監督のカーロ・ミラベラ=デイヴィスは、自身の祖母が強迫性障害により手洗いを繰り返すようになったというエピソードから本作を思い立ち、結婚、妊娠、夫や義父母からの重圧により孤独を深めていく主人公が、異物を呑み込むことで自分を取り戻していくというショッキングな物語を生み出した
映像が美しくて良かった(3度観た)(興奮)金髪ショートボブの主人公「ハンター」がかわい~
ある価値観に支配されている緑色(水色)の世界に
受け入れてもらえない「異物」を
象徴しているのが「赤色」なのかなと思った
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義父の差し金で訪れるカウンセラーの部屋 (正常な人間に矯正させる施設)、
胎児の検査、異物(ドライバー)摘出のため運び込まれた時の病院内
♪「This Is the Day 」/ The The (You Tube)(異物飲みにハマったハンターの脳内で急に流れるポップで楽しげな曲)
邸宅から逃げ出して誰からも干渉されずに
ハンターが一人で過ごしてる時のモーテルの部屋はグリーンの照明
ご丁寧に手前にピンクっぽいライト置いてる?(緑の背景からこれだけが浮き上がる)
一方、逃げたハンターを連れ戻すため
電話を掛けてきた元夫の顔が真っ赤になる
これは「自分」を取り戻したハンターが支配する、ハンターの世界(緑色)から
ていう場面なのかなと思った。ハンターの人生に元夫が出入り禁止を言い渡された瞬間。
「間違ってる(異物)のは私じゃなくお前らのほうだ」「モラハラ夫をもう受容(SWALLOW)できない」
ていうハンターの認識がビジュアルで表されてるのかとおもた
モーテルでハンターが居る部屋が緑、部屋の外側が赤に染まってるのは「追手(異物)が今にも私の安全地帯に侵入してくるかもしれない」ていう緊張感と
「でも私は正しく決別できた」ていう心境のビジュアル化
ショッピングモールのトイレでハンターが最後に排出する血まみれの赤い異物と同じで「私の人生には要らない」てジャッジされた夫。(最後の赤い異物をトイレで出す時ハンターが着てたトレーナーが緑)
窓ガラスに貼った色付きフィルムは例の「カーテンの色選び」のためかと思う。
単に色付き窓にしたいわけじゃないよなこの状態をリッチーに見せてたけど🤔
水色のフィルムのほうがやっぱり自己主張しない「背景」として馴染むは馴染む。赤フィルムの異物感、不自然さ、異様な非日常めいたかんじが際立つ
ハンター「サンドイッチとスープをご一緒にいかが?別の食べ物でもいいんですけど」
義母「悪いけど遠慮するわ」 申し出を飲み込む(SWALLOW、受容する)ことを拒否
さらに「あなた、髪を伸ばしたら?息子はロングヘアが好み」と来て
やっぱりハンターが「拒絶、否定されてる」ってかんじ。
そもそも義母の「あ、ごめんなさいね~勝手に入らせてもらったわ」からして
他人の領域へズカズカと我が物顔で勝手に踏み込む(プライバシー軽視)という行いなんだなと見直してて思った
本当のこと(赤いビー玉)を言おうとしたけど結局「カーテンの色は(赤ではなく)スカイブルーにしようかと…。」とか言ってごまかす
水色は「異物」扱いされない側の価値観の象徴なのかなとおもた。緑と同じで赤を異物として浮き上がらせるもう一つの補色
あとカウンセラーの着てたニット(ハンターが「良い色ね」と言ったやつ)
夫とカウンセラーは「ハンターのセンシティブな個人情報を【本人に無断で】周囲に暴露、漏洩させる」という同じ罪を犯してるなとおもた
(妻の異食症を知人に漏らす夫、ハンターの出生の秘密を夫に漏らすカウンセラー)
「トイレ」はハンターがありのままの自分自身でいられる
パーソナルな空間、つかの間の安全地帯、避難所
トイレの外に一歩出て境界線を超えたら
そこは緑色に支配されてて
ハンターがまた「異物」扱いされる世界
あと「ベッドの下」がパニック起こして倒れたハンターのトイレ代わりの緊急パーソナルスペースになってて
ルエイがそこに入った(ハンターに受け入れられた)、不安定なハンターにルエイだけは寄り添ったていう場面良かった
夫からの「拒絶」がはっきりするシーン やっぱり色分けされた世界の境界線が映るように撮ってるのかな ←あっち側とこっち側→
赤・水色の2色の窓ガラス、「ネクタイモラハラ事件」の場面、トイレとその外側のグリーンの壁
女性は特にこのバウンダリーの問題に陥りやすいと言えるでしょう。
精神科医の水島広子氏は、著書で「女性は選ばれる性であるという考え方を持ち、相対評価の世界の中で生きている」といったことを述べていますが、
古くからのジェンダー観(男性に従うべき、子育ては女性の仕事など)によって、
NOが言えない、自分がどう思うかよりも周囲からの評価を気にしなければいけないといった環境に置かれていたことも影響しているのでしょう
健康的な人間関係を保つための鍵、”バウンダリー(心の境界線)”とは?
