Alternative Act 1.0 -Tech Paerformance Fes.
Date:2018/04/14(Sat.)~15(Sun.) @北千住BUoY
東京にあるアートスペース北千住BUoY※1で開催された音楽フェス「Alternative Act 1.0 -Tech Performance Fes.」※2にゲストパフォーマーとして出演しました。このイベントは、東京芸大の音響環境創造科の卒業生を中心に企画されたイベントです。今回このイベントに参加するきっかけとなったのは、IAMASでお世話になった城一裕さん※3のゼミ生で学生CGでも知り合いになった松浦知也さん※4からお誘いでした。
▲Alternative Act 1.0のメインビジュアル https://2018.alternative-act.tokyo
お誘いを受けた時に嬉しかったことが、東京という遠い場所への出演依頼とギャラが発生するということでした。いままではライブハウスに行って客さんの入りに応じてその場でギャラを支払われる、もしくは客さんが少ない時はこちらがチケット代を支払うこともありました。その点、依頼の時点で明確にギャラが提示されていたので、輸送費などを計算してパフォーマンス内容を決めることができました。
【準備】
学生CGの受賞展で何度もパフォーマンスをした時に、プラレールと洗濯台を組み合わせた新しいアイデアを思いついていました。そこで今回のイベントでは、最近メインで使用している機材のリモコン、プラレール、洗濯台を組み合わせたサウンドシステムを作るパフォーマンスにしようと計画しました。 またPLAY A DAYのZineの最新号vol.3も持参して会場の入り口で配布することにしました。vol.3はブタニコバーン※5の特集だったので会場に現物を持って行こうと思ってましたが忘れてしまいました。せっかく機材リストも作ったのに、MTRL KYOTOでの展示や大学での展覧会企画の提出準備などでバタバタしている最中に失念してしまったようです。残念。
パフォーマンスの前日は東京の友人の佐野和哉くん※5の家に泊まりました。佐野くんを待っている間に地下鉄の改札で待っていましたが、電車が通過するときの風が印象的で、この風を使って何か音の鳴る仕組みができそうだなぁと思いました。 パフォーマンス当日はリハーサルのために早めに会場に向かいました。会場となる北千住BUoYは、東京芸大の音響環境創造科の校舎の近くにあります。かつて銭湯だった場所を改造してスペースを作っており、外装は工事中で内装もいろんなところから配菅が飛び出していて非常にアンダーグラウンドの雰囲気でした。会場内には銭湯の一部も残っており、面白い空間だったのでステージとして使ってみたかったのですが、地面がうねっているせいでプラレールのレールを敷くことができなかったので、今回の使用は見送りました。もっと空間の使い方が上手くなった時には、会場の空間的な特徴を利用したパフォーマンスができるようになりたいです。
▲会場となるビル。外装は工事中。
▲アンダーグラウンドな雰囲気の会場。設営で疲れて眠る人の姿も...。
【リハーサル】
今回は遠方でのパフォーマンスでライブハウスで使用するようなサイズのギターアンプを持参することができなかったので、昨年のMaker Faire Tokyo※7でのライブ以来の会場のPAを使用したパフォーマンスを行いました。個人的にはミキサーへのライン信号で送った場合、音が素直に鳴る印象があり、ギターアンプで鳴らした時のような音の粘りがないのが気になっています。なのでプラレールの楽器で使用しているラジカセのノイズもそのまま会場に響いてしまいます。今後はギタープリアンプやスピーカーシミュレーターを使うなど、ライン信号での入力でも満足できる音が鳴らせるような工夫を考えたいです。 リハーサルでは音出し確認のつもりで臨んだのですが、会場のみなさんが集中して聞いてくださり通しリハのようになって緊張しました。それでもリハーサルを通して機材の不調をいくつか発見し、本番までに修理することができました。場の雰囲気に焦ることなく自分のペースで機材を確認できたのは、以前に出演したサウンドパフォーマンス・プラットフォーム※8でリハーサルの大切さを学んだからでしょう。リハーサルは即興ライブをつまらなくするものでなく、もっと高いレベルの次元でパフォーマンスするための準備です。リハーサルするとネタバレ感がありますが、本番ではそれを乗り越えるような強度でパフォーマンスしないと、それは良いパフォーマンスとは呼べないでしょう。 他の出演者のリハーサルも見ているとZEN-NOKANさん※9の演目は、演者3人とオペレーター3人による会場全体を移動するダイナミックなパフォーマンスでした。僕の楽器開発では、これまで移動で便利になりようにコンパクト設計を志向していたので、パフォーマンスも小さな空間に留まっていたように思います。よく日本のマジシャンと海外のマジシャンの違いとして、観客との距離感と空間の使い方が挙げられます。日本のマジシャンは観客と接近してテーブルの上でパフォーマンスをしますが、海外のマジシャンは空間を比較使うダイナミックなパフォーマンスします。そう考えるとZEN-NOKANさんのパフォーマンスは海外的で、僕のは日本的だと感じました。今回のZEN-NOKANさんのパフォーマンスと自身を比べて、自分のパフォーマンスの特徴を意識できました。
