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Raw House
(VOLNA)
愛撫通信 2017/09/03
この夏はスイカバーを軽く100本は食べた。ほとんどは箱入り(スイカバーとメロンバーが3本ずつ入っている。頼むから全部スイカバーにして欲しい。メロンバーは存在そのものがおためごかしだと思う)の小さい方だが。
どういう訳だか、アイスの定番アイテムと思っていたスイカバーだが、置いてある店が少ない。昨年までは売っていた近所のスーパーも今年は売っていなかった。その内、あそこのファミリーマートは売っている、あそこのセブンイレブンは売ってはいるがすぐ売り切れる、あそこのローソンは最初から売っていない……という街のコンビニ、スーパーのスイカバーある・なしを記憶するようになった。
僕はタバコを喫わないけど「俺の喫ってるタバコ、大きいコンビニじゃないと売ってないんだよね」と言っている喫煙者の気分はこういう感覚なのだろう。仕方がなくガリガリ君のスイカ味など食べている時の「いや~……これじゃないな~」という感覚も……と、タバコの銘柄で例えたかったが、知らないので書けない。おれは知らないことは書かない。いや書く時もある。
ということで、聴くだけでガリガリ君スイカ味がスイカバーになる、晩夏すべりこみの夕涼みファンク&ハウス。
João Donato e Donatinho // Lei Do Amor Twitterのタイムラインで誰かが「ブラジルのシンセ・ブギーは最高!」と紹介していた音源。ボサノヴァのピアニスト/作曲家/プロデューサーとして60年代から活躍するJoão Donatoがその息子Donatinhoと共作でリリースしたアルバム『Sintetizamor』より。小林泉美と繋ぎたくなるインスタント・モンド・トロピカーナ……ボサノヴァとヌーヴェル・ヴァーグとニューウェイヴと新潮社は全部同じ意味。
Tom Misch // South Of The River 2014年にSoulectionからデビューした95年生まれのファンキー・アンファンテリブル、Tom Mischの新曲。フックのない曲の構成、Tomの淡々とした歌声よりも饒舌に「歌う」ストリングス(ギター含む)がソウル爆発、アウトロの口笛で二回泣ける。
Hi & Saberhägen // Woodrum スコットランド・エジンバラを拠点に活動し、ジャンクな、しかしどことなく愛嬌のある(キック&ベースの隙間の多いサウンドデザインがそう感じさせるのかも知れない)テクノを作っているデュオ。数年前リリースされたFrancis Bebeyの編集盤を思い出させる、指ピアノ風のパーカッションが心地いい。
Lee Bannon // Artificial Stasis FNMNLのサマーチューン企画で紹介されていて知ったのですが、これはカッコいい!Ninja Tuneからのリリース。アンビエントのキモは社会性とフェティッシュの両立。もちろんこれは両方ビンビン。
BETT // U Dance DJ FUNKリスペクト?な声ネタも楽しいドラムマシン&サンプラー手の平押しの力技ハウス。曲の長さも7:07。この長さにするために無理やり展開したようなネタの入れ方もソソるではないか…… 。
The Breed // Girls Part ベタベタなトーキング・モジュレーターとCharみたいなギターが火を噴く、脂っこくても無限に食える塩焼きそば的メロウネス爆発のGトラップ、何とドイツ産。これは今夏一番好きかも知れない…… 。
Pallintine // Wicked Disco 南ア産ディスコ/ハウス、その名もNuAfro Recordsなるセルフ・レーベルからのリリース。Mute Actorというトリップホップのバンドを経て、現在はこのスタイルに至ったようだ。Facebookでのプロフィールページの「興味・関心」の欄が一言「70's」とのみ書かれてるのがカッコ良かった。
ハウス・ギャングスタ・ハウス~90's Gラップ化するロウ・ハウス
