HX EffectsでIR経由でアンプ/キャビネットモデルを使う
HX Effectsにはアンプ/キャビネットシミュレータ機能が搭載されていないのですが、IR機能を使ってそれに近いものを実現しようという話です。
IR(インパルス応答)というのはシステムの挙動をパラメータ化する手法の1つで……という話をすると長くなるんですが、要するに測定用の信号を入力してその出力を記録したデータ(IRデータ)から、対象のキャビネットなりアンプなりをシミュレートできるというやつです。HX EffectsにはIRによるシミュレートに対応しているので、好みのアンプなりキャビネットなりを対象に測定したIRデータを用意すればそれが理論上は(ある程度)その設定を再現できることになります。
Ableton Max(というかMax for Live)にはIR Measurement Deviceというツールが含まれており、これでIRデータを作成できます。ということで、これを使ってアンプシミュレータプラグインを使って作ったシステムのIRデータを作成してみました。
まずAbleton Liveのトラック1にアンプシミュレータ等を、トラック2にIR Measurement Deviceをインサートします。続いてトラック1で好みの音になるようプラグインなどの設定を行なった後、トラック1とトラック2の入出力設定を共に「No Input」にし、トラック1の出力先をトラック2、トラック2の出力先をトラック1に設定します。そしてトラック1と2の両方を録音できる状態にします(デフォルトでは同時に1つのトラックしか録音可能にできないが、録音ボタンを右クリックして表示されるメニューでこの設定を変更可能)。
この状態でIR Measurement Deviceの「Test Tone」をOnにして、デバイスの左右のメーターが共に反応していることを確認します。このとき、トラック1にインサートしたプラグインの出力がピークを超えないよう(メーターが赤くならないよう)プラグイン側で音量を調整する、もしくはIR Measurement Deviceの「Amp」で測定信号の出力レベルを下げます。「Sweep」は30s、IR Timeは1sにしました。これで「Test Tone」をOffにした後、「Sweep」ボタンをクリックすると測定が開始されます。
測定後は、トラック2の入力をext in、出力をmasterに戻した上でIR Measurement Deviceの「Auditon」および「Input」ボタンを押すと、測定したIRデータをext in入力に対し適用してmasterに出力するモードになります。これで適切なIRデータが作成できたかを確認できます。
最後に「Save」ボタンを押すとIRが保存されます。なおmacOS環境だと保存形式がaiffになりますが、HX Effects(というかHELIXシリーズ)はaiff形式のIRデータを読めないので適宜適当なツールでWAVEに変換してください(Max/MSPパッチ自体を書き換えてWAVEで保存できるようにすることも多分可能)。あとはこのIRをHX Edit経由でHX Effectsに読み込ませればOKです。
なお、HELIXシリーズでは内部では48kHzで処理するためか、Ableton Liveのオーディオ入出力を48kHzに設定しないと作成したIRが適切に動作しませんでした。マニュアルにはIRデータの読み込み時に自動的に適切なサンプリングレートに変換すると書いてあるのですが、その辺でうまく変換ができていなかったのかもしれません。











