10周年おめでとう、そしてありがとう(ワタナベタカシ10周年記念ツーマンライブ第二陣〜侍文化×meiyo 寒くて鳩膨らむ の巻〜@新代田FEVER 2025.6.19 その2)
その1に続いて、その2はmeiyoさん編です。
・meiyo
SEなしで石本さんが登場、ギターがポロポロと鳴り出して「あとがき」始まり。 意外な1曲目だったけど、シンプルなスポットライトに照らされて歌う姿に、10年歌ってきた覚悟と、これからも歌っていく決意を見て、歌い終わる頃には納得の選曲でした。
もともとピアノ伴奏のこの曲、ギター1本で演奏するのはかなり難しいことだと思います。 伴奏の合間でメロディのフレーズをシンクロさせる、緻密で歌に寄り添った演奏に唸らされました。 石本さんのmeiyo曲に対する理解の深さ、すばらしいですよね。 こんな人がバンドにいてくれたら心強いだろうなあ。
「チャイニーズブルー」が聴けてうれしかった! イントロの「ワン、ツー!」が、うれしいたのしい。この曲が人気なのもうなずける。
クラップ難しいでしょ?って得意気だったの、なんの曲でしたかね? 普通に手拍子してたけど違う違うみたいな、meiyoさんがやってたのは四分音符と二拍三連の組み合わせかなんかだったような、、、
「ねぇよな」入りのブレイクが強調されたアレンジ、かっこよすぎでした。 「はーい先生!」で挙手するのたのしい。
「なにやってもうまくいかない」は、2番でバンドが入ってきて、もう一段階レベルアップする感じが大好き。 打ち込みとバンドのハイブリッドだからこそできる、折衷主義なmeiyoさんならではのアレンジ。 (関係ないけど「木゜ッ木゜」ってなんて読むのだろう)
この2曲は特に、誰かの模倣じゃないオンリーワンの表現で、meiyoさんにしか表現できない世界がちゃんとそこにあって、自分が書いた曲を自分で歌うと、こんなにも奥行きある表現になるんだって本当に感心する。
とりわけこの日の「なにやっても~」は、楽しさに加えてフラストレーションの爆発って感じでした。 あんなに必死に「なにやってもうまくいかない」って叫ぶとは、自分でも思っていなくて。 そういう感情を抱いて人生過ごしてきたわけではない、つもりだったけど、深層心理で何か感じ取ったのか、、、 あれがこの曲に初めて共感した瞬間だったかも。
一方で「まぁいっか!」や「ビートDEトーヒ」のハッピーさも大好きだし、本当カメレオン作家ですよこのお方は、、、 いろんな音楽を吸収して、カラフルなアウトプットをして、これからどんな音楽を生み出して聴かせてくれるかと思うと楽しみです。
本編最後はなんと新曲。 声質と発音の良さで、歌詞がしっかり届いてきて、その世界に浸らせてもらいました。
シンプルなバンドサウンドに乗って歌われたのは、とっても狭くて近い距離の恋の話。 meiyoさんがそういう歌詞を歌うのはなんだか新鮮で、まだ違う引き出しを持っているんだと、ドキドキしながら聴いていました。 meiyoさんはアウトロの間ずっと、お客さんの顔を一人一人順にゆっくりと見渡していて、その仕草を見ていたらこっちが泣けてきて。 本編はそれで終わりで暗転して、アンコールの期待感がこもった拍手が鳴り続ける中、私は気持ちを前に進めることができず、ひとり鼻をすすっていました。 あのときmeiyoさんはどんなことを考えていたんだろう、どんな景色に見えただろう。
「I’m Alone」を作った時はこんな景色が見れるなんて思ってなかった、と感慨深そうなmeiyoさん。 音楽やっててつらいときに音楽に救われた、自分の音楽がみなさんの日々の中で少しでも救いになれば、という言葉。 そういう人はたぶんたくさんいるし、少なくとも私は、meiyoさんの音楽に救われました。
