はね
屋上から街を みおろしていた ひとがいなくなった 庁舎の背が伸びていく 影に隠れて 遺骸は どこへともなく 飛ばされた 羽根なんか 生えそろうこともできないまま 歩道へと散らばった ちいさな羽毛だけ 風にふかれて 生垣に引っ掛かった 赤みかがったそれを 手にとって 少しのあいだ眺めてから、宙へと手放した
Sade Olutola
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Kiana Khansmith
we're not kids anymore.
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@winterain66
はね
屋上から街を みおろしていた ひとがいなくなった 庁舎の背が伸びていく 影に隠れて 遺骸は どこへともなく 飛ばされた 羽根なんか 生えそろうこともできないまま 歩道へと散らばった ちいさな羽毛だけ 風にふかれて 生垣に引っ掛かった 赤みかがったそれを 手にとって 少しのあいだ眺めてから、宙へと手放した
詩集アーカイブ
2024年までに冬雨千晶として発行した詩集・冊子の本文をアーカイブとして公開しています。少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。
もし気に入っていただけましたら、紙の本もぜひ手に取ってみてください。オンラインストア、お取り扱いいただいている書店や、イベント出展の際にお求めいただけます。
秋の夜。不意に訪れる寂しさに懐かしさと安堵を憶える。腹の底に渦巻いているものは分析して名前をつけるのが怖くて面倒でそのまま押し殺しているうちに無くなってしまうのではないかと恐々としていたけれど、ふと力を抜いた今の様なときにどうしようもなく湧き上がってくるから安心するよ。暗い部屋の
夜明け / 僕が死んだ日 / 誰かから誰かへ宛てた手紙 / 遠い夜の記憶 / 雨の日 / 蒼に沈む街を葬る / 幽霊、街に出る / 澱の中で / 乃綰 /...
目次 光影/ 冬の残照 / 三月の残照 / 四月の残照 / 五月の残照 / 六月の残照 / 七月の残照 / 八月の残照 / 九月の残照 / 十月の残照 / 十一月の残照 / 抜髪...
もくじ 都会 / 同じルートを / 夜灯 / 春嵐 / どくだみの / 告白 / この世界で / 更地になる / 夜想 / 街を歩く / 軒下の / わかれ / 氷下 / Christmas...
「はぜました」 「なにが」 「わからない」 はねました それは 哀しみに似て 悲しみではなく 苦しみに似て くるしみではないようでした それだから 今日 ふとんのうえで 数百年が過ぎています 昼と夜とが不規則に 過ぎて どこかにゆきました 昨日に交わした 約束と 三年前にやぶか
夜道。冷たい風がむき出しの、僕のふくらはぎの間をぬけてゆくから、まだ私たちの冬はここにあったんだと嬉しくなってしまう。砂利道をはこぶ、この足がよろめいてしまうのは、すり減って穴が開きそうな靴底のせい?そうじゃない。そうではないことは誰だって知っている。知らない国の夜の闇を照らして過ぎ去っていく光の筋を遠くからみて、綺麗だねとつぶやいた。流れ星が過ぎ去っていく。口にする願い、かつてあんなにも簡単だったのに、今は、ためらったまま何も言えない。消えていった光の筋を見送った。喉奥に流し込む何かで酩酊させて紛らわす。生活も労働も文学も詩も何もかも美しくなんてない、ただそこにあり、繰り返すだけ。誰かの手に渡ったり捨てられたりする、紙きれに
自家通販をBASEからSTORESに移行しました。
冬雨文庫のネットショップです
体調の兼ね合いもあり、しばらくイベント出店等の予定はないため、ご活用いただけますと幸いです。
今年発行した詩集「ひらいて」や日記zine「西から枝へ 総集編」も置いています。
『西から枝へ vol.16』が完成しました。
2025年11月11日から2026年5月4日までの日記です。
岡山の古本屋「ながいひる」(@nagaihiru)にて、人々の日記コーナーの一員として置いてもらっています。(ネットショップでもお取り扱いいただいています)
「西から枝へ」の売上は当面の間、パレスチナへの人道支援として寄付します。
過ぎた日の光を確かめるようにして抱きしめたシーツの冷たさに頼り今日を終えること
失われてしまうものへの愛着と、いま手にしているものへのまなざしの、どちらをも等価であると決めたとき、この名前についてどう扱うことが正しいのだろう。あの部屋から外に出て、そうとは希求しないままに、ひらきつつあるこの名前が、何処からきた、どういうものだったのか、思いだせなくなってしまう前に書きつけた、この内臓を掻捌いて分け入った先になにがみえる?
