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Sunday cooking
札幌でゲストハウスをオープン準備中
Jaywalk発行人を勤める佐々木が、札幌に新しくゲストハウスをオープンさせます。 名前は「Social Hostel 365」 ベータ版ウェブサイトも作りましたので、ご覧下さい。ちょくちょくアップしてますよ〜 札幌ゲストハウスSocial Hostel 365
豊平峡ダム
最終日:子供のように
セブンイレブンが無数にあるため、待ち合わせに困った。 たまらずチェリーに電話をかける。 国際通話扱いになるため、料金は割高。やむを得ずだ。 「今、どこのセブンにいるの?」 「地下よ!」 なんと、地下にもセブンイレブンが。 「今、地上の5番出口にいるよ」 「わかった。そっちにいく!」 しばらく待つと、地下からチェリーが現れた。 テクノロジーがないと、待ち合わせ一つできない事実を肌で感じた。 連絡先も分からなくなれば、終わり。ユイちゃんのように。 「アンガスが夜から来るから、それまで観光しましょう。」 昨日と同様、彼女の案内で香港の街を歩き始めた。 香港島と九龍半島を結ぶスターフェリーの乗り場に向かうために、海に向かって進む。 途中、国際会議の会場として有名な、国際コンベンションセンターを通った。 ドレス姿やタキシード姿のフォーマルな人々がたくさん集まっている。 西洋人の姿も目に付く。 香港は、つい最近まで英国の植民地だったので、イギリス人も比較的多く住んでいる。 会議場を抜けると、大きな広場に出た。中央には、金色に輝く花のモニュメントが建っている。 その周りには、たくさんの観光客が集まって、写真を撮っていた。 「これは、中国人にとって非常に有名なモニュメントなの。」 チェリーは説明してくれた。 「100年間イギリスが占領していた香港を、中国に返した1997年、返還を記念して中国政府から贈られたのが、このモニュメント。 中国人にはとても有名で、中国人観光客が大勢見に来ているのよ。」 確かに、観光客は皆、中国人ばかりだった。 「写真を撮らなくても良いの?」 「うん、大丈夫。」 残念ながら、モニュメントに対して大きな価値を見いだせなかった。 自由が抑圧されている中国、かつて弾圧を恐れてイギリス領香港に移住した人たちがいた。 そんな香港も中国に返還され、香港民主主義の締め付けが、じわじわと始まっていると聞く。 「先に進みましょう。」 チェリーの先導で、桟橋に到着。フェリーに乗って、海から香港の高層ビルを眺めた。空に向かってどこまでも伸びるビル。 「I LOVE HONGKONG」と書かれたビルの照明。大企業の広告看板。ゆらゆらと揺れる船内から、ただ眺める時間が心地よかった。 対岸の九龍で下船し、街を練り歩く。下町の屋台街を散策して、唐揚げや、タピオカジュースを買って飲んだ。 「体に良い」といわれている、漢方のゼリーを食べたり、偽物ばかりを扱う洋服店を冷やかしたり。 チェリーは相変わらず丁寧に説明して、たまにジョークを言って和んだりした。 「そろそろアンガスが来る時間。待ち合わせ場所に行きましょう」 アンガスは香港の北、中国国境に近い新界(ニューテリトリー)に住んでいた。 タクシーを捕まえて、待ち合わせ場所である九龍のナイトエリアに向かった。 乗り込むと、チェリーは急いで化粧を始めた。毎分のスピードで顔つきが変化していく。 「あれ、さっきとは別人になってる!さっきまでのチェリーはどこだ?」 「ちょっと!ふざけないで。私は真剣なの!」 そういってチェリーは笑った。 メイクアップはとても偉大なものだ。そして彼女はアンガスに夢中だ。 「ヨー、また再会したな、ソウイチ!」 待ち合わせ場所でアンガスは待っていた。 