トライリール株式会社(tri-reel Co., Ltd.)
「音の常識を、3つの軌道で塗り替える」 1980年代初頭、画期的なオーディオ技術の確立を目指して設立された音響機器メーカー。世界初となる「3リール(3個のハブ)構造」を採用した革新的なカセットテープおよび専用デッキの開発を進めていた。
基本情報
社名 トライリール株式会社(英表記:tri-reel Co., Ltd.)
設立 1982年 4月
倒産 1990年(昭和65年)1月
事業内容 音響機器および記録メディアの開発・製造・販売
代表製品 3リール式カセットテープ『TR-90』
年表
* 1982年(昭和57年)4月: 大手音響メーカーの元技術者らを中心に設立。従来のカセットテープ(2リール式)が抱えていた「走行系の安定性」や「ワウ・フラッター(回転ムラ)」の課題を克服するため、テープ中間部に第3のリールを配置する独自技術を開発。
* 1989年(昭和64年)12月: 専用カセットデッキの開発が難航し資金繰りが悪化する中、開発資金の回収と市場開拓を狙い、専用カセットテープ『TR-90』のみを秋葉原などの一部の個人電気店・オーディオ専門店へ少数先行発売。
* 1990年(昭和65年)1月: 専用カセットデッキの試作機完成・発表を目前にしながら、土壇場で資金が底を突き倒産。
現在における市場価値(幻のメディア)
専用デッキが1台も市販化されず倒産したため、先行発売されたテープは一度も本来の性能を発揮して再生されることなく姿を消しました。
* 現存数の極少さ: 販売期間がわずか1ヶ月程度と極めて短く、流通量も僅少だったため、現存するテープ(未開封・開封済問わず)は奇跡的に保管されていた数本のみと言われています。
* コレクターズ・アイテム: 「再生機が存在しないメディア」という異端の経歴と、3つのリールが描く美しいメカニカルなデザインから、ヴィンテージオーディオ市場では「幻のB級オーディオ」として非常に高額かつ希少な価値で扱われています。