この部屋のなかで、自分ひとりで書いていると思っていたところで、どうしようもなく外界の出来事に影響されてしまう。暮らす街並みの変化。違和感を持って眺めていたものが いつの間にか平常のものとして気にも留められなくなるグロテスクさに立ち向かおうとするときに確かめようとする私自身の立っている地面そのものの揺らぎ。揺らぎを揺らぎのまま差し出そうとして、通り過ぎていってしまう人々の前で立ち尽くし、仕方が無いと諦 めて、笑顔でいなければと思うたび、すり減っていく傷を、みんなが名づけた名前で呼んでさらけ出しはしないと決めた。
自分の痛みに鋭敏になるのと同じくらいに、自分以外の痛みから目をそむけないでいるべきだろう、人間であるのなら。そう決めてしまった後になってから、あまりにこの世界に溢れる痛みには耐えられない、正気ではいられないというあたりまえの壁にぶつかって、やはりすべて存在しないほうがいいという極端な結論に飛びつこうとして。
幼少期。田畑を縫ってあぜ道をトトロの森へ駆けた。二人が並ぶ、後ろ姿を追いかけて、どうやったって辿りつけない。嘘を嘘としてちゃんと傷ついた。遠く昔の事になってしまった。やさしく諭すように嘘をはいたその顔を思いだそうとしても思いだせない。もう 10年も会っていないから。
めいのうせいにいきたい、と考え続けていた日々がありました。七五調に囚われたリズムに逆らわないで書き続けるうちに、自分でも思いがけないところへたどり着いた、夏休みの終わりをまだ知らなかったから。ふたりの部屋でそれなりに楽しく暮らす、夢の中の話。
信仰について語る場所を失った。詩を通して語る事が自分にとって唯一、神との関わり方だと思いながら暮らすうち、見ないようにしていた鏡の向こうの彼が動き出してしまった。彼がどこへ行くのだろう、と考え続けた。ひとりでわからなくなっていたら、天使の画家が絵にしてくれた、彼が、遠く、どこかで光になったのを見届けた。
それじゃ、私はどこへいけばいい?
周りを見渡しても去っていった人の残り香だけに惹かれてしまう。“健やかで”という祈りは単に私の身勝手にすぎる。せめで、またどこかでと、叶わない願いを抱いて、歩き出せないでいるうちに、生活は続いていた。髪が伸びた彼は、どこかのステージの上で美しく舞い続けている。
医者に命じられたとおり、日向を避けて木陰を歩く。
手にした日傘を持て余しながら、君が昔そこへ座っていた川沿いのベンチで、どうしても届かなかった言葉が、すべてのはじまりだったと思いだす。いまさらになって。ひらきかけの日傘を風下へ放り投げて、ピアノのチャイムに沿って家路を急ぐ。たまにどこからかやってくる啓示のようなものに騙されないように、スーパーへ寄って、夕食をつくる。日が変わる前に錠剤を飲んで布団に入って、懐かしい人々に会いに行く。また朝を迎えて目を覚まし、藍色のシャツに袖を通す。
駅前で座り込む幽霊の影に手を伸ばし、立ちあがって歩き出すまで見守った。踏みけられた花束が散らばった街角で、冬は過ぎ去ろうとしていて、次の春を待って。
岡山市・オランダ通りの古書店「よつば文庫」二階にて"冬雨文庫"をはじめます
2/4(水)から岡山市・オランダ通りのよつば文庫二階に新しくオープンするスペースに、冬雨文庫として棚をお借りすることになりました。
よつば文庫は、2024年に西川緑道公園沿いの岡ビルで開店し、今年からはオランダ通りに移転して営業されています。幅広いジャンルの本がところ狭しと並び、掘り出し物の一冊と出会えるような、昔ながらの古書店です。
近日オープン予定の二階スペースは、委託棚や古道具が並ぶ落ち着いた空間となっています。飲み物を飲みながら読書や作業をしたりできる場所としても活用できるようになるそうです。詳しくはよつば文庫のInstagramをご覧ください。
冬雨文庫はこれまでは私がイベントで出展するときの屋号のようなものでしたが、この度機会があって、本当の文庫としてひらいてみることにしました。
お近くに寄った際には少し覗いてみてください。
東京・高円寺の書店、そぞろ書房で『ひらいて』のお取り扱いがはじまりました
東京・高円寺の書店、そぞろ書房で詩集『ひらいて』をお取り扱いいただいています。
そぞろ書房がオープンしたばかりのころにお取り扱いいただいた詩集『氷下の膜に』を、この場所で多くの方に手に取っていただいたことが心に残っています。
はじめてつくった「詩集らしい詩集」だったので、自分の詩がちゃんと届く場所が、この世界にはあるのだと感じさせてくれた良い思い出です。