チェリーは急に声のトーンが和らいで乙女モードになったのが面白かった。 近くのアイリッシュパブに入り、ビールを飲んだ。 アンガスとは、旅のこと、日本のこと、お互いの仕事のことなどを話した。 チェリーは相変わらず借りてきた猫のように静かだ。 「ここは奢るよ!次はダンスしに行かないか?」 アンガスは気を使って奢ってくれた。次に向かった先は3軒となりにあるライブバー。 店の半分がバーになっていて、扉を開けて隣の部屋が、ダンスフロア。 生バンドが踊れるヒット曲を歌って演奏してくれる、アジアに多く見られるタイプのお店だった。 入った時はJay-Zの「アンブレラ」をカッコよく歌い上げていた。 僕たちは後ろの方でお酒を飲みながら、踊ったり話をしたり。 するとアンガスが耳打ちをしてきた。 「ソウイチ、ステージの前に女の子がいるだろう?」 そう言われて目を向けると、確かに最前列で女の子2組がノリノリでダンスしていた。 「あの子たち、声をかければ、簡単にTake away(お持ち帰り)できるぜ?」 「ほう。」 爽やかでイケメンのアンガス。クールだけど、バッドボーイだった。 ややしばらく楽しんで、店を後にする。店の前で皆でタバコをふかした。 香港最後の夜だ。 「二人とも、今日はありがとう。最高に楽しい香港になった。アンガス、ビールご馳走さま!」 「おう、またどこかで会おうぜ。明日仕事がなければ、もう少し付き合えるんだけどな〜。」 時刻は24時を過ぎたころだった。 タクシーを捕まえて、帰り道が同じチェリーと一緒に香港島に戻ることに。 「See ya!」 アンガスと別れて、タクシーの乗り込む。 車は再び香港島へ。船で渡った海を、今度はクロスハーバー・トンネルを使って戻ることに。 シートに深く腰を埋め、ほろ酔いの中で、トンネルのオレンジ灯を目で追った。 タクシーはぐんぐんスピードを出して行った。 「カナダに行って、スノーボードのインストラクターになりたいんだよね。」 車内でチェリーは将来の目標について語ってくれた。 「つまり、香港を出るの?」 「そう。この国じゃ、本当の私でいられないわ。自然の中で、思いっきり遊ぶの。子供のように。」 「子供のように?」 「そう。素敵よ。きっと」 確かに素晴らしい、と思った。 トンネルは出口まで、まだ結構距離があるようだ。 「ソウイチはどうするの?」 僕は少しだけ間を置いたあとに答えた。 「あんまり考えてないんだ。やりたい事をやりたい時にやれれば良いなって思ってる。」 正直な想いだった。 「良いね。日本にはいるの?」 「うん、北海道にいるから、遊びに来ていいよ!」 「あなたの家に泊まればフリーアコモデーション(無料宿泊)だね、ラッキー!」 「いや、実家だから良いゲストハウス紹介するわ笑」 他愛もないやりとりがとても心地よかった。 前方から、出口の光が見えて来た。同時に、香港の旅の終わりを悟った。 コーズウェイベイに到着し、宿の前でタクシーを降りる。チェリーはそのまま自宅まで乗っていくとのこと。 「明日はお見送りできないけど、気をつけてね。北京までの列車はきっとデンジャラス。Pick Pocket(スリ)も多いんだから。」 「大丈夫、心配しないで。スリ対策には自信があるんだ。」 そうはいっても、どこか心配そうな顔をこちらに向けていた。 「寝坊しないでね。明日メールするから!それじゃあ!」 タクシーのドアが閉まり、夜の摩天楼の中を走り抜けて行った。 香港を発つことに、名残惜しさは湧いてこなかった。北京への旅が控えているからだ。 日々景色が変わり、新しい人と出会い、「初めて」に触れる旅は、過去を惜しむ暇を与えない。 「今を生きている感覚。」日常生活の中でも、そう感じたい。まるで子供のように。 2013香港編・完
Little SAPPORO.
