木で出来たジークカバブのように無益な代物だ。
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木で出来たジークカバブのように無益な代物だ。
彼は彼女の吐息を聞くことができた。しかし彼の耳は雨の音も聞いていた。
俺はどれくらい彼女を愛しているんだろう、と彼は考えた。あるいは俺は彼女を愛しているんだろうか、と。
「何故だ?そんなんじゃあ警察も世間も納得はしない」
「そう。動機とは世間を納得させるためにあるだけのものに過ぎない。(中略)世間の人間は、犯罪者は特殊な環境の中でこそ、特殊な精神状態でこそ、その非道な行いをなし得たのだと、何としても思いたいのだ。つまり犯罪を自分達の日常から切り離して、犯罪者を非日常の世界へと追い遣ってしまいたいのだ。そうすることで自分達は犯罪とは無縁であることを遠回しに証明しているだけだ。だからこそ、その理由は解り易ければ解り易い程良く、且つ、日常生活と無縁であればある程良い。曰く遺産相続、曰く怨恨、復讐、痴情の縺れ、嫉妬、保身、名誉名声の保持、正当防衛ーーーどれも解り易く、それでいて身の回りにはざらにないことばかりじゃないか。しかし、それが何故解り易いかと云えば、ありそうもない癖に実は頻繁に彼等の中でも起きている感情と、それは同質のものだからだ。若干規模が違うだけなんだ」
「国家というのは原則として、戦争を、真の」と堺はそこに力を入れて、「目的として持っている」