【国際芸術祭愛知2025の展示が始まっています。:雑感】 久々投稿。
この雑感をスマホのメモに打ち込んでいる本日は令和7年9月11日。 さっきiPhoneの写真ライブラリが勝手にお知らせしてきた
ことによると、三年前の今日、俺はロンドンにいた。 よく覚えている。バーミンガムのギャラリーで、現地の素晴らしい仲間たちとのギグの後、英国女王が崩御し、俺のロンドンでの個人的な仕事は全てキャンセルになった。現地で宿泊の世話になっていたブラジル打楽器の弟弟子の家でぼーっとしていたら、ロンドンの別の場所に滞在していた相方のMayunkikiから「今日実験的なギグをやってる不謹慎なMusic Pubがあるから暇なら行ってみないか?」と誘われた。
DalstonにあるCafe Otoという日本人女性が経営しているらしい面白い場所で、そんなに期待せずに行ったのだけど、その日はミニマルなノイズやアンビエント音楽の即興パフォーマンスをやっていて、ビールを飲みながら耳を澄ませているとパブの中の椅子の軋みや厨房の音、観客の咳払いや話し声も音響的に聴こえてきて、図らずもとても感銘を受けてしまった。
ブラジルRecifeの仲間たちと連日太鼓を叩いて、そこら中で無軌道な大騒ぎが繰り広げられるカーニバルの最終日、そんな世界有数の盛大な祭りの後、みんな寝静まった早朝のファベーラに突然、蝉の声(蝉いたのかよ!)が聴こえて、Boa Viagemの海の轟が響いて来た時。
学生時代、バックパッカーとして一番安い舳先の船室に雑魚寝しながら大シケの海を渡って壁や天井に叩きつけられ、ゲロにまみれながら大陸の港に着いた時、突如、今まで慣れでシャットダウンして聞いていた船に響き渡っていた波とエンジンの音が切れて、日常の陸の音が流れ込んできた時。
子供時代、岐阜の田舎の川にかかった橋の上から飛び込んで深い水中に一気に体が沈み込んだ時。いや、法事でオッサマがお経をリタルダントかけて読み終えて、もったいぶって「チーン...」とかやった後の仏間...とかなんでもいいんだけど、とにかく
ああいう種類の静寂。冷静に聞けば致し方ない天然の音がガヤガヤやかましいはずなのに、静寂。
バンド...特にエレキギターとドラムキットの発明以降のアメリカ音楽の形式のバンドスタイルの上にアイヌの歌や、舞台での娯楽として発展する以前の歌や合奏の形式を残した非西洋の芸能を「ワールド・ミュージック」界隈の「レア・グルーヴ」として乗せたマッシュアップ・ミュージックはとても刺激的で楽しいけれど、ある種植民地主義の歴史を象徴するようなその、無理やりな感じ、はずっと気になっていた。俺はエレキ・ベーシストでパーカッショニストだし、フェスやクラブみたいな場所で、でかい音でビール片手に大騒ぎする音楽は当然大好きなんだけど、今に伝わるアイヌの歌とその在り方は... そういう世界に出会った時、本当に居場所が充分にあるものだろうか。俺はそうではない気がする。無理をさせている。いや、俺も無理をしているのかもしれない。(人間にとって無理自体は決して悪いことばかりではないが) とはいえ、まあ、現状この世界の常識でやるしかない部分はあるわけで、「でもやるんだよ」にはなるわけだが、その上でちょっと別のアプローチを探ることはしておきたいな、と思い結成されたのがマユンキキと俺の音響ノイズ・アンビエント・デュオ「西瓜兄妹」であったわけです。...が、結局走りだしは既存のLRステレオ音響でアンプリファイしてやるわけで、ややノイズ寄りのちょっとヤケクソなパフォーマンスはしてきた感じである。
で、結成日から本日でジャスト三年。ここに来て今年「国際芸術祭あいち2025」からのマユンキキへの出展&パフォーマンス依頼。特殊な自作スピーカによるマルチチャンネルシステムの構築に明るいWHITE LIGHTのみなさんとの出会い。なんかもう色々素晴らしくて説明が長くなるから彼の仕事ぶりの詳細省く現場/舞台監督の山田くん。美と情緒と芸の鬼...hoshifuneのお二人、 ダイナミクスと情緒の女神の佐藤直ちゃん(per)、マイメン、というか兄弟分のマチュメ(だいたいper)、花田くんを中心としたあまりに理解のある芸術祭スタッフ...などが揃って今色んなことがドライブしています。 とりあえずは現状、展示であるが、「現代」で「アンプリファイド」されたアイヌの歌を響かせる上では今時点で最高のアレンジ?と環境をチームで構築できたと思った本日9.11令和7@名古屋。我々の作った「最高」は、川の音山の音etc...よりむしろ、「鉄道」の音がその主軸であった。それには日本列島、北海道/ヤウンモシㇼ、奥三河〜南信州の「近代化」に纏わる色々な無理や軋轢や矛盾、そして作家であるマユンキキ自身のファミリーヒストリーが絡まり合って,そうなっているわけですが、その辺は展示やパフォーマンスの現場に足を運んでぜひ感じ取とりつつ、あとはまあ、解説なども読
あいトリの仕事意外にもツアーや制作やレッスンや、家庭、家事育児を抱えて、私は今、この44年の人生で一番忙しく、混乱し、苦しみ、疲弊していますが、とりあえず展示はこれは画期的なものができた。静かで地味だけど色々すごくて画期的で、優しい。これはもう、一人でも多くの人に体験しに行ってほしい。現代美術好きのみならず、市場の音楽、録音芸術、オーディオマニア… 歴史好き、政治経済〜言語学(特にアイヌ語学習者)の徒…様々な皆さんに体感していただきたい。強くそう思っています。
東京の自分のスタジオに戻ったら(このメモを投稿している現在はもう帰京しております)パフォーマンスの方の音制作で修羅の深夜作業の連続に入っていると思いますが。これだけ書いておこう。
他もなんかよくわかんないけど、これはヤバいな、て作品たくさん名古屋、栄の芸術文化センターにあったよ。
世界は連日切羽詰まってますが、我々「社会の贅肉」ともいえる業界の職業人は、どうにかまだまだ仕事させていただけております。謙虚に感謝したいし、この「ゆとり」のしあわせ?と理性が少しでも皆さんの日々を彩って若い人たちの未来の糧になりますよう。 いっぺん足を運んでみてください『国際芸術祭あいち2025』。よろしくね。














