【からくわワークキャンプ maru-camp vol.1&vol.2】
この夏、からくわ丸主催 大学生対象ワークキャンプ「maru-camp」を実施しました。
ワークキャンプとは、労働活動を通して地域課題・社会課題に向き合いながら(ワーク)、その現地に1,2週間〜泊まり込む(キャンプ)というボランティア活動のひとつです。
今回から始動する「からくわワークキャンプ maru-camp」のテーマは「ポスト被災地の開拓」。
大学生にとって、全く新しい気仙沼・唐桑での活動が動き出しました。(以下、フライヤーの紹介文より)
Be a pioneer.「ポスト被災地」をきり拓け
3.11 から4年、被災地三陸沿岸は次のフェーズに入ろうとしています。 「社会から支援される被災地・三陸」から 「社会の最前線として価値を発信するリーディング地域・三陸」へ。
そこで、気仙沼・唐桑地域が新しいワークキャンプをはじめます。
地域・地方・いなかの趨勢が注目される2015年は地方創生元年。
いま、大学生だからこそできることは 「三陸の震災復興支援の方法を悩む」ことではなく 「社会のために三陸から何を発信するか?
三陸にあるものを掘り起こし、デザインする」つまり「開拓」です。
ワークキャンプは共同生活をしながら仲間とワークを組み立てていき
ます。とにかく楽しい!でも、それだけじゃないワークキャンプ。
将来につながる出逢いやコーディネート力を得るチャンスかも? 何かが変わる熱い夏がやってきます!
vol.1は8月5日〜13日の期間に10名のキャンパー(大学生)が、
vol.2は8月22日〜30日の期間に14名のキャンパー(大学生)が、
それぞれ8泊9日共同生活を送りながらワークをしました。
<maru-camp vol.01>
08/05 唐桑到着
08/06 まち歩き(気仙沼市主催)
08/07 まち歩き(気仙沼市主催)
08/08 モニター漁師体験プログラム/ワーク開始
08/09 ワーク
08/10 ワーク/たづぼんこ
08/11 地元の夏祭り/国昭さんツアー
08/12 ぬまトーーク!(気仙沼市主催)
08/13 ラストパーティー/唐桑出発
<maru-camp vol.02>
08/22 唐桑到着
08/23 まち歩き(気仙沼市主催)
08/24 まち歩き(気仙沼市主催)
08/25 ワーク開始
08/26 国昭さんツアー/農家訪問
08/27 ワーク
08/28 ワーク
08/29 ふるさと からくわ いなか学校/ラストパーティー
08/30 唐桑出発
まち歩きや漁師体験など地域を知るプログラムを前半に行い、メインの活動であるワーク(後述)に取り組みました。その中で、キャンパーたちは「ポスト被災地」を手探りで開拓していくことになります。
企画するにあたって、新たな挑戦ポイントは4点ありました。
ここ数年「被災地」という言葉の風化とともに、新規で三陸を訪れる大学生は減少し続けています。
でも、そもそも三陸が人を惹き付け、リピーターを生む要因は「被災地」であるが故ではありません。それは、人であり風土であり、そして今から本格化する「わくわく」するような地域づくり、チャレンジです。
これからも、いやこれからだからこそ、大学生により長く気仙沼・唐桑の地域づくりに関わってもらいたい。
なぜなら、地域づくりに大学生(ヨソモノ兼ワカモノ兼バカモノ)のエネルギーは欠かせないからです。
そのために、あえて「被災地支援」という言葉を卒業しました。
今回のメイン活動は、からくわ丸拠点「ホーム」というプレハブ小屋の前にウッドデッキを作るというワークでした。
ホームは、2011年から夜な夜な地域内外のワカモノが集まり、飲み会を重ね、MTGを重ね、週刊少年ジャ◯プの話題から唐桑の将来まで語り合う不思議なプレハブ小屋です。
そんなホームをグレードアップされたい!もっと人が集まってくる「まちづくりの拠点」にしたい!という想いで、今回のワークが企画されました。(そこで描かれたのがトップ画の1枚の絵。by総大将じゅんちゃん)
…が、どんな人が集まってくる?どうやって集まるの?そもそもどうやって作るの?などなどは全部白紙。地元のからくわ丸メンバーや若い大工さんらとの協働で、手探りで進めます。
「なんでこれ作ってるの?」と悩むキャンパー(大学生)は続出。よく言えば「クリエイティブ(創造的)」、悪く言えば「白紙」の企画でした。ごめんなさい。
