【イベントレポート】コミュニティの可能性?組織を超えた繋がりの魅力とは
Civic Tech Live!は、「みんなが当事者となってITで社会をより良くする」というテーマのもと、人や事例のネットワーキングを行い、飲みながら語り合うイベント。会場は恵比寿にあるCrowd Worksさんのオフィスをお借りして開催しました。とても素敵な会場でテーブルレイアウトからフィッシュボウルまで様々なレイアウトで使わせていただきました。会場をお貸しいただきありがとうございます!
今回のCivic Tech Live!、テーマは「コミュニティ」。
人は誰にも頼らず、一人だけで生きていくことはできません。だからこそ、家族や地域といったつながりが私たちにはあります。人と人が支え合うということはコミュニティという言葉が生まれる前から当たり前のようにあります。「職場」や「学校」などといった日頃からのつながりの他にも、組織を超えて、個人の持つ関心や問題意識を共にする人が集まり活動をするということはインターネットを通してより簡単になってきています。
その一方で、「コミュニティの内側」について知る機会はそう多いものではありません。私たちから見えにくい、生まれた取り組みやその過程や魅力とはどのようなものでしょうか。
今回はトークセッションとフィッシュボウルの二部構成で行いました。時系列に沿ってイベントの模様をお届けします。まずは、Code for Japanの関からの挨拶と乾杯からスタートしました。
0.Code for Japan 代表理事 関治之
市民コミュニティやテクノロジーの力で地域課題の解決を目指す”Civic Tech”。この二つの単語は並列な関係のものではありません。
長く続き、実りある活動のためにはテクノロジーをいかに使うかという観点よりも、いかにうまくコミュニティづくりを行うかという観点の方が大切
活動を支え、主体となるのはコミュニティに他なりません。だからこそ、コミュニティを考える必要があるのではないかと締めくくりました。そして乾杯によりイベントはスタートしました。
トークセッション
グラフィックレコーディング( 担当:宮田さん )
トークセッションでは3名の方にご登壇いただきました。宮田さんが担当したグラフィックレコーディングはこちら。豊かな個性はもちろん、キーワードを拾いながら文脈を絵にしており、一目で見て内容が伝わってきます。
信念を持ち、続けていく先に見えてくるコミュニティ
Meetup コミュニティマネージャー 市川裕康さん
Meetupとは、地域やトピックに基づき、継続的にリアルな対話・交流の機会を創り出すプラットフォームとしてのサービス。現在世界180カ国で、Meetupを通し毎日2万件もどこかで開催されています。Meetupで広報・マーケティング活動を行うコミュニティマネージャー市川裕康さんにご登壇いただきました。
Meetupの創業に9.11が大きく関わっているという。それは、9.11後に生まれた「災害時のみならず、日頃からの豊かな地域コミュニティが大切だ」という思いが設立のきっかけになったからだとのこと。もともと市川さんご自身も長い間利用者で理念に共感していたこともあり、このサービスを日本でも展開したいと思っていたそうです。
当日、時間の関係で紹介できなかった動画はこちら。Meetup CEOのスコット・ハイファーマンさんからの「Meetupを始めるあなたへ」というメッセージ。
Meetupを始めるあなたにありがとうと伝えたい。なぜなら、あなたはコミュニティメンバーの人生にとって大切なことになる何かを始める勇気を持っているからです。
Meetup CEO スコット・ハイファーマン 「Meetupを始めるあなたへ」
最初の一歩は誰でも孤独です。しかし、信念を持ち、続けていくことで人と人が繋がり不可能だと思っていたこともできるようになります。決して一人だけではない、共有することも大事。だからこそ、コミュニティ運営者同士もノウハウを交換する機会を数多く開催しているという言葉には重みがありました。
「味噌汁から学ぶ?新しいコミュニティの考え方」
会津大学准教授 / CODE for AIZU Founder 藤井靖史さん
「コミュニティはつくるものではなくて、自然に生まれていくもの」
そう語るのは「地域でつくる、市民でつくる、まちをもっと楽しく豊かに」というコンセプトで、地域で対流を起こす活動を行うCODE for AIZU 、そして地域企業と協力しながら大学生をはじめ、高校生、社会人など幅広い世代の人が参加し「とにかくつくる、世の中にだす」ということを理念に活動しているOpen App Labの活動をする藤井靖史さん。散逸構造論的なコミュニティを目指していると言います。
散逸構造論とは、無秩序から秩序が生まれるという理論のこと