国道5号札幌新道 (東豊線 新道東駅前歩道橋)
札幌 菊水円形歩道橋
失踪
お寺参りを済ませた後、僕たちは佐敦(ジョーダン)地区に行き、ご飯を食べた。どこか懐かしい古い町並みが残る下町エリアだ。
注文したのはラーメン。だけどトッピングや麺の種類、スープの味まで、細かに注文できるシステムで、結構戸惑った。
何せ英語のメニューが無かったので、全て漢字表記の中で、味を推測する必要があったためだ。
「イノシシの肉って書いてあるけど、これってあのイノシシ?」
「あ、猪肉は豚肉のことだよ。」
分からないなりに、以前中国を旅していた時の記憶をひっぱり出しながら、解読をすすめた。
手探りの中、料理を注文すると、だいたい予想通り、味と中身の料理が出てきた。漢字って結構ツカえる。
「これからどうしよっか?」
ラーメンを食べながら、ユイちゃんに聞いた。
チェリーと待ち合わせの時間まであと1時間くらい。
「明日日本に帰るので、友達にお土産を買いたいんですよね。クッキーの中におみくじが入っているやつなんですけど知ってます?」
「えー、そんなのあるんだ!」
※あとで調べてみると、それはフォーチュンクッキーという。帰国してからAKB48が曲を出して、ちょっとびっくりした。
「あとはカワイイ雑貨とかも欲しいです。」
ガイドブックによれば、香港でお土産に最適な雑貨が欲しい場合、掘り出し物も多い、「キャットストリート」に行くと良いそうだ。
「じゃあ、キャットストリートに行こうか!」
ご飯を食べたあと、地下鉄を乗り継いでジョーダンから香港島の上環駅に行く。昨日の夜に歩いた中環(セントラル)の隣駅で、キャットストリートの最寄り駅だ。
上環駅に到着し、地上に出た。ここからキャットストリートまでは少し歩く。ガイドブックで現在地を確認する。
「まずはこっちに向かってあるけば良いね!」
僕はそういって横断歩道を渡った。車道を挟んで向こう側からは大勢の人が歩いてくる。人の洪水だ。
横断歩道を渡りきり、さらにそのまままっすぐ歩く。
1分くらい歩いた後、後ろに人の気配がないことに気づき、振り返る。
ユイちゃんはいなくなっていた。
さっきの人の波ではぐれたのかもしれない、
もしくは、気が変わって一人でどこかにいってしまったのかも。
そのどちらにも可能性があり、心当たりがあった。
というのも、先導するのはいつも僕で、ユイちゃんはその後をゆっくりとついてくるスタイル。
とてもマイペースな印象があった。
いずれにしても、人が溢れている香港の街で、探し出すのは難しいだろう。
お互いの名前以外は何ひとつ知らない。
宿は一緒だけど、このまま深夜まで帰る予定はない。彼女は明日の午前中のフライトで日本だ。
偶然宿で出会って、気がつけば消えていた、不思議な話。
だけど、旅をしていると、
カンボジアで一緒に遊んだ人が、三ヶ月後に代々木公園でばったり会うとか、不思議なことが結構起きる。
「袖振り合うも多生の縁」という言葉がある。
(知らない人とたまたま道で袖が触れ合うようなちょっとしたことも、前世からの深い繋がりがあるということ)
たった半日でも一緒に遊べて、楽しかった。
気づけばチェリーとの待ち合わせ時間が近づいてきた。近くにスタバを見つけたので、wifiにアクセスしてメッセンジャーを飛ばす。
「今、上環だよ。」
「OK、18時にセントラルで待ち合わせしましょう、7-11の前にいるわ。」
「なんですか、7-11って」
「あなたそんなことも知らないの?セブンイレブンよ」
コケにされながらも、待ち合わせ時間にセントラルに到着した。
帰宅時間ピークの街。空を見上げる。まだ明るいが、超高層ビルがひしめき合っているせいで、地上まで光は届かない。
すでに街には煌々とネオンが輝いている。
ざっと周りを見渡すとセブンイレブンらしきお店が四つもある。
「あれ!困ったな。」
野良Wifiを探すが、繋がらない。時刻は18時。途方に暮れながらも香港最後の夜が始まる。
JAYWALKササキの個人ブログを紹介
個人ブログを立ち上げました。 就職以外の選択肢を考えるブログ「シューショクイガイ」 jaywalkともども宜しくお願い致します! ササキソウイチ
願えば叶うお寺
5月23日 香港二日目 黄大仙へ。
翌朝。
随分熟睡した。時計は10時だ。 外に出ると天気はどんよりとした曇り空。 傘は携帯しておこう。
まずは旅行代理店へ向かう。 取り置きしてもらっていた列車のチケットを引き取る為だ。
チケットの行き先は北京。 日付は明日のもの。
