TULALADD 2016 BEST / No.4
予想をはるかに凌駕されたというパターン。
これだけのファーストアルバムを作った当然の帰結として、
2016年のシーンでの躍進は飛び抜けてた。
本作に先駆けること9か月、デビューEPがリリースされた当時、
D.A.N.に未知のポテンシャルを感じこそすれ、
これほどの成長を予測できた人がいただろうか。
そのデビューEPリリースのさらに1か月前、自分が邂逅したD.A.N.のライブはたしかに衝撃だった。
LUCKY TAPES目当てで行ったのに完全に未知のD.A.N.の虜になってしまった。
この日、彼らは目先のEPを超えて未来のアルバムの冒頭を飾るにことになるZidaneを、ライブのオープニングに据えた。
当時のライブ(2015/6/11)音源を聴き返すと、
この時点でアレンジとサウンドがすでに完成していたことに驚く。唯一の違いは歌詞が英語だったということ。
2曲目もEPを飛ばしてアルバムを締めくくるPool。
けれどこちらはZidaneとは逆で、歌詞はすでに上がってるもののアレンジはけっこう違う。
冒頭のラップパート、ヴァースの跳ねたリズムパターン、
一転してコーラスでは小林うてなさんのスティールパンと仁也くんのスラップが高揚感を煽るこの時期のバージョンは、
現行のバージョンよりも感情の抑揚が効いてて、
曲単位で聴いた場合は(Poolはアルバムの先行シングルとして配信された)個人的にこっちの方が好きだ。
でもそのドラマ性をあえて排し、
レイジーなムードを通徹させアルバムの最後に配置した彼らの自己プロデュース力の高さに唸らざるをえない。
それが若さと併存しているとなると尚更だ。
このテキストを書いてる1週間前、最新シングルのSSWBが配信された。
外殻はより深くディープなモードへ。でも日本語のポップスとして成立させる戦いは続く。
何より、PVで描かれる渋谷WWWでのユースの群像が、
現実に自分がD.A.N.と出会ってコミュニケーションしたシチュエーションに丸々と重なって、
フィクションと現実の境界がゆっくり溶け合っていくようで目眩を覚えた。
後日P-VINEのオフィスでじっくりと向き合った彼らはたしかに初めはシャイだったど、
ブックスの指摘をしたあたりから急激に心を開いてくれた感じがあって、
自分の短い編集者人生の中でも特に印象に残るインタビューだった。
この日すでに、彼らはSSWBについて語ってくれている。
彼らのメロウネスを買ってる身としては、『D.A.N.』はTime Machineからの後半が特に好きだった。
今年はどんな進化を見せてくれるんだろう。