『はだあし』の当日パンフレット
ここに記すにあたって、このとても個人的な話を打ち明けるのは、はたしてよいのか悪いのか、わかりませんが、つづります。
わたしは大学で太田省吾さんの講義を、一回生の半期、受講しました。たしかその最後の授業の時、太田さんは授業の回数をひとつ数え間違えていたらしく、ひとつ話しそびれたことができてしまった、とおっしゃっていて、わたしは授業が終わってから太田さんに「どこかでそのお話聞きたいです」と言いに行きました。かなり、緊張していました。すると太田さんは「まあ、本に書いたからなあ、読んでよ」と、少し笑いながら。
そして、その次の年の夏に太田さんが亡くなられました。 それから、太田さんの本を幾度も読み返しました。「まあ、本に書いたからなあ、読んでよ」、だから、わたしは、太田さんの本を読みました。そうして触れた太田さんの言葉が、いま、自分にとって、切り離すことのできないものになっています。
これもまた、たいそう個人的なことですが、この作品は、わたしの大学院の修了制作作品でもあります。大学を卒業するにあたって、太田さんのテキストに取り組むのは、自分にとってとてもすなおなことでした。
太田さんの靴を借りて、はだしで履いて、歩いてみようとすること。 おそらくぶかぶかなそれを履いて、どのように歩くのかということ。
本日はご来場いただきまして、まことにありがとうございます。
和田ながら
2011 / 12 / 16
『はだあし』の当日パンフレットに載せました。