?と思った方もいらっしゃるでしょう。一体どのような意味なのでしょうか。味噌汁を例に驚くほど分かりやすくご説明いただきました。
しばらく、味噌汁をそのままの状態にしておくと味噌と汁が分離し始めます。味噌汁が分離してしまうのは温度差がなくなってきてしまうからです。味噌汁の模様が生まれるのは、熱が逃げない部分と冷めていく部分という温度差によって対流が起こるからとのこと。
これは味噌汁だけでなくコミュニティやプロダクトなど多くのことに共通する物事の順序だというのが藤井さんの考え方。いきなり大人数を集めようとするよりも、本当にやりたいことをぶらさずに行い「熱量のある数人」が集まった方が、インパクトのある成果が残せるという。当時、復興予算から多くのアプリやプロダクトが生まれましたが、その多くが長く続かなかったり広まりませんでした。その一方で、温度差から対流を生むというように散逸構造論的に手掛けたところ、結果的に7つのグランプリ受賞や関連起業も4社という大きな成果を残したそうです。
物事には順序があると言います。試行錯誤の末にこのような形が生まれてきたのでしょう。集まる人や地域の特性によってアプローチは当然変わってきます。
温度差から対流が生まれ、やがて構造が浮かびあがってくる。構造から入るのは、近道に見えて一番の遠回り。このことは、きっとどこかに通じる部分があるのかもしれません。
コミュニティを巡る6つのキーワード
横浜コミュニティデザイン・ラボ 理事 宮島真希子さん
「このまち、わたしから未来を作る」をコンセプトとした地域情報プラットホーム「LOCAL GOOD YOKOHAMA」、「まちの記録係」としてのヨコハマ経済新聞の運営、シェアオフィス「さくらWORKS<関内>」運営などオンラインとリアルで人が出会う場作りを行う宮島さん。
コミュニティの特徴としてあげたこの6つのキーワード。
Diversity:多様性
Dialogue:対話
Conflict:ぶつかる
Tolerance:寛容する
Expand:拡張する
Change:変わる
果たして、どのようなつながりがあるのでしょうか。
キーワードを巡りながらコミュニティを語っていただきました。
コミュニティとは、同じような趣味や関心などを持った人が集まってくるように思いますが、実際に来ている人は一人ひとりがやたら濃かったり自分とは異なる部分は意外と多くあります。コミュニティの特徴は同一性ではなく「多様性」なのです。同じような考えを持ち同じ目的を共有しているはずなのに、なぜかうまくいかない。そのような壁にぶつかったことのある方も多いのではないでしょうか。しかし、ただ異なるということを認識しているだけでは何も進めません。
「対話」によってお互いの考えやその違いを知ることだけではなく、その背景や人柄などを知ることができます。たまには「ぶつかる」こともあります。しかし、ぶつかることは必ずしも悪いことではありません。ぶつからないと分からないことがたくさんあるからです。ぶつかる中で、様々な発見があったり、ここでなら同じ考え方を共有できるかもということを模索できます。
そのような部分を見つけ、「寛容」になると今まであった自分がどんどん「拡張」されていきます。自分で考えている自分は一時的なものに過ぎません。常に「変化」していくものなのです。このような過程を通し、「みずからが多様性にさらされ、拡張し変化していく愉しみ」こそがコミュニティに参加する魅力なのです。
ご自身の経験から紡ぎ出された6つのキーワードには1つ1つに新しい気付きがあり、外から見ているだけでは分からないコミュニティの醍醐味を知ることができました。
フィッシュボウル
グラフィックレコーディング ( 担当:和波さん )
今回は初の試みでフィッシュボウルを行いました。まさにCivic Tech 「Live!」感のある雰囲気でした。グラフィックレコーディングを見ると、その臨場感やトピックの幅広さが伺えます。
フィッシュボウルとは、登壇者と参加者が多重の円形をつくり、内側の円にいくつか席を空けておき、何か聞きたいことがある方、出てきた話題に参加したいという方が席に加わり話し合うという流動的なトークスタイルです。
フィッシュボウルの様子
自分の心にあったモヤモヤを聞いてもらいたいと言ったことから、持続的にコミュニティを運営するためにはどのようにすればいいのかと言った幅広いトピックについて取り上げられました。今回特に盛り上がったトピックを取り上げてご紹介します。
Q.コミュニティは自然発生的に出てくるもの、という話がありましたが、実際お金ってどうしているんですか?すごい気になります(参加者A)
僕は北海道の大学に4年間普通に通って、普通に卒業して普通に社会人になって2年経っているが、お金カッツカツです(苦笑)。いろいろなコミュニティに顔を出しているんですけど、はっきりいってマイナスです。今、叔母の家に住んでいるような状況。コミュニティの参加費って2500円、2500円…みたいに地味に削られていく、10回行ったら25,000円ですよ。移動費もかかるし、お金は本当にシビアなところです。(参加者B)
