藤井隆のプロデュース、わかれへん!
──すさまじい選曲のいいアルバムだと思います。
ありがとうございます。僕はレコーディングっていうものをそんなにたくさんやっているわけじゃないんですけど、ああいう現場って「もうちょっとキーを高めに」とか、あるいは「もうちょっとリズムを詰めて」とか、音楽的要素で指導していくような勝手なイメージがあったんですよ。そしたら藤井さんは「いや後藤くん、違うねん」と。「この曲は大御所の役者さんが『歌ってくださいよ』と言われて、当日なんとなく覚えて歌った歌がものすごくよくて、『これでいいの? じゃあね』と帰っていく曲の雰囲気やねん!」って……わかれへん(笑)。
──言ってましたよ、確かに。柴田恭兵さんみたいなイメージでって。
そう! そう! まさにそれ!
──本業じゃない人が気軽にやって、それがカッコいい感じで。
そういうイメージで言ってましたね。「Carnival」に関しては「TBSドラマの主題歌やねん。主題歌やけどそのドラマには自分は出てない感じでいこう」みたいな(笑)。なんやねんそれ!って(笑)。
──特殊すぎるプロデュースなんですよね(笑)。
ははは。独特ですよ。ほかにそんな人いないですよね。「Carnival」に関しても「この歌は生きるとか死ぬとかそういう歌詞だから、1回死んでほしいねん」と。
──は?
「後藤くん、次ブース入ったときに1回死んでから生き返って歌ってほしいねん」って。もうわかれへん(笑)。
──ハードルが高すぎますね。
高すぎる(笑)。笑いながらですけど「1回死んできまーす」とか言いながら進めていた覚えはありますね。
──よくやりきりましたね。
やりきったのかどうなのかもわからないです! 「ほな1回死んできますわ!」ってバーンと歌ったら「いい、すごくいい!!」って言われたんですけど、自分は実感ゼロ。そのまま「おつかれっした!」って帰りました(笑)。
──これが正解かどうかもわからない(笑)。だいたいそんな感じだったんですか?
そうですね。「こぬか雨」では「後藤くん、この曲はな『ハートカクテル』(わたせせいぞうのマンガ)の世界観やねん」って言われて。「あの感じに後藤くんはなれんねん。この曲は実はそんなにメッセージはないけど、状況を美しく歌ってる曲やから『ハートカクテル』のストーリーというよりは、その絵を描いてほしいねん」みたいな。「なるほどね……わかりました、ちょっと歌ってきます」と歌ってみたら「……『ハートカクテル』やん!」って。ちょっとわかれへん!
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