ただ、ワークを進める内にメンバーの一体感が生まれたり、「こうやってウッドデッキを使えばおもしろいよね」というアイディアと愛着が湧いてきました。
ワークの意義は「ワークをしながらひとりひとりが考える。決して頭でっかちにならず、最初に与えられた意味ありきではなく、ひとりひとりが自然体で楽しみながらそれぞれの想いをキャンパー同士そして地元の人間と共有できる」…そんなプロセスにあると思います。
そんな企画、今までありませんでした。「◯◯だから、被災地にとって有意義である」という結論ありきの企画が主流でしたから。
今回の宿泊場所は、唐桑の古民家の空き家でした。2015年は「空き家対策元年」とも言われています。
まず、キャンパーが到着したらみんなで一斉掃除するところから始まります。キャンパーが住み始めると家は生き返ります。カビの臭いが立ちこめる寒々とした家が、ポカポカしてきます。
これからの人口減少社会における地域づくり活動には、空き家のリノベーションは欠かせません。
「家」って生き物だ。そんなことを肌で感じたワークキャンプでもありました。
vol.01のキャンパーには、キャンプの終盤に気仙沼市主催「ぬまトーーク!」というワークショップ企画に参加してもらい、地域のワカモノ数十名の前で「移住定住」をテーマにプレゼンテーションをしてもらいました。
キャンパーにとって少しでも「発散」の場をつくりたい、という思いでした。
しかし、これまたキャンパーをかなり困惑させた企画でして。
これまでの人生で「移住」なんてキーワードについて考えたこともない大学生たちです。
一方こちらは「なんでもいいから、このキャンプで感じたことを地元の兄ちゃん姉ちゃんにぶつけてみて」と「無茶ブリ」し通します。
夜中までみんなで喧々諤々議論を続けるキャンパーたち。
そうしたら当日、すごく興味深い意見が飛び出したのです。気仙沼・唐桑の人のあたたかさを地域の魅力として語る一方、「移住」に対する疑問を投げかけたのです。
人口減少対策が急務である気仙沼では移住定住政策が不可欠だとされていますが、そもそも本当に「移住」は「いいこと」なのでしょうか?という疑問です。
「そもそも地元は移住者に何を求めていますか?」
「移住(者が増えること)によるデメリットは本当にないのですか?」
これには舌を巻きました。ヨソモノならではの客観的で素直な指摘でした。 この意見は地元紙を通して全市に配信されました。
なるほど「移住者を呼び込むこと」が目的ではない。それは手段だ。 何のための「移住政策」なのか、よくよく考察する必要がある… 私自身気づかされました。
最後に、あるキャンパーのキャンプ終了直後の感想をSNSから抜粋させてもらいます。
今回maru-campをやって、自分の中で確信したことが一つあります。それは
「大勢のワクワクが集まったエネルギーは、多くの人を幸せにする。」
企画が唐桑にとってどういう意味があるかとかそんな堅いことばかりに縛られずに、単純に大学生が全力で何かをすれば、そのエネルギーはすごく大きな力を持っていて、多くの人を、唐桑を元気していくのだと思います。
最終日にキャンパーも本部メンバーも涙したあの光景がこれを物語っていると思います。
言い換えれば、これこそ今回のテーマだった「ポスト被災地の開拓」だと思います。
「被災地”支援”(=唐桑に何かしてあげる)」からの転換ですね。
大学生が地元の人たちと一緒にアツくなることこそがこれからの「東北×大学生の可能性」な気がしています。
いやー、想像の100倍良い企画になった!笑
何よりも人よりちょっとだけ清潔にしたい欲が強い自分が空き家生活を楽しめたことが驚き!笑
ワークキャンプの魅力は、1,2週間という閉鎖的な非日常の中 で、いつのの間にやら地域のことが「自分ゴト」になっていることかもしれ ません。
彼らはまた必ず後輩を連れて気仙沼に来てくれるでしょう。
そしてウッドデッキに座って、後輩にまちの未来を語っているかもしれません。
「気仙沼の地域づくりに関わる大学生というプレーヤーを、自主的かつ持続的に生み続ける」というmaru-officeの今回の挑戦。
大学生の、そしてからくわ丸、maru-officeの挑戦は始まったばかりです。
それではまた来年の春に会いましょう。
maru-office 代表理事/からくわ丸 事務局長
加藤拓馬