高校時代の親友の命日。今日で6年目を迎えた。卒業して、専門1年生だった19の頃に自殺したと聞いてから、もうずいぶん長いこと時間が経ってるのに、あの時受けたショックだけは未だ鮮明に覚えている。午後の実習で手洗い場に並んでた時に同じ高校だった元同級生から「知ってる?」って聞かれて、おれはその時まだ何も知らなくて、頭が真っ白になって、嘘だと言い聞かせながら中央線に揺られて帰って、自室に戻ってから糸が切れたように泣き喚いた。何日も何日も泣き疲れて眠るまで泣いて、およそ1ヶ月で体重は激減して、授業もまともに受けられなくなって、翌年の2月に退学した。退学したのは自分の意思だから、君のせいじゃないけど。あの痛みが残る場所に居続けるのはとても耐えられなかったのだと思う。始業式当日、あいうえお順で並ばされて初めてコンタクトをとった、君の方からだったっけな。地味な根暗で、それまで友人一人すら持てなかったから、1年生の頃から知ってたよ、と声をかけてくれて嬉しかった。健康診断の時には2人ともよく似てると言われて誇らしかった。すみだ水族館でペンギンを見て君みたいだと言って笑ったり、卒業遠足で行ったディズニーは早々に飽きて自由行動開始すぐに退園して酒も当然飲めないのに吉祥寺でもつ鍋つついたりした。君はおれの希望だった。似てると言われたのは嬉しかったけど、おれには絶対敵わない存在感を放つ君には少し嫉妬もした。白くて細い手足に艶やかな黒髪と心配になるほど無垢な笑顔がほんとうに可愛くて、それは誰かに壊されてしまいそうなのが怖ろしいほどで、いやそれは自己防衛の言い訳に過ぎず本当は君の隣にいないとおれ自身がまた翳ってしまうからで、なんというか、心底君のことが好きだったんだ。6年も経つと徐々に記憶が抜け落ちていく、年を重ねるのは怖くないけどおれにとってはそれが怖いと思う。同じ年の夏に久々に会いたいと連絡があった時、おれは授業とバイトが忙しくて、いやそれもただの言い訳なんだけど行かなかったんだ。行けば良かった。もう25歳になってしまった。生活は最低なこともあるけどまあ順調だよ、でも、もう一度あの優しい顔に触れたかった。本当に手の届かないところへなんて行くな。何か大切なものが余ったらおれに教えて、この先もそれだけで生きていくと思うから。











