Perfume全シングル解説 Part.2 2009~2011
2008年7月9日「Baby cruising Love/マカロニ」(2008年1月16日)
ポリリズムでのヒット後、インパクトのある次作が来ると思いきや、意表を突いた、あ~ちゃんに「右から左にスーッと抜けるような曲(飽くまで褒め言葉)」と言わしめたミディアムテンポなバラード、「Baby cruising Love」。この曲で初めて出演したミュージックステーションでは、まだテレビ局側もリップシンクの使い方が定まっておらず、生歌と口歌が半々くらいで流れるちょっと不思議な感じで流れた。アウトロの一番最後が三人の息を吸う音で終わる所が凝っていて良い。両A面もう一方の「マカロニ」もスローテンポで、アイドル感の出ている曲。渋谷近辺で取られたオフショットっぽいミュージックビデオも、今見ると当時の3人の若さが良く表現されている。
「love the world」(2008年7月9日)
初のオリジナルアルバム『GAME』がオリコン1位を獲得し、一気に人気が急上昇する中で発表されたシングル。前作に続き、今回もあ~ちゃんは「一回聴いてもあんまり良くないかもしれないけど諦めずに聴けば多分良いであろう曲(褒め言葉)」と評していたものの、この「love the world」にてPerfumeはシングルチャートでも初の週刊1位を獲得し、2015年時点でPerfumeの中で最も売れた曲でもある。また、3人が口々にダンスが難しい曲としてあげる曲でもあり、未だにちゃんと踊れていないとも。キャッチーな表題曲に対するc/wの「edge」の対比も凄く印象的で、作品としてもよく出来たシングル。
「Dream Fighter」(2008年11月19日)
初の武道館公演に挑み、急激に成長したPerfumeというグループに対し、中田ヤスタカが珍しく直接的なメッセージを歌詞にしたシングル。応援歌として東日本大震災直後にラジオでも頻繁にかけられていた。またこのシングルはcapsuleのアルバム『MORE! MORE! MORE! 』と同時発売であり、その一週間前には、同じく中田ヤスタカプロデュースの鈴木亜美のアルバム『Supreme Show』が発表されている。どちらも彼のキャリアの中でもかなりのゴリゴリな曲調な曲が多く、当時のヤスタカのモードを窺い知る事が出来る。
インパクトのあるイントロから始まる2009年唯一のシングルである「ワンルーム・ディスコ」は、2度目のオリコンチャート1位を記録するものの、この作品以降、売上は上昇しつつも他のアーティストに順位を阻まれるようになり、現時点での最後の1位獲得曲になる。ポップで親しみやすい曲調ながら、全体を通してヴォコーダーを使用したコーラスが入っていたり、音が厚かったりと、Perfume史上最も声を加工された時期を代表する曲ともいえる。
「不自然なガール/ナチュラルに恋して」(2010年4月14日)
前作から1年のブランクを経て発表された両A面シングル。 「不自然なガール」 は作曲した中田ヤスタカが自ら「鬼キャッチー」と称した曲。このシングル以降、3rdアルバム『⊿』までの大人びた冷たい無機質なイメージからサウンドから脱却し始め、声の加工も徐々に薄れ、生歌に近いような曲が増える。声のエフェクトもこの曲の聴きどころは何といっても引き込まれるようなラストサビ前のかしゆかソロパートだと思う。一方の「ナチュラルに恋して」はタイアップ先のNatural Beauty Basicの名前を大胆にも取り入れた曲。BPMが2種類ある内、遅い方をPerfumeの意見を取り入れ採用されている。
日産のCMに使用され、テレビで頻繁に流れていたこの「VOICE」は、元々夏フェスで盛り上がれるような音モノの曲をPerfumeがリクエストしていたのにも拘らず、所謂歌モノとして出来上がった曲。 ヴォコーダーもほとんど使われておらず、生歌に近い。更に曲全体がユニゾンになっており、ソロパートがない事も特徴である。
「VOICE」とほぼ同時期に録音された「ねぇ」は、 再びNatural Beauty BasicのCM曲として使用されていた。丁度リリースのタイミングが初の東京ドーム公演と重なっていた為、アンコール最後の曲だった「ポリリズム」はこの曲のシングルカバーで使用された衣装で踊っている。仮タイトルが「ミラクルドライブ」だったこと、歌詞に「信号」や「どこに行こうかな」というフレーズが出てくる事から、公言こそされていないが、元々「ねぇ」が日産のタイアップの曲だったことが推測される。イギリスのテクノDJ Surgeonが2010年ベストソングの一つとして挙げていたことでも知られる。
「レーザービーム / 微かなカオリ」(2011年5月18日)
ミュージックビデオがショートバージョンになったり、発売延期になるなど、発表時に 震災の影響を受けつつも、自身歴代2位の売上を記録したシングル。共にキリンのチューハイ、氷結のCM曲として使用され、歌詞にも”ストレート”、”シュワり”、”果実”などが「レーザービーム」に、”ふわっと香る”、”やさしい”などが「微かなカオリ」にと、 氷結を連想させるワードが盛り込まれている。また、「レーザービーム」に関しては”グラウンドに立つ”という歌詞によって、野球のレーザービームとも掛けてある。capsuleのアルバム、『WORLD OF FANTASY』が出されたのがこの翌週で、この2011年から中田ヤスタカのスタジオも新しくなった。
4枚目のアルバム『JPN』に先行する形で発表されたシングル。Aメロ→Bメロ→サビというわかりやすいポップスの曲構成でないのが特徴な曲。ミュジックビデオやシングルカバーでは、今まで徹底して統一されていた3人それぞれの髪型も変わっていて、この辺りからPerfume自身の作る「Perfumeらしさ」に柔軟性が持たれるようになったように思える。輪唱のように歌詞を追いかける部分が多く、 振り付けもそれに合わせるようにされていて、曲の世界をとても良く表現していると思う。