パリの三つ星”L'Astrance”での出来事。 俺は全く無知で(星付きがどう…ランキングがどう…という事にのみ拘る阿呆の方がより気にするという意味で)、どんなお料理がスペシャリテなのかも知らずにエッフェル塔近くの名門の扉の中へ。店内入り口には独特の香りが少しする… とまあ、気にせず席へ。 何か嫌いなものは? "キノコ" そう答えた。一緒に行った奴は呆れていたが、星のついたお店で嫌いなものを述べるという事がその時は既に初めてでは無かったため、率直に伝えてみた。 ギャルソンは驚く顔を隠そうとはせず、"あれもか?"と指差した。その先にあるカウンターには大きな瓶が乗っており、中には黒いダイヤモンドとも言われる黒トリュフがごろごろと無造作に敷き詰められていた。 "oui あれもだ" 答える自分に"シェフに確認する"と伝えてから離席したものの、すぐニコニコと戻ってきた。 "今夜をお楽しみください" さあ、何が出てくるのか? 3皿目だったか、彼のスペシャリテの一つが出てきた。それはキノコ。そしてビロードもキノコの香り… 席の周囲に独特の香りが広がり、更に例の黒ダイヤモンドを目の前でこれでもかと同席した奴の更にゴリゴリ削る… "ぐああーー" だが、俺の前にはどこか懐かしくなるテイストのものが…。 それは鰯のビロードであった。日本人であるゲストが苦手なものを逆手にとり、故郷の懐かしさを出すというそれはシェフの優しさで、味も申し分なければ機転の効かせ方にも超一流を感じた瞬間だった。 気取らず言うと、麺つゆの様なものだったが、キノコの香りに挫けそうな自分には充分すきた。 日本国内屈指のシェフもこの”L'Astrance”で研鑽を積み、成功しているというが、まるで魔法のような出来事であり、食卓を彩る全てが完成された世界だった。 ホスピタリティも… やはりレストランとは、レストア… 治す、直す、そういうものなのだよね。 そしてその様なリクエストを昨夜井口シェフにもしてみたのだが、キノコ、牛蒡、モッツァレラ の一品を、彼は我々のニンジン、そして皆に推奨しまくった柚香を合わせた皿へと変えてくれた。 菊芋、牛蒡のエスプーマ、せり、そして弾力性のあるモッツァレラ 、そこにナメコや椎茸をあしらうという、恐らく味覚的には完成されているそれを、甘いニンジン、柚香の酸味甘味を加えても同等に仕上げる… ストーリーがそこにはある。 嫌いなものを、好きなものに変えるという魔法をパリの名門以来味わった。 大変感動した。 我々の野菜を使ってくれるシェフ達の剛腕ぶり、繊細さ、何よりキノコが嫌いだという36年も続けている主義のお陰でその人達の優しさという引き出しの中が味わえる。 悪い事ばかりじゃない。 キノコふぁーっく 井口シェフありがとうございます。 #ihatemushroom #lastrance #revivekitchen #井口和哉シェフ #キノコ嫌い #hospitality #story #omefarm #gastronomy #🇫🇷 (THREE Aoyama Revive Kitchen) https://www.instagram.com/futoshiota/p/CXrgEa0Bhe9/?utm_medium=tumblr











