解決策をつくりだす
日本伝統・文化ソリューションラボ
第1期テーマ「真珠」ビジネスの変革
第3回 解決策をつくりだす in カイハウス
2014年1月18日(土)
第1期テーマ「真珠」ビジネスの変革をテーマに、スペシャリストからの課題共有、生産現場へのフィールドワーク、課題についての分析というプロセスを通して、真珠や産業の価値、可能性について様々な考察を重ねてきた。
今回のセッションでは、改めて「真珠」がもつ可能性を探り、これまでの「真珠」のイメージや使われ方にとらわれない、まったく新しいアイデアづくりを行った。
様々なキャリアをもつメンバー
様々な分野で活躍し、多様なビジネス経験を持つメンバー。若者も熟練者も。「ビジネスも学びもプライベートも、色々なところで、色々なことをやってきた。社会も成熟化し多様になり、自分のこれからの仕事の仕方や生き方を考えたとき、このラボを通じて新しい自分の社会との関わりを考えてみたいと思った」今日の参加について、そんな動機をもったとの声が聞こえてくる。
カイハウスにて
今回のラボも、貝印さんのご協力をいただき、秋葉原にある素敵なショールーム兼コミュニケーションスペース「カイハウス」にて実施させていただいた。
こちらには、メイドインジャパンの技術が誇る刃物や調理器具が並び、また、それらを体験したり、どのように使っていくのか料理や美容をはじめとした様々なイニシアティブが行われている。
http://www.kaihouse.jp
重ねて来たプロセスから見えてきたこと
4回重ねて来たラボでの気づきを俯瞰的に捉えてみる。ただ知識が増えたのではなくて、たくさんの発見があった。それは、色々な経験を積んだ人たちが集まって見えてきた新しい産業の課題の捉え方なのかもしれない。
三重(伊勢志摩)× 真珠ビジネスという切り口で実際に取り組んできてみえてきたいくつかのトピック。
>> 女性的生産体質と男性的評価体質 真珠生産の現場で見えてきたのは、元気な女性たちの支える生産現場と、結果や利益を重視してビジネス展開を進めてきた業界体質。女性的、男性的とも形容できそうなその二面性は、他の産業でも、そして日本という国がつくってきた大きな枠組みの中に良くみられるジレンマともいえる特性であることに気付く。生産だけに偏っても、ビジネスだけに偏ってもこの先はない。ではこれからどこに向かったら良いのか?
>> 縄文的ものづくりと弥生的ものづくり ラボの初回で、ものづくりの原点を探るべく、國學院大学博物館で縄文土器、弥生土器を見ながらお話を伺いセッションを行った。その中で、二つの時代で土器の果たす役割が全く違うことを知った。30年生きるのがやっとだった縄文時代、短い命を生きる人々がメッセージを刻んだのが縄文土器、コミュニケーションのツールそのものだった。それに対して、稲作を政策的に行うツールとして発展したのが弥生土器。カタチだけを考えてみても、あの火焔土器と呼ばれる縄模様の重みある縄文土器と、ツルツルして軽やかな弥生土器は、全く違う。身の回りにある縄文的なもの、弥生的なものってたくさんある。これからのものづくりと対比させて考えてみると?
>> 生きる場と働く場 フィールドワークでお母さんの話から、真珠養殖が最盛期だった頃は、女性がその生産を支えていたこともあり、とても家庭的な職場の姿が浮かび上がってきた。食事を共にし、昼休みに洗濯をして裏山に干し、夕方取り込んで家に帰る。日常生活のほとんどを過ごす仕事の場が生きる場であるのは必然のこと。働く場が活きるためにどんな環境であったらいいのか、その快適なあり方についてまだまだ発展の余地があるのでは?
解決策をつくるための切り口
現代社会のコンテクストと合わせてこれからに向けた解決策を考えていくために「幸せな働き方 生き方とは?」というテーマでいくつかの切り口が提示され、それぞれの考えを話していった。
>> 時間の流れるスピード。今、あなたは幸せ? 真珠の養殖場を見て、なんて穏やかな時が流れているのだろうと、明らかに東京での日常とは違う世界がそこにあった。
>> 栄枯盛衰。成熟した産業を再生する術を持っている? 真珠ビジネスの現場で象徴的だった「崩れた棚」。 しかし、ここはかつてにぎわっていた。仕事場であり、暮らしの一部でもあった。
>> 職場と生活の場が入り混じっていた時代。 再び、そのスタイルになる? 誇り高くしゃべる養殖場の女性たち。この真珠が、ニューヨーク5番街に並ぶ。そんなことは知らない。
>> あなたの人生の主導権は、どこにある? 企業戦士? 起業家? 社畜? 仮面社畜?
