「Daemon-eater v2」
薄暗い遺跡の中に、ペンを走らせる音が静かに響いていた。
薄暗い遺跡の中に、ペンを走らせる音が静かに響いていた。 ―まめになったものだと、自分でも思う。 ギルドの依頼を受けるために、文字は覚えているが、書くのは自分の名前くらいで、あとは読めれば生活が回る。実際、近隣随一と呼ばれる前も、その後も、それで問題はなかった。 それが今の依頼人と組むようになってからは、これまでの人生で書いた文字数と同じ…。いや、おそらく数倍から十数倍は文字を書く様になった、と思う。数えるのは阿保らしい。 始めこそ、面倒くせぇなと思って適当に済まそうとしていたが、そのたびに反論ができないように順序だて、正確な情報の価値と、必要性を説かれれば、最後にはわかったと言わざるを得なかった。学はないが、そこまで馬鹿ではないつもりだ。 もともと感覚で動く分、探索という視点は重視していない。行って戻ってくる程度の道順くらいしか覚える気がなかった。何かあったらその場で臨機応変に…
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