ハウス・ギャングスタ・ハウス~90's Gラップ化するロウ・ハウス
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The Trilogy TapesやL.I.E.S.と言ったレーベルからリリースされる、異形のハウス・ミュージック。アナログ・シンセやドラムマシーンを繋げたミキサーを、全てのノブをフルテンにしたコンプレッサー経由で直接カッティング・マシーンに突っ込んだがごときサウンドは、業深いテクノ・フェティストらの、ベッドルームのホコリをもうもうと巻き上げる鼻息まで聴こえてくる荒々しさ……。
このスタイルはその名もロウ・ハウスと呼ばれ、ハウス・リバイバルやヴェイパーウェイヴなど時を同じくする潮流とよせては返し混じり合いながら、世界各地で新たな作品がリリースされております。
以下、その代表的なアーティストとそのロウ・ハウス作品。
L.I.E.S.の設立者、Delroy Edwardsの2013年リリースの無題ヴァイナル。ハイハットのデカ過ぎる音、床下から聴こえるようなベース、このアンバランスさがロウ・ハウスのロウたる所以か。(追記・L.I.E.S.の設立者はTwo Dogs In A Houseなどの名義でも知られるRon Morelliでした。DelroyによるレーベルはL.A. Club Resourceで、この無題ヴァイナルや後述のミックステープもコチラからリリースされており、このレーベルからは他にも Shawty Pimpなるラッパーの再発も行われているようです)
先日、来日していたドイツのFlorian Kupferの近作。シンバル代わりのホワイトノイズ。
The Tlirogy Tapesからも1曲。
さて、先ほど「ハウスやヴェイパーウェイヴと混じり合い……」と記しましたが、彼らがより直接的に異種交配を目指しているジャンルはヒップホップ、その中でも特にクセの強い、90年代のギャングスタ・ラップなのではないか、というのが最近のワタクシのもっぱらの関心。
Delroy Edwardsは先のような4つ打ちのトラックを作る一方で Slowed Down Funkというミックステープ(と、言っていいのか……?)を定期的にリリースしています。(このサイトからフリーダウンロードできます)
チョップ&スクリュー&ディストーションでズタズタにミンチないしリンチされたGラップが胸焼けするほど堪能できる怪作。
また、90年代から活動し、ロウ・ハウス以前からプリミティブなテクノを志向していたベテランLegowelt(同じように、ロウ・ハウス以前から近しいコンセプトで活動していた人物にJamal Mossなども挙げられるでしょう)。様々な名義やユニットを使い分け、多作な手腕を見せる彼もまた、メンフィスのGラップオンリーのDJミックスというのを作っています。これもまた、非常にまったりとコクのあり過ぎる……。
で、ここまでは「ロウ・ハウスのアーティスト、ないしロウ・ハウスに近しいコンセプトを追求するアーティストのGラップ愛の側面」でしたが、ガッツリとGラップをロウ・ハウスに組み込んだのがコレ。RAWCASTなるスイスで昨年からスタートしたばかりの新興ハウス・コレクティブからリリースされたコンピレーションに収録された、DJ Felix-Cなる人物のこの曲。
元ネタは、Three 6 MafiaのレーベルHypnotize Mindsにかつて所属していた(Three 6 Mafiaの"Mystic Stylez"にも客演している)ラッパーLil Ginによる同名曲。コレを強引に4つ打ちにするシビレるセンス。
他にも、Mall Grabが今年出した新譜にも面白いものが……イギリスの
Hot Haus Recsからリリースされた"Pool Paty EP"収録のB.F.O.D.A.A.S.というトラック。
Mad CJ Macのヒット曲Come And Take A Rideを早回しループ。Gファンク+ヒップハウスな泣けてチャラい佳作。
ブーンバップやジャジーなヒップホップ(≠ジャジーヒップホップ)で用いられるレコードノイズは既に「暖かみ、オーガニック」な演出となり(なんせ"アナログ"ですからね)、それに対してカセットノイズ、ヒスノイズの質感は程よくドライでいいよね。という感覚が一部のトラックメイカー/リスナーにあると思うんですが、その感性が(ミックステープ~カセットに強く依拠していた)90年代のGラップ、Gファンクとバッチリハマった、という流れを想像しているんですが、いかがでしょうか?
もっと大づかみな話ですが、もともとヒップホップのDJで、今はハウスやってます(あるいはその逆)。というようなタイプのアーティストがワタクシは好きなので、何とてこういう作風のリリースが増えると楽しいですね。 チェッケッッ。

