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The Trilogy TapesやL.I.E.S.と言ったレーベルからリリースされる、異形のハウス・ミュージック。アナログ・シンセやドラムマシーンを繋げたミキサーを、全てのノブをフルテンにしたコンプレッサー経由で直接カッティング・マシーンに突っ込んだがごときサウンドは、業深いテクノ・フェティストらの、ベッドルームのホコリをもうもうと巻き上げる鼻息まで聴こえてくる荒々しさ……。
このスタイルはその名もロウ・ハウスと呼ばれ、ハウス・リバイバルやヴェイパーウェイヴなど時を同じくする潮流とよせては返し混じり合いながら、世界各地で新たな作品がリリースされております。
以下、その代表的なアーティストとそのロウ・ハウス作品。
L.I.E.S.の設立者、Delroy Edwardsの2013年リリースの無題ヴァイナル。ハイハットのデカ過ぎる音、床下から聴こえるようなベース、このアンバランスさがロウ・ハウスのロウたる所以か。(追記・L.I.E.S.の設立者はTwo Dogs In A Houseなどの名義でも知られるRon Morelliでした。DelroyによるレーベルはL.A. Club Resourceで、この無題ヴァイナルや後述のミックステープもコチラからリリースされており、このレーベルからは他にも Shawty Pimpなるラッパーの再発も行われているようです)
先日、来日していたドイツのFlorian Kupferの近作。シンバル代わりのホワイトノイズ。
The Tlirogy Tapesからも1曲。
さて、先ほど「ハウスやヴェイパーウェイヴと混じり合い……」と記しましたが、彼らがより直接的に異種交配を目指しているジャンルはヒップホップ、その中でも特にクセの強い、90年代のギャングスタ・ラップなのではないか、というのが最近のワタクシのもっぱらの関心。
Delroy Edwardsは先のような4つ打ちのトラックを作る一方で Slowed Down Funkというミックステープ(と、言っていいのか……?)を定期的にリリースしています。(このサイトからフリーダウンロードできます)
チョップ&スクリュー&ディストーションでズタズタにミンチないしリンチされたGラップが胸焼けするほど堪能できる怪作。
また、90年代から活動し、ロウ・ハウス以前からプリミティブなテクノを志向していたベテランLegowelt(同じように、ロウ・ハウス以前から近しいコンセプトで活動していた人物にJamal Mossなども挙げられるでしょう)。様々な名義やユニットを使い分け、多作な手腕を見せる彼もまた、メンフィスのGラップオンリーのDJミックスというのを作っています。これもまた、非常にまったりとコクのあり過ぎる……。
で、ここまでは「ロウ・ハウスのアーティスト、ないしロウ・ハウスに近しいコンセプトを追求するアーティストのGラップ愛の側面」でしたが、ガッツリとGラップをロウ・ハウスに組み込んだのがコレ。RAWCASTなるスイスで昨年からスタートしたばかりの新興ハウス・コレクティブからリリースされたコンピレーションに収録された、DJ Felix-Cなる人物のこの曲。
元ネタは、Three 6 MafiaのレーベルHypnotize Mindsにかつて所属していた(Three 6 Mafiaの"Mystic Stylez"にも客演している)ラッパーLil Ginによる同名曲。コレを強引に4つ打ちにするシビレるセンス。
他にも、Mall Grabが今年出した新譜にも面白いものが……イギリスの
Hot Haus Recsからリリースされた"Pool Paty EP"収録のB.F.O.D.A.A.S.というトラック。
Mad CJ Macのヒット曲Come And Take A Rideを早回しループ。Gファンク+ヒップハウスな泣けてチャラい佳作。
ブーンバップやジャジーなヒップホップ(≠ジャジーヒップホップ)で用いられるレコードノイズは既に「暖かみ、オーガニック」な演出となり(なんせ"アナログ"ですからね)、それに対してカセットノイズ、ヒスノイズの質感は程よくドライでいいよね。という感覚が一部のトラックメイカー/リスナーにあると思うんですが、その感性が(ミックステープ~カセットに強く依拠していた)90年代のGラップ、Gファンクとバッチリハマった、という流れを想像しているんですが、いかがでしょうか?
