日、ふと役立つ日が来るかもしれません。予定も立てづらい状況ですが、”今、できることをコツコツと”。きっといつか、花開きます。
コロナの影響もあり、世の中も少しギスギスしている気がします。
時には、意地悪な人や、思いやりのない人に遭遇することもあると思います。
もちろん、その時は嫌な思いをしますが、そういう人は他の人にも同じようなことをしています。ある時、何倍にもなってその人に跳ね返ってきます。自分がした行為や言った言葉は、必ず返ってくる。みんな、見てるんだと思います。
困った時や、有事の時に、真の人間性が表れます。
この大変な時だからこそ、相手を思いやりたい。
今は、大事な友達でも会えない状況です。
でもオンラインや電話でも、会話できると嬉しいですよね。
私も、ずっとお休みしていた、オンラインの韓国語レッスンとギリシャ神話講座、また再開したいと思います。
この1年、落ち込んだり大変な状況でも、映画を観たり、音楽を聴くことで、私自身救われてきました。私にとってクリエイティブやエンターテイメントは、生きていく上で、エネルギーをもらえるものです。
画面上の、舞台上の、音楽上の、その人が喜んだり、怒ったり、悲しんだり、困難を乗り越えたり、立ち向かう姿に、心揺さぶられます。人生を、一生懸命生きる、その姿に、勇気をもらえます。
私もその一片になれるように、今までの経験を生かしながら、様々な形で関わっていきたいと思います。
色々な人や仕事に出会いながら、真ん中にはクリエイティブを。
私の不思議な出会いや巡り合わせを、
このコメディーのような人生を、私自身が、まず楽しもう。
そして、絶えず、学び、吸収すること。好奇心を大切に。
人生は、勉強ですね。
まずは、みなさん健康第一で。
心に栄養を。そして元気に再会しましょう。
これからも、よろしくお願い致します。
2021.9 今村沙緒里