香港から北京は約2600キロと,かなり離れている。 飛行機で行くこともできたが、せっかくの中国。 大陸を列車で縦断したかった。
代理店オフィスは、 滞在している香港島から海を渡った中国大陸側、 九龍(カオルーン)地区にある。
船でも渡れるが、地下トンネルや電車もある。 今回は地下鉄で九龍のオフィスへ向かった。
そこは日本の大手旅行代理店H.I.Sの香港支店。 お金は札幌H.I.Sで既に支払い済みなので、 本当に取りに行くだけだ。
個人旅行者のかゆいところに手が届くこの会社。
デスクで引き換え証を提示すると、直にチケットをくれた。 チケットには「香港ー北京」の文字。
長い旅になることは容易に想像できた。
一旦宿に戻ることに。もうすぐお昼だった。
来た道をそのまま戻り、宿の部屋の前まで来た。
部屋の鍵はカードキー式だ。
いつもの様にドアノブにかざす。が、開かない。 何度やってもエラーが出る。 このままだと埒が明かない。そう思ってフロントに向かった。
フロントでは、チェックアウトする宿泊者で混雑していた。
カウンターでは、アジア系の女の子宿泊者が、 スタッフとなにやらモメている。
「私がロッカーに入れた荷物が無くなっているんだけど」
会話から察するに、 僕のカードキー問題より深刻なのは明らかだった。
「あなた、人のロッカーに荷物を入れていたでしょう?こっちであなたの荷物預かっているわよ」
スタッフはとても面倒くさそうな顔をしながら、カバンをカウンターに置いた。
英語の発音からして女の子は日本人のようだ。
僕の番になった。 カードキーについて伝えると、直に別のカードを発行してくれた。 解決までわずが10秒。気を取り直した。
エレベーターに戻ると、 さっきの女の子もエレベーターを待っていた。 香港のエレベーターはとにかく来ないことで有名だ。 待ち時間に折角なので、声をかける。
「日本人ですか?カバン、戻ってきて良かったですね。」
彼女はこっちを向いた。
「あ!日本の方だったんですね、聞いてました?ホッと一安心しました。」
僕たちは他愛のない会話を続けた。そのうちエレベーターが来る。 僕は8階を、彼女は6階を押した。やがて6階に止まり、ドアが開く。
「そういえば・・・」
降りようとする彼女の背中から声をかけた。
「これから一つだけ観光地を見て、 その後、香港人の友達とご飯を食べに行くんだけど、来る?」
普通の観光客が地元の人と交流する機会というのは少ない。 せっかくならばと誘ってみたのだ。
「楽しそうですね!わかりました。一緒に観光もいきましょう。」
「本当に?じゃあ、一時間後にラウンジで。」
「はい!」
8階で降りてカードキーを試すと、無事に解錠できた。 シャワーを浴びて、着替える。少しくつろいだら、一時間はあっという間だ。
ラウンジに降りると女の子がいた。
「さあ、観光にいきましょうか!」
女の子は手に「地球の歩き方」の香港版を携えていた。 ガイドブックを持たない僕には、とても新鮮に写った。 あれば便利であることは間違いない。
僕らは香港の数ある観光地の中で、 道教の古刹である黄大仙というお寺に行くことにした。
なにやら「祈れば叶う」という大変ざっくり、 かつ強力なご利益のあるお寺だそうだ。
外に出て、駅に向かう途中で改めて自己紹介をした。 女の子はユイと名乗った。神奈川の大学生で、この間までは就活をしていたそうだ。
「なんで香港に?旅が好きなのかな。」
率直な疑問をぶつけてみた。
「実は彼氏と別れてしまって、、、本当はどこでも良かったんですが、香港に来ました。」
なるほど。それも立派な旅の動機だろう。
「そっか、大変だったね。もう関係は修復できないのかな?」
「お互い、就職活動が上手く行かなくて、それに伴って、だんだん心の距離も離れていったんです。 どちらからともなく、別れよう、と言うことになって・・・。私はまだ好きなんですけどね。」
香港にいても、心は日本にあるようだ。
地下鉄を乗り継いで、黄大仙についた。 入り口には線香売りがたむろしていて、押しが強い。
線香はお寺でもらえるので、買う必要はない。
門の前に経つと、確かに大きなお寺だった。 周りを高層マンションが取り囲んでいる光景が、香港らしい。
中に入る。 両手に線香を挟めて、熱心にお祈りしている人々がいた。 その姿は真剣そのもの。 僕たちも線香を受け取り、火をつけた。
「何を祈ろうか?なんでも叶うって有名みたいだけど。」
ユイちゃんは答えた。
「ん〜、じゃあ復縁を祈ります!」
僕は家族や仲間の健康を祈って、手を合わせた。