>> 道を開いた人々 軌跡のリンゴ/木村 秋則氏、痛くない注射針/岡野 雅行氏、旭酒造獺祭/桜井 博志氏、雪国まいたけ/佐竹 右行氏、ミキモト/御木本 幸吉氏
アイデアを広げる
「真珠とともに真珠をとりまく人々が100年後も輝き続けるために どんなことができるのか?」
今回はテーマに対して、ブレインライティングという手法を使って、グループでシートを回しながら、アイデアを広げていった。
簡単な仕組みだけれど、上に書かれたアイデアに触発されることで(参考にしても、しなくても良い)5分間の間に3つのアイデアを書き続けることができる(大体のところ)。5分 × 5回で、約150のアイデアが!
その後、気に入ったアイデアに☆印をつけていって、どんなアイデアが出てきたのか俯瞰した上で、特徴を踏まえて大きなテーマを見つけていった。
アイデアを深める
膨大な数のアイデアから浮かび上がってきた3つの大きな方向性に対して、グループに分かれ、シートを使ってアイデアを具体的に深めていく。グループでのワークを経て生まれた3つのストーリー。
>> 【新しい人を巻き込む】
真珠に興味・関心を持ってもらうための検定制度(ターゲットは学生)
国内での認知度が特に低い真珠産業に対してのソリューション
メリットとしては、真珠を知ってもらうことで、産業の新しい担い手や、これまで培ってきた知識や技術を伝えることができる。また、それを知った人たちに新しい働き方の選択肢が生まれたり、これまで関わりのなかった産業から生き方を学ぶことができる。
"効き珠士"(例) 1〜5級まで、全国で実施、上級は現地での現場実習を必要とする。
>> 【意外性をつくる】
"Pearl"ではなく"Shinju"で再ブランド化(Urushi=Japanのような)
国策で海外に輸出され、日本独自の技術であることやブランドとしての付加価値化が弱い産業に対してのソリューション
メリットとしては、メイドインジャパンを一言でアピールし、他の真珠との差別化をはかる。24時間いつでもおしゃれができるスタイルの提案。
"真珠会/秘密結社"、"真珠駅"(例) 真珠が持つ神秘性や興味をそそるような会や名前を効果的に使う。
>> 【体験をつくる】
観光資源としての真珠のリブランディング
真珠が生まれる背景にある環境やそこにあるリソースのもつ価値を見直すためのソリューション。
真珠を育む郷のライフスタイルを「モデルビレッジ化」。真珠をモノとしての価値で考えるのではなく、真珠を育む自然環境と、それを育む仕事の環境(知識と技術)と生活環境の豊かさをリソースとし、持続発展的な生活/体験の仕組みをつくる。
メリットとしては、真珠を地域のリソースとして捉えることで、真珠産業の再興、リブランディング、地域の再興へとつながり、また真珠の育まれる環境での生活と仕事のスタイルが、健康、新しいリゾートスタイル、食、ロングライフといった新しい働き方や生き方を提示する。
"モデルビレッジ"(例) 真珠のある文化と生活。ライフワークとして真珠産業に関わりながら住まう定住型のビレッジ。ずっと元気、アクティブ、健康、ロングライフをテーマに、少しづつでも働きながら前向きにコミュニティに参加するライフスタイル。真珠の育まれる環境=健全な生態系バランスの指標となる。居住者は、MYいかだ(真珠貝の養殖区画)をもつ。
ビレッジには、人材を養成する学校、健康をテーマにした病院やスパ、また真珠の加工をデザイナーx職人、技術者で行うためのレジデンスなども連動して整備。
"体験ツアー"(例) まずは体験。関西・中部圏から約2時間の英虞湾で自然共生型のロングライフ。「ロングステイSPA」など。
次回『報告会』へ
今後の展開について、色々な機関、企業、メディアとの連携をイメージしながらお話を進めています。報告会についての日程は、後日お知らせ致します。
Facebook イベントページ https://www.facebook.com/events/655452564497685/
Facebook これまでのラボの流れ https://www.facebook.com/pages/日本伝統文化ソリューションラボ/260372094087349
tumblr これまでのラボレポート http://nihondentoubunkalab.tumblr.com/pearl









