嘗て日本がアメリカの「がま口」であったように、次は中国に散財させよう トランプの米中貿易戦争の深層にある、意地悪な意図 **************************************** トランプは中国にたっぷり貯め込んだ外貨を散財をさせて、その国力を弱体化させる戦略を行使しているのではないか。 米国は中国が呼びかけているAIIB(アジアインフラ投資銀行)に最初から冷たかった。日本も参加する意思はない。 第一にトランプの戦略は中国国内の金利政策、外貨規制に静かに照準を合わせていると考えられる。 中国の外貨準備が底をつけば、必然的に人民元は激安へ向かう。このことは中国人民銀行中枢もよく理解しており、二年前から資本規制を強めて対応してきた。外貨による送金が事実上不可能となり、海外旅行の持ち出し外貨も制限され、海外の不動産購入は認めなくなった。例外的に海航集団などの欧米企業買収はみとめてきたが、金額ベースで比較すると減少していた。 第二に中国の不動産バブル崩壊は必定だが、それを早めることである。 つまりFRBが金利を上げると、投機資金は米国へ環流する。不動産価格を下支えしているのは、国有企業、国有銀行などが巧妙に公的資金を注入しているからだ。中国の庶民がかかえる住宅ローンも、金利が高まれば個人破産が増える(おそらく暴動が頻発するだろう)。 第三に中国経済がかかえている難題は「株安」「債券安」「人民元安」と、三つの市場における連続的な下落がる。ところが賃金高、物価高、金利高になって、その乖離は激烈である。 第四に中国は国内にゴーストタウンを量産したが、くわえて週一便しか飛ばない辺地に飛行場を造成し、乗客が見込めない田舎にまで新幹線を建設し、あちこちに橋梁を架け、トンネルを掘り、都市部から離れた田圃に新駅を造り、50の地方都市では採算が合わないとされる地下鉄網をつくって、エベレストより高い借金の山をつくった。 ちなみに中国の新幹線、いまや25000キロ(鉄道の総延長は12万7000キロ)、とくに新幹線は2012年比較で2・5倍となって、最新鋭「復興号」は、北京上海を350キロ、四時間半で結んで世界一と自慢した。中国は16両連結を自慢したが、従来は馬力の関係から8両編成を連結していた。 第五に遅れて参入した生損保、とりわけ生命保険の迎えるインソルバンしー危機。また老人年金はすでに多くが基金を取り崩している。 少子高齢化の速度は日本より速く訪れるが、中国には介護保険制度はなく、老人ホームは富裕層しか入居できない。 ▲つぎに外的要因に中国の脆弱性が露呈した 現在、全世界で展開中のBRI(一帯一路)は、もしすべて完成すると総額は8兆ドルなる。 アメリカ人からみると、この中国の世界的規模の投資は、当該国経済を活性化させた嘗てのマーシャルプランのような公共財の提供ではなく、まさに不良在庫処理と、労働力の輸出であり、相手国経済を収奪することだ。 工事中断に至っている案件はニカラグア運河、ベネズエラ高速鉄道、インドネシア新幹線、ミャンマーの水力発電などで、目標通りに完成させたのはヨーロッパをつなぐ鉄道くらいである。 大風呂敷のママ終わったのはラス ー ロス間の新幹線プロジェクトほか、これまた山のようにある。 親中派のチャンピオンであるパキスタンですら、現実には大判振る舞いのCPEC(中国パキスタン経済回廊)に570億ドルを投じているが、随所で工事が寸断している。 パキスタンはIMF管理にはいるほど財政が悪化、中国は渋々10億ドルの追加融資を決めた。ほかにも中国の商業銀行は20億ドルを貸しているという情報もある。2013年にパキスタン危機では67億ドルの負債を返済できずに、IMF管理となった。 また鼻息荒く全米の企業買収のみかわ不動産を買いまくったが、これも嘗ての日本のように、堤清二、秀和の小林某、イアイアイの高橋某と、乗っ取り王といわれたバブル紳士たちは、高値を掴まされ、最後には底値で物件を手放し、馬鹿を見た。 中国勢はハリウッド映画買収に失敗、ウォルドルフアストリアホテルを買い取った呉小暉は逮捕され、安邦生命は国有化という惨状をすでに露呈している。 他方で、トランプは中国企業がアメリカに進出すると喜びを素直に表現する。 ウィスコン洲でFOXCOM(鵬海精密工業)の工場の起工式に、トランプはわざわざ出席し鍬入れセレモニーに参加した。この式典には孫正義も参加している。孫のファンドが出資しているからだ。 トランプは起工式でこう言った 「この工場は米国の美しい鉄鋼と、アルミ、そして部品を使う。素晴らしい工場になる。ウィスコンシン州で私は勝った。レーガン大統領も負けた土地(戦局)で私は勝ったのだ」と意気軒昂に吠えた。 嘗て日本はスーパー301条発動にくわえて「ローカル・コンテンツ法」によって、自動車メーカーは米国進出を余儀なくされた。 それによって部品の下請け、孫請けもぞろぞろと米国へ進出したため、国内は空洞化を来した。中国もいずれ、そうなるだろう。つまり米中貿易戦争とは、アメリカの中国貧窮化政策といえるのではないだろうか。