□頼んでもいないのに「あなたのためだから」と押し付けがましくアドバイスしてくる
□友人なのに対等ではなく、上下関係になっている、あるいは上下関係を作ろうとする
↑これ私全部やられた覚えがあるわ~具体的に特定の人間が思い浮かぶわ~(大声)
義母&ハンターが二人で話してる部屋が妙に黄色いなと思った。
あとアーウィン(生みの父)の家の中も黄色が支配的だった。
”幸せと思えるまで、幸せなフリをしろ”(Fake it till you make it.)
”で、あなたはどちらかしら?”(Are you a faker or have you made it?)
ハンターは、戸惑いなら”幸せだ”と答えるが、
義母は彼女が今幸せでないことを感じ取っているのだ。
【”異食”スリラー】『Swallow/スワロウ』ヘイリー・ベネットが体型を崩してまで挑んだ恐怖
ここに居るのは「今のヨメ」と「昔ヨメだった人」である種の共感があると思う
「昔やりたい仕事があった」「どんな仕事をしてた?」っていう「自分らしさ」の話をしている(義父やリッチーがいる場ではこういう話題は出なさそう)
今の暮らしを壊されたくないアーウィン、結局壊さなかったハンター。
アーウィンに「指図するな、私のことは私が決める」と宣言するハンター、了承するアーウィン。
自他の境界線が尊重されている。黄色の世界では他者(違ってる人)同士の
対話がちゃんと成り立つ程度のゆとりがある
適度の緊張感もありつつ「違い」が「異物(間違い)」扱いされない
おびえてめーめー鳴く子羊、屠殺されて料理される映像、
その後にハンターが「羊」の飾りをつけた「モビール」的なものをクルクル回して見つめる。(かわいい)
「屠殺される子羊」と来たら素直に「羊たちの沈黙」が頭をよぎってしまった。フェミニズム要素×サスペンス
「羊たちの沈黙」での「悲鳴をあげる羊」とは何のことかと言うと社会の弱者である「女性」のメタファー説があり
被害者女性たちの内なる叫び声=クラリスの言うところの「子羊の悲鳴」
ハンターは心のなかでは悲鳴をあげているのに
黙って飲み込め(SWALLOW)と強制されてる虐げられた家畜状態
「ヨメとして正しい姿」の枠にすっかり馴染んだ義母も、レイプ被害で妊娠して中絶の選択肢が無かったジル(ハンターの母)も
社会からの「黙って従え圧力」を飲み込まされた家畜の羊。自分が当事者のはずなのに決定権・主導権が自分に無い
誰かに飼われてる所有物なので「飼い主」が彼女らのことを決めている
何を受け入れるか、何を相容れない異物として拒絶するか、自分で決めて良いんだと分かるところまでハンターが精神のバランスを自力で回復していく話
異食症がバレて夫に「お前何考えてるんだ!」とか怒鳴られて
「だから…私にも初めてでわかんないってばあああぁっ!!」て
大声で叫ぶ場面が良かった。初めて叫びを飲み込まず体外に出せた~ってかんじで
「自分の『生まれ』を自分で受け入れよう」の意味が土食べ行為に込められてるのかなと思った
「土」は今まで飲み込んできた異物とはなんか決定的に違う。
「冷たい金属が好き」「鋭利で痛そうな物を飲むと自信が持てる」って言っていた従来のハンターが好みそうな異物ではない
カウンセラーと出生の話をした後、家で花壇いじりを始めた際に激しく土という異物にそそられて、しかし土食いは一旦やめて
その後、逃亡先のモーテルで一人になったとき結局土を拾って食べてる。
「父と娘」を映してるらしいTVの映像を見ながらもさもさ土を食うハンター
このへんの「涙目で土いじり」ハンター(花柄シャツ)最高にかわい~
撮影では土の代わりにココアパウダーか何かを食べてたのかな…本物の土を頬張ったのかな🤤
訪れた時にアーウィンの家ではちょうど娘の誕生日お祝いパーティをやってたっていうのが…なんか…🤦♀️
「母は優しかったし何の問題も無い家庭で育った」とか強がり言ってるけど実家でも自分が「異物」であることを感じながら暮らしてたであろうハンター
この、自分は何も悪くないのに積極的に周囲に言いたくない、隠しておきたい個人情報はまさに「風花雪月」の「獣の紋章」て感じ
「母も中絶を選べていたら私を産まなかったのかな」ていう複雑な思いががが
モーテルでのTV観ながらの土食べの直後にちょっとむせてシンクまで行って吐いたのと
生みの父・アーウィンの家に行った時にハンターがトイレでゲロを吐いてる。
体内のものを「嘔吐」で排出する場面はここだけだったと思う(土食べてアーウィンを意識し始めた直後)