【本番】
本番にはIAMASの後輩で、昨年一緒に展示もした浜田卓之くん※10が来てくれました。東京に行ってからも多摩美の助手として頑張って活動しているそうです。元気そうで良かったです。
自分のパフォーマンスの前にはスタッフさんにお願いしてお客さんを僕の周りに集めるようにお願いしました。これはサウンドパフォーマンス・プラットフォームの時に、同じ方法でお客さんを集めたことで会場に一体感が生まれたのが良かったので、今回もやってみました。照明の暗転などもスタッフさんと打ち合わせしており、会場の優秀なスタッフさんに色々と助けていただきました。スタッフさんも東京芸大の卒業生や現役生で構成されていたらしく、僕よりも若いのにみんな優秀ですごいなぁと思いました。
本番では、武石樹さん※11とダンサーによるLED照明と影によるパフォーマンスが印象的でした。LEDを床に配置して、ダンサーに向けて点滅させることでダンサーの影が壁面に映し出される仕掛けです。シンプルなコンセプトですが、シンプルゆえに面白さが明快に伝わりました。浜田くんもLEDを使った作品を作っているので気になったパフォーマンスだったようです。
▲武石さんのパフォーマンス準備
他の出演者のパフォーマンスがレベル高くてプレッシャーがかかり、前半は少し慌ててしまいましたが、プラレールを延長し始めたころに落ち着きを取り戻し、あとは最後まで好きに暴れることができました。慌てた理由として、当初シミュレーションしていた楽器の順序を間違えたかもしれません。普段は観客に自作楽器の操作方法がわかるように決めるのですが、途中で間違えたことで観客を置いてけぼりのパフォーマンスに切り替えることにしました。
前回のパフォーマンスした時は学生CGコンテストの受賞展だったので、観客も子供たちが多く丁寧すぎるくらいに楽器の操作方法を示してパフォーマンスしていましたが、今回は途中から芸術鑑賞に慣れた観客が多いと判断して「これくらいのパフォーマンスついて来い!」という挑戦的な態度に切り替わりました。その割り切りがJAM感を生み出したのかもしれません。
▲パフォーマンスの様子
【感想】
僕よりも若い作家さんのレベルの高いパフォーマンスが見られたのは良い刺激だったでうす。これまで感じなかったプレッシャーを感じたのは、他の出演者が僕よりも若かったからかもしれません。なかなかサウンドの世界で自分より若い人と共演することがないので、彼らがクオリティーの高いパフォーマンスをしていたので年長の自分も負けてられない!とプレッシャーを感じていたのです。 これからは自分もドンドン年老いていく中で、自分よりも優れた年下が出てくるでしょう。その時に勢いだけでなく、年月の積み重ねがにじみ出るような、そんな存在になっていたいものです。例えばサウンドアーティストの鈴木昭男さん※12は、最新技術に精通しているわけではありませんが、その道で右に出る人がいないくらい音をオブジェを使った作品とパフォーマンスで独特な世界を構築されています。今回のイベントと若い作家さんとの交流を通して、鈴木さんのように時代の流行に流されず、自分のフィールドで活躍するような作家を目指したいと思いました。終
参考URL
1.北千住BUoY http://buoy.or.jp
2.Alternative Act 1.0 -Tech Performance Fes. https://2018.alternative-act.tokyo
3.城一裕 http://jo.swo.jp
4.松浦知也 https://matsuuratomoya.com
5.ブタニコバーン https://www.youtube.com/watch?v=3QqMLkxmvb8
6.佐野和哉 http://sanokazuya0306.com
7.Maker Faire Tokyo 2018 http://oshimatakuromemo.tumblr.com/post/164680666454/maker-faire-tokyo-2017
8.サウンドパフォーマンス・プラットフォーム2018 http://www.aac.pref.aichi.jp/gekijyo/sp/syusai2017/detail/180210_spp2018/
9.ZEN-NOKAN http://www.zen-nokan.com
10.浜田卓之 https://takayuki-hamada.com
11.武石樹 https://2018.alternative-act.tokyo/artists/takeishi/
12.鈴木昭男 https://www.akiosuzuki.com










