細川俊夫作曲、多和田葉子台本によるオペラ《ナターシャ》世界初演へのお誘い
新国立劇場の創作委嘱作品《ナターシャ》の世界初演(同劇場のオペラパレスにて8月11日)が十日後に迫りました。多和田葉子さんの台本、細川俊夫さんの作曲によるこのオペラが、途方もない戦禍と災害が続いている今、舞台に載せられることには大きな意義があると考えています。《ナターシャ》では、戦争に巻き込まれ、破壊された故郷を離れることを余儀なくされたナターシャと、大災害によって故郷を失い、母──ないしは母なる自然──から切り離されてさまようアラトという若い二人が、荒海に面した岸辺で遭遇し、ゲーテの『ファウスト』に登場するメフィストフェレスの孫を自称する人物に導かれて現代の七つの地獄を、その底までたどります。その旅は、現代の世界で人の心身に、生きものの命に何が起きているのか、人類の営みは人間自身を含めた生きものをどこへ追い込もうとしているか、観る者に深く問いかけるはずです。 《ナターシャ》という作品…
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