通常はうんことして出すのがハンターの「異物飲みの締めくくり」だったと思う
「嘔吐」という反応は「土」を「受け入れきれない」「拒否反応を起こしてる」という姿に見えた
まあ妊婦なんで「つわり」かもな(てきとう)
ハンターが夫を支配して圧倒するあの妙にフンフン激しい騎乗位も「異物を体に飲み込む」
「自分の意志で自分の体をコントロールしてる実感を得る」ていう行動だと思う
言いふらされたくない個人情報を本人に無断で漏らした件で憤慨して夫に謝罪しろと迫ったし
(え?もしかしてボクに怒ってるのか?家畜の分際で?💦とか驚いてるクソ夫)(なぜか「何をしてもハンターが怒ることはない」と思っている)
このあたりは「異物飲み」以外の態度でも自己主張し始めた頃、いいぞ~てかんじ
で、今はどっちでもないって感じで、どっちにもなったりするらしいんですけど、その時は完全に女性として生活して。
で、その時に相手が彼のことを「女性だ」と思うと、すごくぞんざいに扱われるっていう経験があったらしいんですよ
カーロさんは、そのおばあさん、彼女が、「妻、あるいは母というものはどうあるべきか」という社会が要求する枠組みにはまらなかった、その違和に対して、さっき言ったような「手を過剰に洗う」というような行動で自らを保とうとしていた……結果、彼女は「罰せられた」という。はまらなかったから、罰せられた、という風に感じていた。
宇多丸、『Swallow/スワロウ』を語る!【映画評書き起こし】
社会から「罰せられる」ことがないように他人の顔色をうかがった結果「自分」というものが無くなってるのは
ハンターだけでなく夫も義父も義母も同じだと思う。特に夫かな
夫は自分がやるべきこと(ハンターと向き合い対話すること)を
親任せ、カウンセラー任せにしてるし。物事を決めてるのは自分ではなく社会(親)だから、自分は責任を負わずに済むと勘違いしてる。
「ルエイを雇うのはママが言いだしたんだからママからハンターに話してよぉ~」
「ボクはハンターの夫=飼い主だぞ、カウンセリングの内容を何でも聞く権利がある」
そもそもこいつが父の会社の重要ポストに就けたのはいわゆる「世襲で」ってことだし
新婚夫婦の豪邸もパパが買ってくれたものだし、コイツも「飼われてる身分」だろ。「飼い主」に与えられたものをただ無批判に飲み込んでるだけ(SWALLOW)
そういう男が「自分より更に格下」のハンターを見下している。
「親のペット」である男が、ヨメという名のMy家畜を持って少なくとも「ハンターの飼い主」になれるわけだね。
「自分より格下の人間」を隣に置くことで、相対的に自分のほうが格上の偉い人間になれたように錯覚して良い気になってるという構図
夫や義父母の「悪気はなさそうだけど、彼女の意思を1ミリも尊重してない」感が良かったのはもちろんのこと
↑夫と義父、確かに同じこと言ってた!言ってた!!うわ~思い出した😨
夫:「俺の金でお前はせいぜいカーテン色選びでもして毎日遊んでろよ。専業主婦は良い気なもんだな。チッ」
義父:「さっさとヨメの精神異常を治せ。金を出してやってるのは私なのだからなドヤ」
言ってたわ~。ご存知「誰が食わせてやってると思ってるんだ」ってやつね。
伝家の宝刀。出ました。典型的モラハラ「感謝のカツアゲ」。ヨメ=家畜。飼ってる感覚ね。
因習が次世代へ脈々と受け継がれる様を確かに描いてた~あ~確かに確かに。思い出した😲
男はバカおじさんを見て育った男児が次世代のバカおじさん(父のコピー)になり
女は義母や実母(ジル)の世代から、娘ハンターの世代へと
「女は何をされても飼い主にNOと言ってはいけません」ていう教えと奴隷の身分が受け継がれてね。あー確かに~
「風花雪月」のシルヴァンの話「子供が親世代と同じことを繰り返して差別の再生産をする」
昔ながらの因習を「守るべき伝統」みたいにこれからも永続させる社会の仕組みね。あーなるほど
旧世代から押し付けられるもの、昔の人の価値観を、なんでも無批判に飲み込み受け入れる(SWALLOW)のはやめましょうっていうね
2021年、フェミニズム×サスペンス作品 他のも良かった
「プロミシングヤングウーマン」(セクシスト VS フェミニスト)
「RUN」「SWALLOW」が特に好き…たぶんあんまりマッチョ女じゃない可憐な?ガーリーな?主人公が好き😘
「ザ・スイッチ」(普通の女子高生と凶悪殺人鬼おじさんが…入れ替わってるー!)
も入れ替わりコメディであり殺人鬼&警察に追われるスリラーであり、なぜか正しいフェミニズム精神までもしっかり入ってておもしろかたな😘