この日歌ってくれた「ちょっとだけ」の歌詞、「解けない 問題を抱えても いつのまにか乗り越えちゃうでしょ」。 新しい仕事が大変で解決策も見つからない、苦しかった時期にこの曲がリリースされて、この言葉が無条件に、根拠もなく私を励ましてくれた。 私のこと何も知らないで励ましてくれた、その無責任さが良かった。 おかげでもう今は、このフレーズが刺さる季節を越えたよ。 こんな明るい気持ちでこの曲が聴ける日がくるなんて、そのときは思ってもいなかった。 meiyoさんが歌ってくれたとおりだった。
全編を通して、手振りひとつ、表情ひとつでオーディエンスを誘える、自由自在なライブパフォーマンス。 海外ライブを経るとそんな技ができるようになるんですか? ライブの伸びしろすごくないですか? meiyoさんはどんどん強くなっていくんだな、って思って見ていました。
去年の夏、森田恭子さんの「おとといラジオ」出演時に「ライブをどんどんしていきたい」と言っていたmeiyoさん。 有言実行で、ライブの楽しさでお客さんどんどん増えてると思います。 最初は「制作の人、たまにライブする人」と思ってて、貴重なライブの機会を逃すまいと思ってたけど、今や全通がむずかしくなるくらいライブの回数が増えて、うれしい悲鳴です。 どんどんやってください。
初めてのmeiyoさんのライブは、去年のPOP IDEA。 それがとにかく楽しく、KANさんの存在を感じて、夢のような時間だったのに対して、今回はじっくりパフォーマンスを見たり、お客さんの様子を含めて見たりして、客観的に分析しながら楽しみました。 そこにはKANさんが好きなだけじゃなく、ライブハウスで育った、また違うmeiyoさんがいて。 自身の10周年記念と銘打ってはいるけれど、浮ついた感じはなく、楽しみながらも真摯に音楽を届けてくれる姿勢に、とっても好感を持ちました。
お客さんも、いろんな時期にワタナベさんやmeiyoさんに出会った人が集まっていて、それぞれに好きな曲があって、好きなように楽しんでいて。 ずっと前からmeiyoさんを応援している人にちょっとだけジェラシーを感じたりもしたけど、でもそういう人がいないと、10年歌ってこれなかったかもしれない。 自分がmeiyoさんの音楽に出会うこともなかったかもしれない。 こうしてライブハウスで、その音楽に生で触れることもなかったかもしれない。 今までの全ての人たちのおかげで今夜があって、そこに自分もいて、一緒に10周年をお祝いできたことが、とてもうれしかった。
最初にmeiyoさんの歌を「いいね」と言ってくれたのは、マネージャーのボッタさんだったそうで。 自分の歌を信じてくれる人が近くにいてサポートしてくれるって、どんなに心強いだろうと思います。 ボッタさん、meiyoさんを見つけてくれて、歌い続けられるように守り続けてくれて、本当にありがとうございます。 鶴もマネージャーの森田さんが見出して、リリースやライブのサポートを始めたのが今までずっと続いているわけで、そういうアーティストやバンドって大成する傾向にあるのでは?と思っています。
サポートでいうと、バンドメンバーもすばらしかった。 この日はギター石本大介さん、ベース出口博之さん、ドラム守屋優樹さんの3人。 meiyoさんの幅広い楽曲のすべてで常に正解を出せる、職人のような人たちだと思いました。 「I'm Alone」では侍文化のメンバーも再登場してソロリレー、同じ楽器でも演奏する人でアプローチが違うところが興味深かったです。インタレスティング。
meiyoさんは、歌とか身振りとか全部含めて表現がどんどん進化してて、楽曲も多彩で全部良い。 ライブをたくさんやって、これからどんどん新しいことやって、変化していく人なんだろうな。 なんだかあっという間に遠くに行っちゃいそうで、出会って1年の新米ファンがいっちょまえに、寂しいような儚いような、そんな気持ちになった夜だったのでした。
改めて、meiyoさん、10周年おめでとうございます。 ずっと歌っていてくれてありがとう。












