春が秋にきたの
岐阜県から帰った日曜日、お風呂から出てスキンケアをしていたら着信。あのこからだった。何の話したんだっけ。ジャムをもらえる女になりたかったんだって言ったら「明日雨やったら持ってってやるわ」って言われてやりかねないなあと思ったのでお断りした。
「うみ明日何すんの」
「ゆっくりする。大阪行って岐阜県に行って疲れた」
「会うか」
「何時?」
「ははっ、俺明日予定ある」
「ああそう」
「会えるって思ったやろ」
「思ってない」
どうせ女とどこか行くんだろうなあと思ってあえて何するのって聞かなかった。もうほんとうに、しらなくていいことなんだとおもったから。
月曜日、松坂桃李くんの娼年を観てなかなか考えさせるような映画だなあと余韻に浸っていたら、ひま?というメッセージが届いた。会うことになった。わたしがあのこの住む街に行った。40分くらいだった。近いなあと簡単すぎる感想をもった。
改札口であのこを見つけた。なんだろうな、秋だからかな。色っぽいなとおもったんだよ。あと、これは今更気づいたことなんだけどやわらかくなったなあとおもう。雰囲気がね。きっとたいせつな人でも見つけたんだろうね。
寧々家に行った。はじめてこんなに目をちゃんと見て話せたとおもう。あの頃のわたし、ほんとうにいっぱいいっぱいだったなあ。ただ楽しかっただけだった。あえて聞かないことはたくさんあったし、昔のことを話すとすこし涙をこらえなければいけなかったりはしたけれどこれでいいんだなあとおもった。
わたしは一年前のあのこの挫折をしっている数少ない人らしく、「大親友だろ」と言われた。大親友…
「うみは変わってないね」
「きみは変わったね」
しらない人になったんだなあって本気でおもったよ。
お店を出てからセブンイレブンに寄ってハーゲンダッツのアイスを買って公園を探していたのだけれど神社にたどり着いて、ベンチに座って食べた。しずかな涼しい夜だった。退店するときに「アイス買ってー」というあのこは一年前の春とまったくおなじだった。デジャヴだった。驚くと泣いてしまうことは最近わかった。
なにを話したかまったくといっていいほど覚えていない。それくらいどうでもいいことで、他愛ないことだった。それがよかった。きみとなんにもならない話をすることが大好きだったんだ。
神社を出て「家来る?住所教えてやろうか」って言われたけれど断った。もうしらなくてもいいんだなとおもった。夕方のメッセージでも「泊まる?」って言われたけど断った。しらないあのこを見ることが怖いんだ。もうしらないままでいいんだなあって今はおもうんだよ。
裏道を通って散歩しながら駅まで送ってもらった。「人妻だで送ってやるわ」って。こんなこと初めてだったなあ。いつもわたしを置いて改札潜ってダッシュで電車に飛び乗るような子だったし。まあるくなったね。
別れるときかなしくなかった。ただ楽しかったなあとおもった。それでも背中が見えなくなるまで見送った。あまりにもあっさりで最後かなあとおもってすこしだけさみしかった。秋のせいかな。そうだといいな。
♡2018/09/25/20:04














