ぼくのカメラ、さようなら。「Agfa Optima 500 Sensor」
レンズ:Agfa Color-Apotar 42mm f2.8
絞り:f2.8-22(バルブ時のみ選択可能)
シャッタースピード:プログラムオート1/30-1/500、バルブ
ISO設定:25〜400
フィルム:35mm
電池:PX625
最短焦点距離:90cm
本格的に写真を撮りはじめると、意図した通りに動いてくれるカメラとは別に、制御できない部分を持ったカメラに惹かれるのは良くある事で。大学で写真部に入り、ある程度思ったような写真を撮って焼けるようになったころ、メインカメラとは別に、楽しく遊べるトイカメラが欲しくなった。
高校生の時から使っていたHOLGAは姉にあげてしまったし、もっと気楽に(ブローニーじゃなく35mmで)、でもそれなりにキチンと撮れるトイカメラを探していた。
やっぱりLomoのスメハチかなと悩んでいた時、大阪の中古カメラ屋の店先、恐らく舶来ジャンクなどがまとめて積まれたカゴの中で見つけたのがこのカメラだった。
一目惚れだった。四角い箱の肩にオレンジの大きなボタンが可愛い。agfaのoptimaシリーズは、上面に凹凸のある1035や1535は日本でも見ることがあるけれど、それらと違いこのoptima500はカクカクのフォルム。決め手は使用する電池が当時メインで使っていたNikomat FTNと同じMR-9(PX625)であること。Nikomatから抜いた電池を入れ、動作を確認してから購入したことを覚えている。欲を言えば、モデル銘が消えて無ければ、購入後に詳細を調べるのがもう少し楽だったんだけど。
レンジファインダーチックな見た目だけど、ファインダーは構図確認のみで距離は目測。だからピントは決め打ちでパシャパシャとスナップを撮っていくのが楽しい。シャッターを押すとジュカシャッとチープな機械的シャッター音が響く。
右肩にストロボ使用時のためのガイドナンバー設定ダイアル。
上部にはホットシューとASA(=ISO)設定ネジ。そしてかわいい(重要)オレンジのシャッターボタン。ピントリングは山(遠景で∞ちょっと手前)、三人(3.5mあたり)、二人(1.5mあたり)のみ。数値での表示は下部にあり、普段は見えないところも良い。絞りリングはA(絞り・シャッタープログラムオート)とバルブのみ。ファインダー横のまるポツが露出計で、明るいところだと電池を消耗するので、使わないときは黒パーマセルを貼っていた。
下部にはフィルム巻き上げレバーと撮影コマ確認窓(手動設定)、三脚固定ネジ穴。このレバーの位置が特徴的で使いやすい。カメラカバーはつくりにくいけどね。
このカメラはフィルムの巻取りも特徴的で、レンズ下のレバーを押し込むと巻き上げレバーの効果が逆方向になって、パトローネ内にフィルムを押し戻す。
電池はシャッターボタン下のここ。隣にはレリース接続部。
性能は上々。トイカメラが欲しくてこのカメラを買ったなんて言ったら、開発者に失礼かも知れない。でも、バルブ時を除き、絞りとシャッタースピードはカメラ任せで、どう写っているか現像するまで分からないこのカメラは、正に当時の僕が求めていたものだった。ポジフィルムを入れ、祈るように撮り、クロスプロセス現像するのが個人的なおすすめ。普通にカラーネガで撮影するのも、タイムスリップ感が味わえて楽しかった。
長い間しまっていたのを取り出し、清掃して電池を入れる。自動露出も問題無い。僕はもうこのカメラで写真を撮ることが無くなってしまったので、少し寂しいけど手放すことにする。ホコリを被っていくよりは、誰かに使ってもらった方が良いだろうから。