もっと大づかみな話ですが、もともとヒップホップのDJで、今はハウスやってます(あるいはその逆)。というようなタイプのアーティストがワタクシは好きなので、何とてこういう作風のリリースが増えると楽しいですね。 チェッケッッ。
愛撫通信 2017/06/15
Bellaire // Paris City Jazz
fromフランスはパリ。AtjazzやSt. Germainなどの列なるヨーロッパ産ジャジー・ハウスの香り高いグッド・ヴァイブス。前半と後半に出てくるサックスの曇ったイコライジングが気持ちいい。
KETTAMA // 3AM (VOCAL DUB)
カリフォルニアのDJ/プロデューサーMoskalusのYouTubeチャンネルで知ったアイルランドのアーティスト。パツンパツンに圧縮された909バスドラムが音割れもそのままに汗走るロウ・レイヴな作風。SoundCloudでフリーDL曲多々あり。
$HIT & $HINE // Long Island City
切断面も鮮やかなカットアップ・ジャンク・テクノひしめく英Diagonal Records(PowelやNHK yx Koyxenのリリースが有名)から、テキサスのロック・っぽい何か・バンドの最新作。Suicideがもし2010年代にも作品を遺していたら(最後のスタジオアルバムは2002年)、というのは僕の裡に常にある妄想で、これはかなりそれに肉薄している。
愛撫通信 2017/04/13
OOHYO // PIZZA
これはヤバいッッッ。K-POP2017年上半期暫定ベスト。打ち込みシンガーソングライターによる、泣きのシンセファンク歌謡。St. GermainやStereolabのような懐かしく切ないウタ心もありつつ、冷め続けるピザがワビサビ。おれは男女問わず、終わった恋を引きずっているポップスが好き過ぎる。
Cherry Coke // Drive
これも韓国。「UP」というシングルに入っている曲で、この遅いテンポ、楔を打ち込むようなカタく短いキックとスネアにぐっときた。
PASSIONFRUIT by CLUBKELLY
CLUBKELLY // PASSIONFRUITフレンチ・マナーを保ちつつすげーフレッシュに今様のフィルター・ハウス。断面も瑞々しいカットアップでもドンヨリくもったイコライジング。ジャケットも謎だ。
Gnork // Big Dipper
ビットの荒いブレイクビーツをベタッと貼り付けたような展開が今様のディープ/テック・ハウス。fromハンガリー。
DJ Felix-C // Scopin Wit Da Red Dot
スゴい!90年代のアトランタ~メンフィスっぽい音質めちゃLOWなGラップをロウ・ハウス解釈するノイジーな1曲。カッコ良すぎる。LegoweltやDelroy Edwardsが(ハウスのトラックメイクと並行して)そのテのGラップのミックスなども作っている理由がこういうの聴くとわかる。
Cameron J. // That's What I Like / Bad & Boujee (MASHUP)
アトランタのYouTuberによる、Bruno MarsとMigosのアカペラ・マッシュアップ。序盤のコントのバカバカしさから歌に入ってからのギャップ。ラップの入り方、手の動きがキマってる。
Sab $tory // Vybe
こういうベースR&Bみたいなの、似たり寄ったりでも全部好きだな~。iLovemakonennとLil Yachttyが一緒にやってるやつとか……。
Always from here EP by DJ AEONM
DJ AEONM // Always from here EP
京都のトラックメーカー。リミックスでLimited Toss、Lisa Gonzalezなどが参加。 90'sドラムンベース/ジャングルの再評価の機運を感じさせる佳作。全体を通してブルーアイドソウル的な情緒を感じさせるヴォイス・サンプル、すっきりとしたミックス&マスタリングが好感触。おれのオススメはSci-Fi R&Bな1曲と声ネタが楽しい3曲とハイウェイでミラーボールのギラつく9曲目。
manchester mood_
Paul Hares - Cyclone pt 8