本業とのバランスが気になるんですが、コミュニティが趣味なのか、仕事なのか。今日登壇していらっしゃる方は一体何で食べて行っているんですか笑?(参加者C)
Meetupは一応、株式会社ですので(笑)。アメリカだとコミュニティを運営する人は月に15ドル払うことになっています。コミュニティマネージャーがたくさんいることでなんとか食べて生きてるんです(市川さん)
お金がかかる時は自分がイベントをつくる側になるのがオススメです。簡単に言うと「胴元になってしまう」ということ。自分たちの聞きたい人を自分のところに呼んで、自分が1番楽しむ。それをみんなに分けてあげようというスタンスだと手間はかかるけど、自分はお金がかからなくなりますよ。学生っていうだけで優遇してくれることも多いから使えるものは今のうちに使っておいた方がいいかもしれません。参加するよりも主催する方が絶対楽しいはずです。(宮島さん)
自分の場合、大学にいて安定収入はあるが、元々は会社の経営をやっていました。結局メリットがないとコミュニティは長続きしないんですよね。今はCODE for AIZUをやっていて役場の人が多く入ってきているんですが、その背景として役場の方は、ここから情報を得て、出世されています。同じようにベンチャー企業も、スーパーからシステムを作る際の発注がどんどんきて、稼げるようになっているから入ってきています。コミュニティとしてくる人にメリットを与えないと続きません。なるべくメリットを意識するようにしています。どこか無理していると、その好循環がうまく回らなくなってしまうんですよね(藤井さん)
コミュニティ=儲からないという全く別の話。好きなことやっている=儲かるとも違う。やりたいけど儲からないようなフィールドってたくさんあるんです。もう世の中は頭の良い人ばかりで、「これ儲かる」というフィールドはめちゃくちゃ競争が激しい。その一方で、「これ儲からないけど社会のために必要なことだよね」というフィールドはまだまだ競争者が少ない。だから、そこに全力を投入すると意外と簡単にNo1になれる。でも、社会にそれが本当に必要とされていたら、ずっとやり続ける中でお金は回ってくる。自分で考えきることはできなくても、他の人が考えてくれたり、参加してくれる人に対して価値を提供することを真剣考え続けて、2,3年やり続けていたら「あ!こういうことだったんだ!」ということが見えてくる。死なないための生活基盤をつくることはあるんだけれども、だからこそやり続ける。やり続けていると、いつかバーンと跳ねる瞬間があって、そういう時に「このためにやっていたんです」と、さも計画していたかのようにサラッと言ってやるんです。(関)
そういう活動を評価している会社に入る、というのもいい。ハッカソンで勝ちまくっていたら、昇進した。「ハッカソン昇進」。コミュニティずっと活動していたら、週4日だけ働けば良くなった。(参加者D)
僕もコミュニティにたくさん入っていて、出会った人とまた会うんですよ。採用につながったことがある。紹介費でお金をもらえたりすることがある。人と人が繋がると何かしらお金が生まれるチャンスはあるのかなと思っている。外に出ることは大事。やり方は一つではない。(参加者E)
最後に
コミュニティというものに正解はありません。様々な形があり、それだけ様々な関わり方があるということをイベントを通して感じました。組織を超えて人と人が繋がる、それによって広がるのは可能性ではないでしょうか。今までになかった自分と出会うため、より豊かな人生を歩むきっかけとして勇気を出してコミュニティに参加してみませんか?
【次回の予告】
ということで(!?)、次回のテーマは。
「ソーシャルグッドとお金のカンケイ」です。
9/26(月) 19:30-開催予定です
イベントページはこちらになります
https://www.facebook.com/events/1249222571775544/
チケットの購入はこちらから
http://peatix.com/event/199564
【Code for Japanのコミュニティ】
参加者向けのCode for Japanのコミュニティもありますのでお気軽にご参加ください。https://www.facebook.com/groups/codeforjapa
現在Code for Japanでは年に1度のCode for Japan Summit2016に向けて運営や企画にご協力いただけるメンバーを募集しております。勿論、Civic Tech Live!の運営や企画にご協力いただけるメンバーも合わせて募集中です。
ご興味ある方は [email protected] まで、ご連絡お待ちしております。










