6月の撮影後記です。今回は、釧路湿原を行く釧網本線です。
昨年は、中学生から高校生の頃を過ごした釧路地方へ久しぶりに帰る機会があり、何カ所かで撮影を楽しんできました。
釧網本線は変化に富んだロケーションが魅力で、子どもの頃はよく自転車に乗り、フィルムカメラを手に撮影へ出かけたものです。
当時、釧網本線の車窓から西側に広がる釧路湿原は、雄大ではあっても不思議と撮影意欲をかき立てられることは少なかったのですが、午前中の逆光の中で輝く達古武沼と、その周囲に広がる草原の風景だけはなぜか強く記憶に残っていました。
当時は今ほど鉄道撮影地の情報も流通しておらず、この界隈でも線路端から撮影することがほとんどでした。夢ヶ丘展望台の存在を知ったのは、新潟へ移り住んだ後のことです。
あの記憶の中の光景をどうしても写し取りたい。そして、撮影する前から「ここでは2.35:1のシネスコサイズでまとめたい」と感じていました。
経度が東に遠く、緯度も高い道東は、この季節になると朝が早いです。宿を出た午前4時頃には、すでに釧路の街は明るくなっていました。一番列車を撮り納めるため、片道2.3kmの林道を歩きます。展望台へ着く頃にはすっかり日も高くなっていましたが、そこから眺めた光景はまさに子どもの頃の記憶そのものでした。「ここに来られて本当に良かった…」
有名撮影地の絶景に感動することは多々あります。しかし、自分自身の記憶や思い入れのある風景を、その時の気持ちと重ね合わせながら撮影できることは、これほどまでに幸せなことなのかと改めて実感しました。