遠方のため、まだお店に伺えてはいないのですが、こうして継続して置いていただけること、本当にありがたいです。詩や小さな本に目を留めてくださる、ちいさな秘密基地のようなこの書店が続いていることは、この世のなかにあっての希望だと感じています。
冬雨のこれまでの既刊も置いていただいています。 お近くの方は、ぜひ手に取っていただけましたら幸いです。
ご報告
1/10-12に神戸・長田 ふたば学舎にて開催されたまちのzineフェス&インディマーケットでの冬雨文庫としての売上から、ガザ北部で暮らすハムザさん一家と、ユニセフ(UNICEF)のガザ緊急支援へ、それぞれ10,000円を寄付いたしました。
停戦後もイスラエルによるガザヘの空爆は続き、生活物資や医療が深刻に不足しており、子どもたちを含む多くの人が厳しい状況に置かれています。
ハムザさんは、昨年イベントでお話を伺ったジャーナリストの藤原亮司さんが支援されている一家です。 藤原さんが「イスラエルによって封鎖され、支援のトラックも届きにくい状況で、お金を送ることは彼らにとって“見捨てられていない”というメッセージになる」と話されていたことが印象に残っています。
Imagine the dreams of a young man on the brink of becoming a lawyer, ready to advocate for justice and bring hope to his community, suddenly
また、かつて学校だったふたば学舎で開催されたイベントでの売上は、子どものために使いたいと思いました。ガザで子どもたちの医療・栄養支援や心のケアを続けているユニセフの活動に寄付しました。
私は今、仕事があり、わずかでも収入があって、日々の衣食住に大きく困っていません。その中で、自分の書いたものから得たお金を、ただ自分の楽しみのために使うことに、今の状況ではどうしても違和感がありました。
これがベストな選択かどうかもわかりません。少なくとも、もっと大きな力をもった人々や国々の為政者がまともな良識をもった振る舞いをすることを願いつつ、到底そうはなりそうもない、益々悪化する国際的な動きとこの国の政治に絶望しつつ、これからも、自分にできる形でガザのことを考え続けます。
新品ZINE(詩集)2026年1月B6版120ページ— 目次森Yobarenaめいのうせい夏がきてかぞえかたヨナタンちちなる地下室の天使いのりダンス、ダンス、ダンスうしろすがたのひらいてとまどいうつくしい光景についてピアノ仮説横顔キッチン境界港で十一月偽者の花束を地下室2021幽
詩集「ひらいて」をいつもお世話になっている岡山の古書店「ながいひる」( @nagaihiru )でお取り扱いいただいています。
美しく陳列された本棚と、店主の確かなセレクト、そして自分自身であることを否定されない、肩の力を抜いて個を個のままとして過ごすことのできる、セーフスペースとしての私の大切な場所のひとつです。
岡山市近隣の方、または、お近くにお越しの際には、ぜひ、行ってみてください。
また、通販もしていただいています。しばらくは自家通販の予定はありませんので、遠方の方はこちらからお求めください。
新品ZINE/冬雨千晶『ひらいて』/¥1,000【通信販売】
「ひらいて」
詩集『ひらいて』が完成しました。 photo by Seiichi Takezawa (@seiitch)
— 書誌情報
タイトル:ひらいて 著者:冬雨千晶 判型:B6/120ページ 頒価:1000円 発行:2026年1月10日
— 目次
森 Yobarena めいのうせい 夏がきて かぞえかた ヨナタン ちちなる 地下室の天使 いのり ダンス、ダンス、ダンス うしろすがたの ひらいて とまどい うつくしい光景について ピアノ 仮説 横顔 キッチン 境界 港で 十一月 偽者の花束を 地下室 2021 幽霊にもどるまで 帰路 ゆめのこと
──
来年一月には下記ふたつのイベントにて頒布予定です。
・1/10(土)-13(月・祝) 神戸・長田 ふたば学舎 「まちのZINEフェス&インディマーケット」
・1/10(土)-18(日) 和歌山・那智勝浦町 果樹園 「なちかつ 冬のZINEマルシェ」 *出品のみの参加です
準備が整いしだい、冬雨のオンラインストアにも掲載します。
ぜひ実際に手にとって、ひらいてもらいたいです。 よろしくお願いします。
2025.12.16 冬雨千晶