その後、お寺の中を散策した。 すると、占い師が常駐するエリアを見つけた。 わずか一畳ほどの占いスペースが一列に並んでいる。 中にはたくさんの占いに関する道具や表のようなものが。
冷やかして見て回っていると、一人の占い師が声をかけて来た。
「日本語で占いできるよ」
お値段は日本円にして500円くらいだった。 面白そう。率直な感想だった。
「ユイちゃんも、恋の前途を占ってもらったらいんじゃない?」
僕の問いかけにユイちゃんは首を横に振った。
「うーん。悪い結果だったらと思うと、聞く勇気がないので、私は遠慮しておきます。」
僕だけ占ってもらうことになった。
「仕事、恋愛、健康のどれを占いたい?」
占い師が聞いて来た。
「あれ、一つだけなのか。それじゃあ・・・仕事で!」
そして、生年月日や、いくつかの質問に答えたあと、 おみくじのようなものを引いた。 それらを照らし合わせ、結果を元に占うようだった。
「今年の1月から4月は、まあまあだったね。だけど5月から12月は、良くなるよ!」
占い師はざっくりした占い結果を教えてくれた。
「なるほど、それでそれで?」
僕はもっと知りたいと思った。
「? オワリデスヨ?」
なんと5分で終わってしまった。
「え、それだけ?笑」
後ろでユイちゃんの笑い声が聞こえた。 おみくじのほうがもっと親切だろう。 後日ネタにしようと思って占い師とツーショットを撮影した。
黄大仙 を出ると雨がパラついていた。 僕たちはイスに座って少し休んだ。
何気にユイちゃんが口を開いた。
「香港に来て、少しだけ楽になりました。日々の煩わしさを離れて、少しだけ自分を客観的に見つめて。」
別に海外じゃなくても良い。 旅をすると頭がクリアになっていく。
仲間とワイワイ行くのも良い。 しかし一人で思いのままに過ごす時間も悪くない。
香港初日:綺麗な夜景は中で働いている人がいるから
・あらすじ
2013年5月、当時勤めていた会社を辞めて2週間の旅に出ました。 行き先はバンコク、香港、北京。
当初は行く予定の無かった香港。 豪州時代に知り合ったチェリーという女の子が住んでいたので、 ついでに寄って、現地で会う約束をしました。
しかしバンコクにいた時、ふとFBを見るとチェリーもバンコクに遊びに来ていることが判明。 まさかの3年振りの再会をバンコクで果たし、一緒にご飯を食べました。
横にはアンガスという若い男が、これは気になる。
チェリーは先に帰り、その数日後、後を追うように香港に向かいました・・・
5月22日 一日目
香港国際空港についたのは20時。
バンコクから3時間くらいの楽なフライトだった。
話によると、仕事終わりのチェリーがどこかで待っててくれるようだ。 急いで空港の無料Wifiにつないでメッセンジャーを飛ばした。
「今着いたよ」
すぐに返事がきた。
「Welcome to HK(香港)、香港駅で待ってる!」
空港から香港駅は電車で一時間ほど。 すぐにチケットを買って、電車に飛び乗った。
電車の中は清潔で快適。モニターがついておりテレビ番組が放映されている。
車窓からは、40階建てはあろう超高層マンションが何本も密集し空に向かって伸びている。
巨大な壁が現れたような光景。
「圧倒的な大都会」
そんな印象だった。
駅に着き、改札に出ると彼女が待っていた。
彼女は僕の格好をじっと見て、こうつぶやいた。
「荷物それだけ?宿にチェックインしないで先に観光に行こうよ」
今回の旅は小さなバックパック一つだけ。 5キロもなかったので、了承した。
既に21時。 普段の自分なら宿に戻り観光は明日にしたいところ。 そもそも営業してるのか。
「大丈夫。香港は眠らないのよ。」
僕は香港の夜景が一望できるビクトリアピークに案内された。
タクシーで麓まで向かい、ロープウェーで山頂へ。
地上の熱気が嘘のように、少しひんやりして過ごしやすい。
ビューポイントに行くと、 眼下には超高層ビルの集合体が煌びやかに輝いていた。
「凄い、これは凄すぎるよ。こんな大都会初めて見た」
チェリーは、一際高いビルを指差した。
「あれは香港で一番高いビル。118階建てだよ。」
あっけにとられている僕とは裏腹に彼女はつぶやく。
「あんなに綺麗な夜景があるのも、中で働いている人がいるから。そんな香港、私は好きじゃないの」
辛口なコメントだ。この件は何度も豪州で聞いた。 だから彼女はかつて国を出たのだ。
本当に好きなのは自然、大好きなスノーボードができる雪山、 そしてストレスのない暮らし・・・。
「街を歩きましょう」
僕たちは来た道を戻って下山した。 時間は22時に差し掛かった頃だった。
山の麓でチェリーの携帯が鳴る。アンガスだ。
