【登って、食べて、呼ばれて】 ― 家族で行くQRV峠紀行
中央高速の合流で2時間もの事故渋滞に巻き込まれ、私と家族は車の中で既にぐったり状態。登山口についたのは既に10時を過ぎていました。途中休憩も入れながらの移動ではあったものの、到着時には家族も疲弊してしまいました。
今年のGWは飛び飛びでうまく連休をつなげることが出来ません。私は無理にでも休暇を取ることも出来ましたが、子供たちは通学があるためそうもいきません。
いつもは数日間キャンプ登山であったり旅行に行ったりでしたが、今年は日帰り登山の計画となりました。 目指すは大菩薩嶺。ここなら日帰りで周回コースを楽しめ、山頂付近でQRV出来る。そんな目論見の計画です。
コースの難易度も低く危険な場所もない。ハイキングレベルでありながら2000mクラスに登り稜線歩き。途中眺望の良い場所からQRVする予定でした。
遅めの到着になってしまったので、一番アプローチの良いロッジ長兵衛小屋付近には、車を止めることが出来ず菩薩湖北岸駐車場(第4駐車場)になってしまいました。 ここで荷物や登山靴の準備を整え、ハンディもセットし準備OK。
移動の疲れも出て、若干グロッキー気味でしたが、天気も上々。駐車場から軽く登り本来の登山口へ移動します。
短いながらちょっと急な登りを超えると、木漏れ日差し込む木道に出ました。そして、気持ちの良い森を抜けると、一旦舗装路に合流し、ロッジ長兵衛が目の前に現れました。 ここで小休止し、再スタート。
その後もペースが上がらず、福ちゃん荘へはやや遅れ気味。ここでも休憩を多めにとって体制を整えました。この後は1811m小ピークあたりから調子が出て、川を渡るところで家族で川遊びを楽しみながら休憩。家族にも笑顔が増え本調子となりました。
登れば上るほど調子も出て、ハイキングコース並みに整備された登山道をどんどん上がっていきます。
もうすぐ尾根に出るところまできたとき、上昇風が斜面を吹き上げて来ました。いわゆるサーマル風ですがものすごく獣臭が混じっていて、鹿かな?今はクマも多いしな、登山客も多いし大丈夫か、などと考えながら大菩薩峠までもう一息のところに来ました。
そして、小屋を回り込むように峠へ到着です。もう腹ペコ状態だったので小屋前にある食事スペースを確保し、売店で昼食を選んでいると、麺類は売り切れとわかり、おでんを2つ頼むことにしました。あとは持参した食料とで賄います。大抵の登山の場合、水分、食料、おかしなどは少し多めに持って上がります。コンパクトストーブやコッヘルもありますのでお湯を沸かしモンベルのリゾットとミニサイズのカップ麺を順次作っていきます。
問題はもうお昼を回っていることです。
何が何でもピークを踏むというスタイルではなく、時間で決めるというスタイルをとっているので今回はここで引き返すことにしました。
余談ですが、日帰り登山でも雨具はもちろんの事、一晩のビバークが出来る程度の装備は持って上がっています。そういった意味でもコンパクトストーブやライト類は必ず持っているという事です。
ここで引き返すことになったので、逆に時間的余裕はできました。ゆっくりと昼食をとった後、見晴らしの良いところに出てQRV。
大菩薩峠の石碑があるのでその近くに腰掛け、持参したリグをセットアップしました。今回のリグセットはVX8DとMH-74(GPS付き純正SPマイク)、アンテナはSRH940を組み合わせた構成でした。
スマホを取り出し、電波が入るかをチェック。ギリギリ、、途切れます。クラウドで利用しているAIR HAMLOGは今回諦め、スマホにログのメモを取ることにします。
430MHz1WでQRVすることに決め、スピーカーマイクをセットしサブチャンネルを探します。やはりロケーションの良いところだけあってなかなかチャンネルが空いていません。メインから少し離れたところでチャンネルチェック。問題ないようです。
早速まずはこのチャンネルでCQを出してみましたが反応なし。メインチャンネルに移動しCQを出します。「CQ CQ FOURTHIRTY こちら・・・」サブチャンネルに移動し改めてCQを出したところ、恐らく5~6局から同時に呼ばれコールサインは誰も聞き取ることができませんでした。二文字くらい聞き取れた局から順にピックアップしていきました。
スピーカーマイクとイヤホンを使いトランシーバーを持っている手を上に伸ばすとSが1~2上がります。ですのでSを確認するとき以外は腕を伸ばし、スマホで入力しつつ、若干あわただしい状況でした。
しかしながら、さすが大菩薩峠、久々のパイルをありがたく体験いたしました。
主なQSOレポートは以下の通りです ・竜ヶ崎の局:RS 56/受信 RS 54 ・杉並の局:RS 59/受信 RS 56 ・世田谷の局:RS 59/受信 RS 54
数局QSOしたところで午後の強風に代わり、ちょうど家族にも呼ばれ、運用終了です。
短い時間でしたが大変楽しいQRVが出来ました。
帰り支度をして、下山です。1時間ほどで長兵衛小屋まで下山し、家族みんなでアイスクリームを食べました、サイコーですね。
車まで戻り荷を解き、登山靴を履き替え一路ふもとの日帰り温泉へ。
立ち寄りの湯は「やまと天目山温泉」。PH10.3の高アルカリ温泉で肌がつるつるになりました。時間帯のせいか温泉はほぼ貸し切り状態となっていたので、のびのびと休息できました。利用料金もお手頃、登山の汗を流すのにも最適。 次回もぜひ立ち寄りたいお気に入りの一つになりそうです。 一昨年の夏の家族山行で瑞牆山のバリエーションルートに行ったのですが、クライミングがらみの個所もあり、かなり時間も要したので子供たちからは不評でした。その件もあり昨年は伊豆七島でのシュノーケリングデビューでリフレッシュし、今回は楽で眺望の良い山行を選んだ次第でした。
昔、若気の至りで、一度だけビバークをしたことがあります。 その時も、きちんと装備を整えていたおかげで、無理な判断をせずにすみ、事なきを得ました。 一見すると“余計な装備”と思われがちですが、登山においては「転ばぬ先の杖」。 おかげさまで、大きな事故や遭難に見舞われることもなく、今では家族で山行を楽しめるようになりました。
登って、食べて、呼ばれて── 澄んだ空と澄んだ電波、そして家族の笑顔が重なった一日。 湯けむりに包まれながら、次はどんな山に呼ばれるのか── 静かな余韻とともに、またひとつ、思い出がそっと増えました。



