「ソウイチと話したがってるよ」
そういわれて電話を替わった。
「ヨー、ソウイチ。HKについたかい。バンコクぶりだな」
「夜景を見て来たよ。すごかった!」
「それは良かった。明日3人で飲もうぜ。奢るよ」
そんな他愛もない会話をして電話を終えた。
ここでひとつ気になる質問をチェリーにぶつけてみた。
「ねえ、アンガスはボーイフレンドなの?」
いつもハキハキと喋るチェリーが少し困惑した様子で答えた。
「正式なボーイフレンドではないの・・・」
彼女は続けた。
「彼から連絡が来ればすぐに返信する。会いたいと言われればすぐに駆けつける。私はベストを尽くしているんだけど、彼はなかなか返事もくれないの」
「ひょっとしてそれは・・・」
僕は途中で言葉を飲み込み、話題を変えた。
「ご飯、食べに行こうよ!」
「OK!」
僕たちはタクシーを拾い、チェリーの住むワンチャイ地区に向かった。
雨が降ってきた。結構激しい。
「街歩きも良いけど、その前に傘をゲットしましょ」
「OK!じゃああそこのコンビニで・・・」
チェリーはすぐさま言葉を遮った。
「もったいない!実家がこの近くだから取りにいきましょう。」
なるほど、と思い、チェリーの後ろをついていった。
ワンチャイ地区のすぐそばにチェリーの実家があった。 香港人の大半がそうであるように、マンション暮らしだ。 玄関のドアをあけると柴犬が飛び出して来た。
「日本の犬だよ。本当に可愛い。」
チェリーは柴犬とじゃれつつもお母さんから傘を借りた。 僕はお母さんに挨拶をした。
頂いたのは未使用の折りたたみ傘。
「大事に使うよ。ありがとう」
「あげるから、日本でも使ってね、香港土産よ」
そういってチェリーはケラケラ笑った。悪くない土産だ。
ワンチャイから香港の行政中心地である中環(セントラル)を歩く。
昼間はたくさんの人が働いているのだろう。 オフィス街はどこもそうだが、夜は嘘のように静まり返る。
50階、60階、70階。地上から見上げると、 超高層ビルが切り取る空はとても狭かった。
「ここは政府のビルで、ここは銀行のビル、こっちは歴史のある小道で昼間は活気があるのよ」
異国の地の雨の夜、静まるビルの間を縫うように散策する。 こんな夜更かしも嫌いではなかった。
オフィス街を抜けると、 ナイトライフのメッカである蘭桂坊(ランカイフォン)にたどり着いた。
オープンバーやクラブなどが軒を列ね、欧米人が酒を飲んでいる。
「週末は大変な賑わいなのよ。あ!ここのクラブは女の子が”軽い”からナンパも楽勝で有名なの」
時々、裏観光的な情報も教えてくれるチェリーの案内は退屈しなかった。 気づけば雨が止んでいた。
ワンチャイに戻ったら、小さな食堂でご飯を食べる。
揚げ餃子が入ったラーメンや中華の炒め物。 セレクトは任せていたが、どれも美味しい。
その後トラム(二階建て路面電車)に乗って、 宿のある銅鑼湾(コーズウェイベイ)へ向かう。
ここはショッピングスポットとして有名で、 デパートやモールが並ぶエリアだ。
このあたりも少し散策していると、 気づけば今晩泊まる宿の近くまで来ていた。
「今日はこのあたりにしておこうかしら。明日も昼間は仕事なんだけど、 終わったら合流しましょう。またいろいろ案内するから」
「うん、今日はありがとう。連絡するね。おやすみ。」
そういって僕たちは宿の前で別れた。
チェリーが帰る背中を見えなくなるまで目で見送った後、 持っていたタバコに火を付ける。
思えば、異国の地でここまで、親切に案内してくれる人は初めてだ。
そんなことを程よい疲れの中、ボーっと考えているうち、 また雨が急に降り出してきた。
すぐにもみ消して、僕は急いで宿の中に入ることに。
時計を見ると、間もなく日付が替わる時刻だった。
続く。
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http://honyak.wordpress.com/
2/24北海道新聞コラム「あの場所で」
往復3万3千円で春の英国へ 航空券に英観光庁補助
ブリティッシュ・エアウェイズは2月14日まで、成田・羽田両空港からロンドン、マンチェスターなど英国の主要9都市までのエコノミークラス航空券の一部を往復3万3千円で売り出す。7日から5月末までの便が対象。正規の価格は約36万円で、差額の一部を英国観光庁が補助して安値を実現した。 http://www.huffingtonpost.jp/2014/01/31/lets-go-to-england-_n_4706179.html